雲のたまてばこ~ゆうすげびとに捧げる詩とひとりごと

窓の雨つぶのような、高原のヒグラシの声のような、青春の日々の大切な箱の中の詩を、ゆうすげびとに捧げます

三月

2011年03月17日 | ポエム




 三月


あんなに身近だったはずの春が
今は遠い世界の出来事のようだ
たくさんの思い出が
いったいどれが
一年前のことで、どれが
二年前のことか
まるでそういう時間を無視して
ちぎれた日記帳を読むように
瞬間的に浮かんでくる

春は大急ぎで歩いている
まったく僕と関係なく‥‥

それでも鳥の美しい声がすると
思わず 木立を探している
それでも白い木蓮の花を見ると
思わず 立ち止まっている

(1974.3.28)


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