■一歩
昭和天皇が、戦後、1952年の式典の「お言葉」に「反省」の語句を入れたいと表明したが、吉田茂首相が反対し使えなかったと報道された▼戦争責任について問われ「お答えができかねます」としか答えなかったとされてきた昭和天皇。十分、不十分はともかく、「反省」を口にしようとしていたと知ると、見る目も変わってくる
▼もっとも、再軍備のための改憲を口にするなど、政治関与への未練も垣間見えている。象徴天皇制下なのに「君主」の思考を引きずっていた問題は残っていたようだ▼最近戦争と天皇に関する記事が目についた。靖国神社を、A級戦犯合祀後天皇が参拝していないという報道もそうだ。安倍政権のもと急速に右よりに傾斜するような社会への警告なのだろうか。
■アッ!なつかしい。空飛ぶクジラに思い出の楽曲思い出す
二本松の方からお借りした写真です。
たままた見かけた写真ですが、夕陽に浮かぶ雲が空飛ぶクジラに見えませんか。写真は二本松の方からお借りしたものですが、これを見て思い出したのが「クジラのスーさん空を行く」という、シンガーソングライター・イルカさんの楽曲です。思い出にひたりながらつらつら考えました。
□反公害
イルカさんがソロデビューする前、のちに夫となる故・神部和夫さんと組んでいた「シェリークス」の時代に発表したアルバム「イルカの歌」(1974年発売)に収録されていたのが「クジラのスーさん空を行く」です。簡単に紹介すれば空を飛ぶクジラがスモッグを吹き飛ばし、ヘドロも取り除き、汚れた町も海もきれいにするという楽曲です。当時は、高度経済成長を背景に公害が深刻な問題になっていたんですね。
このアルバムにはもう1曲公害をテーマにした「川崎のキツネさん」という楽曲も収録されていました。
工場の煙とばいじんで喉を痛めたキツネが壊れた環境を嘆く曲で、やはり反公害をアピールする曲になっていました。
このイルカさんが4年後の1978年、アルバム「小さな空」でタイトルと同名の楽曲を発表しました。
全体としては、公害で汚れたまちに美しい環境を取り戻す憧れを歌った曲なのですが、こういう歌詞で歌い出します。
朝めざめて 窓をあければ/きのうと同じ 灰色の空は/今にも泣きそうな声で/私を見ないでと 言ってるみたいだ
この窓から見える 黒いけむりは/好きじゃないけど あのけむりは/ぼくのおとうさんが汗を流して/毎日 働いているけむりなんだ
□反公害から改善へ
前段は「川崎のキツネさん」と同じく公害を批判するスタンスですが、後段は異なっています。
公害はいやだ、だけど、この原因工場が生活を支えている――その現実を考えると「反対」だけでは問題が解決しない。現実を踏まえる必要があるのじゃないか。そんな考えの萌芽をみることができます。
この頃の日本社会は、1973年10月に勃発した第四次中東戦争を受けた原油の値上りで経済が大混乱に陥った時期でした。高度経済成長の破綻、いわゆる第一次オイルショックです。あの時代、私は中学生だったのですが、漫画誌の週刊少年ジャンプにさえトイレットペーパーの買い占めという社会現象が紹介されていたことを思い出します。
この混乱は経済と暮らしの結びつきを強く意識させたと思います。この体験から生きるために現実を受け入れ、そこから改善を求め実現していくという思いが生まれ、この曲に反映したのではないか――そんなふうに感じました。
公害は、ぜんそくの発生など様々な社会問題をまき散らしました。しかし、解決を求める国民の運動に押されて、やがて公害規制の仕組みと技術が出来上がっていきました。公害の現実を踏まえた運動が、改善を促したといえます。
こうしてみると歌にも時代が反映しているとつくづく思います。
1枚の写真から思い起こしたつまらない私の論考に、最後までおつきあいいただきありがとうございます。
■全基廃炉と再生可能エネルギーの是非
7月31日、東京電力株式会社が福島第二原子力発電所の4機の原子炉を、全機廃炉とすることを決定しました。すでに第1原発は全機廃炉とすることが決まっていますので、今回の決定で県内の原発は全機廃炉となりました。原発事故を体験し、「原発はもういらない」という声が上がりました。こうした声を受けて、市議会では県内原発全機廃炉を求める決議を採択し、市とともに強く廃炉を求めてきました。こうした努力の結実を、みなさんとともに喜びたいと思います。
東京電力福島第一原子力発電所に続く第二原発の全機廃炉は、原発事故を体験した市民の切実な声でした。この声を受けた市議会の請願採択、また市の繰り返しの廃炉要請が結実した今回の発表は大いに歓迎されます。
同時に考えなければならないのは、東海第二発電所など県外の原発の再稼働がめざされていることです。背景にある原発の比重を重くしている国のエネルギー政策を転換していくことです。
原発に代わるエネルギーは、太陽光、風力、地熱等といった再生可能エネルギーに求めざるをえません。これらの整備をどう考え、向き合っていくのかが、今後、大切になっていると思います。
その際、①近辺の住民とまともな関係を築き、対話・合意を大切にしながら進もうとする事業者なのかどうか、②地域を脇に置き自らの利益ばかりを追求する事業者なのか、それとも地域にも目を向けて、地域の利益を最大限尊重するために努力できる事業者なのかどうか――このような点が、事業内容とともに事業の是非の大切な判断要素になると思います。
私は、昨年の11月定例会一般質問で2つのことを市に要望しました。
一つには、地域住民と事業者の安全協定等を締結する場合、市も加わる三者協定とすることによって実効性の担保を図ること。
二つに、高齢化社会の到来、少子化の進行を踏まえ、事業者が風車を立地した地区に対する社会的貢献をできる環境整備を図ること。
中山間4地区区長会が市に求めた要望事項です。地域住民の声にまともに向き合わない事業者は論外ですが、事業の内容、そして事業者の地域に対する対応を見極めて是非を判断し、場合によっては改善を求め、是とできるならば事業を地域に活かしていくことも必要でしょう。
私は、太陽光発電では、比較的小規模な発電施設も含め、何らかの規制を設けるために、市としても対応するよう求めてきました。風力発電についても、これまでも本紙でお知らせしてきましたが、個別の事業内容、そして事業者の対応も含めて考え発信し、市政の場でも論じていきたいと思います。
■後記
じゃんがら念仏盆踊り大会。何とか見られる程度には撮れたと思います。真ん中にカビが生えた古いレンズから新しいレンズに変えた成果だろうか。何はともあれ喜ばしい。もし写真をご入りようならメールでも下さい。データをお送りいたします。
それにしても、市議会9月定例会が迫ってくるのに、まだ準備が進んでいない。これで良いのかと自問自答の日々が過ぎていく。
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