<読売新聞より転載>
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米政府の債務残高上限引き上げ法案、下院が否決
【ワシントン=岡田章裕】米下院本会議は31日、連邦政府の総債務残高の法定上限を2兆4060億ドル(約196兆円)引き上げ、16兆7000億ドルとする法案を318対97の反対多数で否決した。
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中長期の大幅な歳出削減策が盛り込まれていないことから、財政再建を強く求める共和党は全員(棄権除く)が反対し、民主党も82人が反対した。
米政府は、国債償還などに必要な資金を新たな国債発行でまかなっており、国債が発行できなくなれば、デフォルト(債務不履行)に陥る。米総債務残高は5月16日に現行の上限(14兆2940億ドル)に達しており、連邦職員退職金などから事実上、資金を流用する異例の措置でデフォルトを回避している。それでも、8月2日ごろには資金が底をつくため、オバマ大統領は早期に上限引き上げ法案を可決するよう議会に要請している。
(2011年6月1日12時14分 読売新聞)
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<転載終わり>
5月31日、中国が米国債を買わないことを発表したようですが、同じ5月31日にアメリカ下院本会議にて、国債の発行の上限を引き上げる法案が否決されたそうです。このままだと国債の償還ができなくなり、債務不履行になってしまいます。期日までにサラ金の借金の返済ができないようなものです。
それでも今のところは、連邦職員退職金からお金を廻してもらって償還に当てているので、デフォルトしませんが、その資金も8月2日には底をついてしまうとのことです。今までは期日が迫って来ると、デフォルトを避けるため、共和党の議員は仕方なく国債の上限を上げる法案に賛成してきましたが、昨年新しく議員になった中の多くの人が、キリスト教原理主義者の福音派だということです。この福音派は大きな政府には反対なので、デフォルトを歓迎しているということです。ということは、ヤスの備忘録で言われている通りの展開になってきています。アメリカはデフォルトする可能性が次第に高くなってきました。
もちろん、8月2日に近づいてきたら、福音派といえども賛成に回るのかも知れませんが、今のところ5月31日の下院で否決しています。予断を許さない状況には違いありません。
<ヤスの備忘録の内容が実現した>
リバタリアンとキリスト教原理主義
しかし、昨年の11月に実施された中間選挙で共和党右派のティーパーティー運動の候補者が多数当選を果たし、下院議員や上院議員、そして州知事になった。
ティーパーティー運動の中核は、18世紀の自立した自給自足的な共同体を理想として考え、自分たちの生活圏に対する連邦政府の一切の介入を排除するリバタリアン(自由至上主義者)と、聖書を字句通りに解釈し、ハルマゲドンによる神の降臨を信じるキリスト教原理主義者の団体である。キリスト教原理主義者は、聖書に少しでも反する連邦政府の政策をすべて拒絶する。
このような集団は、現在の大きな連邦政府の存在そのものを悪として考えており、連邦政府の破産は、これを小さな政府に置き換える絶好の機会になるので、むしろ好都合なことと考えている。
したがって、ティーパーティー運動出身の議員が、大きな政府の延命につながる国債発行の上限引き上げに同意するとはいまところ考えにくい。
5月16日の財務省の声明
そのようななか、5月16日、ガイトナー財務長官は声明を出し、連邦政府の借金が14.2兆ドルの上限に到達してしまったことを明らかにした。
もちろんアメリカは、これですぐにデフォルトするわけではない。8月2日までは、連邦政府職員の年金基金を使い、国債の償還に応じる(過去の国債の返済)にとしている。
8月2日がぎりぎりの期限になる。もしこの日までに上限を引き上げる法案が妥結しなければ、アメリカがデフォルトする危機はいっそう高まることになる。
<転載終わり>
しかし、昨年の11月に実施された中間選挙で共和党右派のティーパーティー運動の候補者が多数当選を果たし、下院議員や上院議員、そして州知事になった。
ティーパーティー運動の中核は、18世紀の自立した自給自足的な共同体を理想として考え、自分たちの生活圏に対する連邦政府の一切の介入を排除するリバタリアン(自由至上主義者)と、聖書を字句通りに解釈し、ハルマゲドンによる神の降臨を信じるキリスト教原理主義者の団体である。キリスト教原理主義者は、聖書に少しでも反する連邦政府の政策をすべて拒絶する。
このような集団は、現在の大きな連邦政府の存在そのものを悪として考えており、連邦政府の破産は、これを小さな政府に置き換える絶好の機会になるので、むしろ好都合なことと考えている。
したがって、ティーパーティー運動出身の議員が、大きな政府の延命につながる国債発行の上限引き上げに同意するとはいまところ考えにくい。
5月16日の財務省の声明
そのようななか、5月16日、ガイトナー財務長官は声明を出し、連邦政府の借金が14.2兆ドルの上限に到達してしまったことを明らかにした。
もちろんアメリカは、これですぐにデフォルトするわけではない。8月2日までは、連邦政府職員の年金基金を使い、国債の償還に応じる(過去の国債の返済)にとしている。
8月2日がぎりぎりの期限になる。もしこの日までに上限を引き上げる法案が妥結しなければ、アメリカがデフォルトする危機はいっそう高まることになる。
<転載終わり>
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アメリカが破綻したら、当然日本も相当の影響を受けると思います。最悪は日本も破綻することになるかも知れません。そうなれば、今は安泰の国家公務員の給料も支払う原資がなくなると思います。
同じ「否決」でも、日本では内閣不信任案の「否決」でテレビも新聞も持ちきりですが、アメリカ下院での「否決」の方が、来年以降の日本人の生活には、影響が遥かに大きいのではないかと思います。もっとも、ヤスの備忘録を読んでなかったら、私も内閣不信任案の情報を気にしていたと思います。
それにしても、高島ヤス先生の分析力と統合力には、いつも驚かされます。頭の構造が違うのでしょうね。でも話すととても謙虚で、いい人なのです。それがヤス先生の魅力だと思います(笑)。中矢代表のご紹介でヤス先生と飲んだり、出張に行ったりさせていただくようになり、本当にありがたいと思います。
また、英語の達人なので、英語を学びたい人は、是非教わったらよいと思います。アットホームだし、みんな良い生徒さんばかりですよ。結構外資系の会社に勤めている方もいますね。日本に居ながら、英語圏の常識が身に付くのが特徴です。興味のある方はメールで問い合わせしたらよいと思います。