伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

市長年頭所感に寄せて

2013年01月10日 | インポート
 新年もはや10日、きょうは湯本の金刀比羅宮の例大祭で朝からにぎわっていたようです。
 4日のいわき市中央卸売市場の初市祭を皮切りに、6日はいわき市消防団の出初式で、第4師団では消防ポンプ車に乗って検閲式続いて出初を行い、大過なく一年を過ごすことができるよう祝いました。7日には市民交歓会。ソプラノ歌手の木田奈保子さんの「花は咲く」でオープンし、市長が「年頭所感」の内容を紹介しながらあいさつをしました。

 その「年頭所感」ですが、昨年のトーンからはだいぶ下がった雰囲気。この書簡について市議団の発行する議員だよりに原稿を書いたので、ご紹介します。


市長年頭所感に思う>―市民の憤りと不安にこたえる施策を引き続き

 2013年が明け初春を祝う行事が続きました。その一つが7日の新春市民交歓会です。この日渡辺敬夫市長は、年頭所感「『ふるさといわき』の再生に向けて~日本の復興を『いわき』から~」を公表しました。

 一昨年の震災から2回目の年頭所感です。昨年の市民の憤りと不安が反映した内容から一転、穏やかさを取り戻したという印象です。

 その背景には、この1年間で原発事故の対応では、自家消費用食品の検査やホールボディーカウンター測定の開始、さらに環境の継続的な測定の開始などがすすんできたこと。そして震災・津波対応でも、津波被災地の復興計画が決まり、一部の災害公営住宅の着工や大規模な被害を受けた団地の再建事業が決まるなど、一定の前進が図られたことがあると思われます。

 そのためか、市長は交歓会で、昨年を「復興元年」、そして今年を「復興事業元年」と位置づけました。実際、所感は事業の列挙という印象です。

 所感の表題は昨年と同じです。そして今年、「復興に向かう本市の姿を実感」し、「将来に希望と期待の持てるまちづくり」をすすめるため、次の5つの柱を掲げました。

 「安全・安心の推進」「津波被災地の復興」「小名浜港周辺地域の復興」「産業の復興再生と集積等」「再生を見据えたまちづくりの推進」。

 そして、その中の具体的事業には、地域防災計画の改定や震災復興土地区画整理事業や防災集団移転の促進、さらに大型複合商業施設を核にした「都市センターゾーン」の整備などの小名浜港背後地の整備、洋上風力発電の推進などが列挙されています。

 また、息が長い市民運動が続いている学校図書館司書の配置の要望を受けて、新規に学校図書館司書をモデル校に配置することも明らかにしています。

市民の視線で原発事故の対応を

 一方、昨年の所感は「放射線と風評被害対策」という柱がありました。今年はこの内容が、「安全・安心」の中にコンパクトに収納されています。

 「事故収束と第二原発の安全対策、損害賠償」を強く働きかけるなど、市民の原発事故に対する怒りと不安をとらえた施策も盛り込まれていました。

 今回、こうした言葉は見られません。原発事故の収束作業が困難をきわめている今日、収束に向けて国・東京電力が予算面も含めてしっかり取り組むことなどを、引き続き強く求める必要があります。

 同時に、昨年の総選挙で自民党・公明党連立による安倍政権が発足したもとで、民主党政権下での原発政策の見直しがすすめられています。

 本市は「原子力発電に依存しない社会」をめざすことを明確にしています。「国民に等しく電気を配電できるのであれば、原発をゼロにすべきと考えています」(昨年11月定例会一般質問市長答弁)とした市長の立場からも、その具体化に向けた取り組みが求められます。同時に、自公連立政権の施策には、被災地いわき市の意見を明確にぶつけていく必要があります。

 県内原発の全基廃炉を求めること、さらに原発ゼロの撤回や原発の新設を認めるなどと伝えられる自公政権の姿勢にも、原発被災地として必要な意見を突きつけていくことが求められます。

自公政権のもと市民支える施策を

 同時に、新政権のもとで国債(国の借金)を財源に大型公共事業の拡大策が打ち出されました。また消費税増税が2014年4月に8%、15年10月に10%に予定されています。こうした問題が、被災した本市及び被災市民の暮らしの建て直しにどのような影響を与えるか、冷静に見つめ、市民の暮らしとその復興を支える立場の行動が求められています。

 私たち日本共産党市議団は、本年も市民のみなさんの声を市政に届け、活かすために努力をしていきたいと考えています。
 みなさんの声や要望をお寄せください。


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