▲春霞か、黄砂か、PM2.5か、今日の空と雲(2013.3.19)
母黌の目標は、甲子園優勝!
サッカー女子日本代表のなでしこジャパンは、2011年ドイツで開催されたサッカー女子ワールドカップで初優勝。2012年のロンドンオリンピックでも初のメダル(銀)を獲得し、大震災後の日本に誇りと勇気をもたらしてくれた。
「北京では、ベスト4を目標にしていた我々と、優勝を目指していたトップ3とで明らかなモチベーションの差があった。今大会は優勝を目指してきた」。ドイツワールドカップの準決勝戦の前日のインタビューで、佐々木監督が口にした「目標を高く掲げて試合に臨む大切さ」が優勝後にも印象に残った。
世界とスケールが違う熊本県内の話しだが、毎年夏の全国高校野球大会の熊本県予選の組み合わせが決まり、県内の参加チームの紹介が新聞やテレビで報道される。各チームのキャプテンにインタビューが行われ、その中で県大会の臨む目標が必ず問われている。「ベスト16です」。「ベスト8です」。「2回戦突破です」。「1勝して藤崎台球場で校歌を歌いたい」など、それぞれのチームの実力や成績にあった目標をあげる。
もちろん、九州学院や熊本工業といった甲子園出場の常連校や前年の秋の大会で好結果を残しているシード校に選ばれたチームが「甲子園出場」を目標にしていることは、むしろ当然で誰でも納得が出来る。
その常連校やシード校に混じって、私の母黌の熊本県立済々黌高校野球部の目標も、毎年必ず「優勝。甲子園出場」なのである。
ここ数年は秋の新人戦から始まる公式戦で、ほとんど2回戦くらいで敗退しているにもかかわらず、甲子園どころかその年の県内の実力校が選抜されて開催されるRKK旗大会、NHK旗大会などの地方大会の出場さえも遠のいている現実の中、もしかしたら関係者や高校野球ファンの失笑を買いそうな実力以上の高い目標である。
「そこが好きたいねえ」と、元気を振るう済々黌の選手に私は拍手を送る。
そして夏の県大会が始まると選手達は実力以上の力を出して、優勝こそ逃してきたが、毎年ノーシードながらベスト8やベスト4に駆け上って来る。多分、対戦相手は出来たら夏の予選では当たりたくないイヤーなチームだと思っていることだろう。それから目標を果たせずに敗戦した後に、球場の隅で号泣する選手達を見て「ああ、彼らは本気で甲子園に行けると思っていたのだ」ということを感じる。
昨年の夏は、左腕大竹投手を擁して久しぶりのシード校にも選ばれて、堂々と優勝の目標をあげていることを関係者や高校野球ファン誰しも納得しただろう。実際の試合でも順当に第4シードの責任を果たして勝ち上がり、準決勝で格上の九州学院を1対0で破り、決勝も逆転勝ちをして目標を果たした。続く秋の大会の県大会では、夏に甲子園に出場したチームの風格さえ感じた試合運びで、決勝戦で熊本工業に完敗したものの、九州大会に出場。これがあの済々黌だろうかというような強さで決勝まで快勝し、決勝戦はエース大竹に連投の疲れが出て9回に打ち込まれて負けたが、みごと準優勝で春の選抜の切符を手に入れた。後で聞くと選手達は神宮大会を目標にしていたと知り感心した。
ところで、済々黌野球部の選手達が目標を高く掲げることの理由は、綱領にある「元気を振るう」ところによるものだと先輩は「よしよし」と頷いていたのだが、実は他にも理由があることを知った。
済々黌野球部の池田監督は、現役のときに甲子園に出場されたのであるが、その時に甲子園1勝を目標に出場、結果2戦目に敗退し、「自分達は、なぜ優勝を目標に臨まなかったのか。優勝を目標にしていたら結果も違っていたのではないか」と、後悔したというような内容の話をされている。自らの経験から選手達に優勝を目標にするように、指導されているのではないか。
だから当然、彼らの春の甲子園の目標は優勝だ。事情通に失笑を買おうとも、それでいいのだ。我々OBを含めてた応援団も「甲子園を菜の花に」を合い言葉に、スクールカラーの黄色の大応援団を送り目標は大きく、センバツ応援団賞の最優秀賞を目指すのだ。
(2013.3.19)
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