伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

常任委員会2日目。介護保険料値上げなど2議案に反対し討論。

2015年03月11日 | 市議会
 いわき市議会2月定例会は本会議での代表質問、一般質問に続いて常任委員会を開催しています。今日は委員会の2日目です。午後2時46分、東日本大震災の発災の時間に合わせ、黙祷を捧げました。

 私の所属は市民福祉常任委員会で、総合磐城共立病院、市民協働部、そして保健福祉部を所管する委員会で、これまで共立病院と市民協働部の審議を終え、今日から明日にかけて保健福祉部の案件を審議することになります。

 これまでの審議の中では2つの議案に反対し、討論しました。

 一つは平成27年の国民健康保険特別会計当初予算案、もう一つが介護保険料を値上げするための条例改正案です。

 まず国保の当初予算案です。

 国保の当初予算案は、今年度の実績をベースに編成し、次年度の1年間に見込まれる必要予算を全体を見込んではいないので、暫定的な予算案となります。例年、今年度の決算が確定した後に開かれる6月定例会に、国保税の改定を含む本予算が提案されることになります。

 ただ当初予算にも政治の方向は反映されています。問題にするのは、被保険者資格証明書、いわゆる資格証の発行の問題です。当初予算には、この発行にかかわる郵送料をはじめとした事務費が含まれることになります。

 討論は以下のような内容です。討論の準備をしていなかったので、おおよそ次の内容で討論しました。



 議案第40号いわき市国民健康保険事業特別会計予算案に反対の立場から討論します。

 この予算は被保険者資格証明書の発行を前提としています。

 被保険者資格証の問題は、これまでも取り上げてきましたが、加入者の命と健康にかかわる大きな問題があります。

 これまでも全国的には医療団体が調査する中で、医療を受けなかったり、医療を受けるのが遅れて重篤化し、死亡する事例が発生していることを紹介してきました。

 医療関係者に聞いた話ですが、本市内でも搬送された患者が資格証の所持世帯で、受けいれて間もなく亡くなった事例があるといいます。死亡の原因に直接資格証がかかわるのかどうかは検証が必要ですが、十分に留意・検討しなければならないと思います。 

 二つ目に、滞納者との納税相談を増やすなどの目的の資格証にもかかわらず、滞納問題の解消に十分つながらないという問題です。

 質疑で答弁された滞納者が1200世帯程度で推移していることがそのことを示しています。そもそも滞納の原因は、負担の限度を越えて高すぎる国保税になっていることに原因があり、この問題を解決することなくして、滞納問題を解決することはできません。

 以上のことから、資格証の発行を予定する本予算案には問題が有り反対すべきです。



 もう一つは介護保険料を引き上げる条例案です。

 介護保険料は3年毎に見直されます。向こう3年間の介護の必要量を想定し、その2分の1を国と県、市でまかない、残りの2分の1をまかなうために必要な介護保険料を設定します。その結果、来年度から向こう3年間の介護保険料は、基準となる第5段階で1,117円(23.9%)引き上げとなる5,789円、年間1万3400円もの負担増となります。

 執行部としても、負担の重さは自覚しており、この解決策として国の負担を増やすよう求めているものの、これが実施されない中で、介護保険の制度の仕組みの中では利用者負担を求めざるを得ないという立場から、今回の引き上げを提案しています。

 保険料対策として一般財源からの繰入をめぐる質疑の中で、現在の状況はわからないものの、12の自治体が一般財源からお金を入れていたことがあることなどが明らかになりましたが、執行部からは受益と負担のあり方を検討する中で、保険料を軽減するすべがない中での保険料値上げであることが説明されました。

 こうしたことを踏まえて、引き上げには大要次のように討論しました。



 議案第86号、いわき市介護保険条例の改正について、反対する立場から討論いたします。

 今行われた質疑の中で執行部も、介護保険料の負担が厳しいということを自覚しながらも、今の制度の仕組みの中では保険料負担を増やさざるを得ないという思いの中で、本提案をしていることが分かりました。また、現在のままで良いと考えていないことも分かりました。

 執行部は、その役割として制度と法の枠内で判断せざるを得ないので、現在のままでは行けないということを明確に伝える判断をすることは政治の役割であり、それができるのは市議会であると思います。

 この値上げに一度ストップをかけることで、国に対してはその制度の変更を求める意思を明確にすることが必要だと思います。

 一般財源からの繰入は、税金負担を増やすことになり、これは制度の根幹にかかわる問題だといいますが、一方で、保険料の値上げは市民の暮らしの根幹にかかわることであります。

 こうしたことからも、値上げに一旦ストップをかけ、制度見直しの意味を明確に求める必要があると考えます。




 いずれも執行部案に賛成が多数で、委員会の段階では可決をされていますが、よくよく考えると、介護保険料引き上げの採決では、賛成5、反対3です。1人が態度を変えれば4対4で、委員長が可否を判断することになり、2人が態度を変えれば委員会では否決をされることになります。

 委員会採決では、執行部案が通っているものの、市民のみなさんのねがいを活かすための条件が市議会にはあるのではないかと、つくづく感じる採決にもなりました。


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