伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

公民館嘱託化の効果の検証が必要 / いわき市議会2月定例会一般質問 Vol.2

2017年03月10日 | 市議会
 いわき市議会2月定例会で3月1日の本会議で行った一般質問がまとまりましたので、お知らせします。

 一般質問は、①小規模県立高校の存続、②公民館嘱託化の効果の検証と運営の充実、③小名浜港周辺の環境整備、④イオンモールのテナント募集、⑤投票率の向上に対する議員候補者の役割――の5点。

 2回目は公民館嘱託化にかかわる質問です。

 なお質問ライブの録画中継が以下のアドレスで行われます。現時点では、まだ工事中ですが、まもなく掲載されると思いますので、こちらもお楽しみください。





2 公民館の嘱託化について          
(1) 公民館嘱託化の進捗状況と効果の検証について


伊 藤
 次に公民館の嘱託化についてうかがいます。
一昨年から始まりました公民館の嘱託化について、その効果について十分な検証のないままに進められることには問題がある。このように指摘をしてきました。

 執行部は来年度も5館を嘱託館化しようとしていますが、これにかかわってただしていきたいと、このように思います。

 まず、当初示されました「公民館体制の見直し」では、2017年度・平成29年度に10館を嘱託館に移行し、全体としては2018年度・平成30年度に対象館全てを嘱託館に移行する計画でした。しかし、現時点で2017年度に嘱託館に移行するのは5館とされています。今後の嘱託館への移行はどのように展望されているのか、おうかがいします。

教育部長
 これまで、平成27年度にモデルとして3館、平成28年度には5館の嘱託化を行ってきたところでありますが、今後も、ある程度の期間をかけ、よりスムーズな移行となりますよう、平成32年度を完了年度として、年度毎に5館程度ずつ、地区公民館の館長を嘱託化するよう、すすめていく予定であります。



伊 藤
 嘱託化の完了を2年先送りしたということであります。昨年2月定例会にもおたずねしましたが、嘱託化は公民館運営指針に盛り込まれた目標である、地域の学びを
「ささえる」、
「はぐくむ」、
「いかす」、
「むすぶ」場として、公民館活動がどのように変化してきたのかという面からしっかり評価されていかなければならないと思います。

 嘱託化が始まって2年が経過しました。この間、公民館嘱託化の効果はどのように検証してきたのか、おうかがいします。

教育部長
 嘱託化した公民館に対しては、毎年度利用者アンケートを実施しており、おおむね良好な回答をいただいております。

 このほか、公民館で開催する各種事業の参加者や地域を代表する区長等へもお伺いしておりますが、こちらもおおむね好意的な意見をいただいているところであります。

 また、嘱託化した公民館においては、他の地区公民館に比べて、土日、それから夜間に開催される市民講座や子ども向け講座が増加していることから、一定の効果が得られているものと認識しております。

伊 藤
 聞いてみると、おおむね好評であり、また口座の開催数が増えたと、こういうところで効果が現れているということですが、その取り組みの活発化の兆しということは一つの効果のあらわれということで、それはそれで評価ができるんだろうと思うんです。

ただ先に述べた目標達成に向けて、公民館に求められる
「学校、家庭、地域の連携による『子ども』の学びの推進」であるとか、「魅力ある講座づくり」などの具体的な取り組みが、嘱託館にすることによってどう推進され、これが「ひとづくり」「まちづくり」にどう結んできたのか、こうした観点からの評価を加えられていかなければならないと思います。

 これらの取り組みに即した効果はどのように評価されているのか、この点についてお答えいただきたいと思います。

教育部長
 えーとですね。今の話ですと、特徴という形にもなってくると思うんですけれども、ソフト部分でいいますと、公民館長が嘱託化されて、その公民館長が学校教育とか、社会教育等の経験をもった方でありますので、そういった経験を生かしてですね、例えば、中学校を対象とした市民講師育成講座から、受講した高校生が実際に講師を務める講座の開催までつなげた事例とかですね、ご存知だと思うんですけども、あとは、若い世代が自分たちの手でいわきを元気にする講座を開催した事例など、特色ある事例も展開しております。

 ですから議員さんが検証してないっていうのは、たぶん、ひとづくりのところが、あのー、長期にわたって検証をしていかなくてはならないというようなお話だと思うんですけども、ま、そういった芽は出ているというふうに感じております。
 
伊 藤
 そうした芽が着実に育っていくというところを、やはり検証することが必要なんだろうなぁーと思います。

 ちょっと表現が、今の答弁とは食い違うかもしれませんが、そういう効果がね、効果を検証されずに嘱託化のみを進める現在の公民館嘱託化、これは見直すべきだと思います。どのように考えますか。

教育部長
 単年度につきましては、利用者のアンケートをしていると、あとは市民講座等の実施状況などから、一定の効果が得られているものと認識しております。

 そして先ほど言ったソフト部分についても、ある程度の芽は出ていると。

 で、それからですね、あとは土日の講座の開催数とか、そういったものも増えているということもあります。ですから、そういった単年度の検証、それから長期的な検証の芽、そういうものは出ているというふうに私は考えています。

 あとは計画期間ですけども、3年間から5年間へ変更するなど、必要に応じた見直しをしてきているところでありますので、今後においても、新たな課題が生じた場合には、弾力的なに考えていきたいと考えております。

(2) 公民館運営の充実について         

 ま、私は、長期的な芽が出ているという、その芽がどのように育っていくのかということを、やっぱり、しっかり見ていくことが必要なんだろうな。こういうように思っています。

 スケジュールを定めて、そのスケジュールに従って進める嘱託化の推進、まぁ、何かがあればまた考えるというお話でしたけれども、このあり方というのは、市自ら、といいますか、市教育委員会が定めた公民館運営指針の「組織体制上の課題」の部分だけを取り出して突出してすすめるという内容になっているという点で、やはり、私は現時点で問題があると、そのように考えております。

 公民館を嘱託館とすることによって、公民館活動の目標とされるものの達成との関係で、どう効果が発揮されるのか、あるいはされないのか、この点をしっかり検証することを要望して、次に嘱託化された公民館の活動を充実していくことについて質問してまいりたいと思います。

 この間に8館に嘱託館長が導入され嘱託化されています。
まず、この嘱託化された公民館の取り組みには、先ほども答弁があったようでございますけれども、あらためてどのような特徴があるのかうかがいます。

教育部長
 嘱託化した公民館におきましては、先ほど申し上げましたけども、ある程度、特色のあるソフトの講座が開催されているという事例や、それからですね、業務体制につきましても、職員を増員したことによって、休日等において、市民講座等の開催が容易になったことや、施設の使用申請などの窓口受け付けが可能となったことなどによる市民サービス向上が特徴としてあげられると思います。

伊 藤
 こうした変わった面とか、変化してきた面、評価される面があるということなんですけど、こうした嘱託化された公民館の取り組みを支えるために本市はどのように対応しているのか、おうかがいします。

教育部長
 嘱託化にともないまして、公民館長1名、非常勤公民館主事1名の体制から、公民館長1名、非常勤公民館主事が2名へと人員体制を強化しております。

 また、嘱託化した公民館については、連絡調整館や生涯学習課が日常的な指導・助言を行うほか、社会教育指導員や土曜学習コーディネーターが個別の事業ついて企画・立案から実施まで、広く支援する体制としております。

伊 藤
 広く支援する体制になっているということでありますが、合わせてそれぞれの公民館の活動の状況に応じて適切な対応というか、援助ということが必要になってくると思いますので、そういう点についても十分留意していただきたい。こういうふうに考えております。

 この公民館の取り組みをすすめるにあたっては、一つは予算的なことも今後問題になってくるんだろうと思っております。公民館事業に関する予算はどのように推移しているのか、おうかがいします。

教育部長
 公民館事業のうち、主に市民講座実施にかかる経費であります「教育活動推進費」、これの過去5年の推移を申し上げますと、
平成24年度から26年度までは3,253万5,000円、
それから消費税の関係で上がっておりますけれども、
平成27年度及び28年度は3,284万8,000円
となっております。

伊 藤
 あわせて、公民館の嘱託化前と嘱託化がすすんだ現在では、公民館にかかわる人件費、どのように推移しているのか、おうかがいます。

教育部長
 公民館における嘱託化の導入による公民館職員の人件費の増減につきましては、正規職員の公民館長の平均給与年額が約633万円となっており、嘱託公民館長の年額賃金、これが約308万円、及び非常勤公民館主義の年額賃金約133万円、これと比較しまして1館あたり年間約192万円の減が見込まれることになります。

伊 藤
 そういう人件費では、嘱託化をすることによって、減少が見込まれるというお話であります。一方では、事業費はほぼ横ばいの状況にある。

 今後、運営指針にもとづいて公民館活動がさらに活発になってくれば、現在の事業費では不足する事態、こういうのは十分想定されるんだと思うんです。今後の事業費のあり方についてどのように考えているのか、その点についてお答えいただきたいと思います。

教育部長
 えーとですね。事業費はあればある程、私らはうれしいんですけども、実際人件費が理論上は減になりますけども、実際問題として27年度は26年度に比べて400万多くなってるんですね。

 そして次の年は270万位減になっております。というのは、やっぱり、それぞれ正規の館長の年齢とか、あとは手当とかによって、必ずしも減になるものではないということが、そこで分かるかと思うんですけども、ま、仮に減になったとしても、そこはですね、いわき全体のパイとして見ていかなくてはならない部分があるのかなと思います。

 ですから、その減の部分を生かすというものではなくて、あくまでも必要なものは要求していくと、そういう形で充実を図っていきたいと、そう考えています。

伊 藤
 ま、必要なものは要求していくということであるんですが、ぜひ財政部というか、市長の方でそういう要望をしっかり受け取めて予算化していただければと、こう思っています。

 この嘱託館にしろ、正規職員で運営される公民館にしろ、運営指針の方向で公民館活動が軌道に乗っていくことになれば、「まちづくり」や「ひとづくり」という面で大いに力を発揮することになると思います。

 先程、高校生の事例でありますとか紹介されておりましたが、文字通りそこには、そのいい効果が表れているということをみることができるんだと思うんです。こうした事業が進んでいく結果として、地域社会の担い手としての市民も多数輩出されることになると思いますので、今議会の議案第1号で提案されております「いわき市以和貴まちづくり基本条例」に盛り込まれた市民と行政の「共創」によるまちづくりを推進する力にもなっていく。このように思います。

 人件費分で公民館に関わる市の予算上の負担が減っているという現状が――おそらく、先ほどは減らないといっておりましたが、嘱託になることによって固定化されてきますので、全体としてはやはり減ってくることになると思うんですね――そういうような部分にも着目しながら、活発化していく公民館活動をすすめるために必要な予算は増額していく。こうした視点で予算の確保に努めていただきたい。こういうふうに思います。

 こうして予算面で公民活動の取り組みを支援すると同時に嘱託化された公民館をはじめ、公民館活動を運営指針に基づいて発展させるために、嘱託館長をはじめとした嘱託の公民館職員のスキルアップに取り組む必要があると――あ、カタカナ使っちゃいましたね。すみません。えー、まっいいか(つぶやき)――思います。どのように取り組んでいく考えでしょうか。

教育部長
 次年度、嘱託職員として採用する方に対してましては、年度当初からの円滑な業務を進めることができるよう、3月に基本的かつ実践的な研修を行う予定としております。

 このほか、今年度内に勤務できる方につきましては、現在の館長のもとで業務になれる事ができるよう、先行して雇用しているところであります。

 さらに、4月以降につきましても、事業の組み立て方などの実務的な研修に加え、服務規律や公務員倫理、接遇の基礎的な研修など、職員の資質向上に向けた取り組みを実施したいと考えております。

伊 藤
 公民館職員を嘱託化することで、最長でも5年間の勤務ということになりますので、数年毎に公民館の業務内容や行政事務の考え方、処理のルールについて、白紙状態の職員を公民館業務に迎えるということになることを考えると、これらの職員を養成していくという観点で研修の強化にはしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。

 次に、公民館が担っている業務の問題です。
公民館が実際に担っている業務には、地域との関係もあってばらつきがあると聞いています。この業務をどうしていくかは、嘱託化で公民館業務をより良いものにしていく上でカギを握る大切な課題になるんでないか、このように思っています。どのように取り組んでいく考えでしょうか。

教育部長
 地域との関係から公民館が担っている「地域団体の事務」については、基本的には地域団体自らで担っていただく、いう事をめざしていきたいと考えております。

 しかしながら、公民館は地域の協力や理解を得ながら、地域の社会福祉の増進に寄与する役割を求められている施設であることも踏まえまして、各公民館におけるこれまでの関わり方や、それぞれの地域、それから、それぞれの団体の実情に応じたきめ細やかな対応をする必要があるものと考えております。

伊 藤
 地域にそういう業務を移していくということになれば、当然、人材育成ということもかかわってきますし、公民館活動が、今後やはり、その面でも問われてくる。このように思います。

 こうした業務を整理するにしても、本当は、そういう仕事っていうのは正規職員の方が取り組みやすいんだろうな。こういうふうにも考えるところでもあります。

 この課題一つとっても執行部の適切な対応をお願いしまして、次の質問に移ります。


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