ホクトマンのアドブログ

アドベンチャープログラムを愛するすべての人と、そうでもないすべての人へ。ひとりごと、今思うこと、泣き言、楽しか

嬉しかった言葉、2つ

2017-04-08 | 雑念
参加者の声

「高校まで教えてくれなかったこういう事を学ぶために大学に入ったんだと思う」

それを僕は直接聞かず、担任の先生が学生から耳にした。そして依頼主に伝わり僕の耳まで届いた。

素直に、嬉しかった。

そこには学生が自ら学び取った喜びもある。
そしてそういう学びの空間を提供できている事にも、「僕は間違ってなかった」と。

もう1つ嬉しかった言葉。

「それ(全部任せてくれた事)が、アドバイスでした。」



僕とコンビを組んだ指導者
大学生だった。

(今考えたら大学生だったんだな。)

めちゃくちゃ重たいプレッシャーをかけてしまったのかもしれない。

1陣の1クラスを僕がメインで行い、サブのスタッフの様な動きの彼に、「2人はメインで頼む」と全てを託した。

スケジュール的にもその方がいい。

1泊2日のオリエンテーション合宿を2ターン。僕たちは3日間。どうしてもそのコンビは2つに別れなければいけない時間がある。

かぶっている1日があるからだ。

彼に「2陣のメインでやってくれ」と言ったら急に恐ろしい顔で"不安"を表した。

いや、ファシリテーターをした事ある?と何度も聞いた。すると「あります」と応える。

じゃあ、大丈夫だよ。

前夜から死にそうな顔で、パニクっている。

これは僕のチャレンジでもあった。

「昨日初めましての経験不足の大学生ファシリテーターに全てを託す」ことが。

2陣の仲間づくりをずさんな結果に導くと依頼主には確実に経験の多い僕の責任になる。

でも

途中で助けたり、口を挟んだり。
はたまた助け舟を出す様な事は決してすまい!と心に誓った。

「一緒に怒られよう」

と彼に声をかけて、全ての内容も流れも彼が考えてファシリテーションをした。

確かに経験不足からくるタドタドしさ
説明不足や不安の見え隠れ
言い澱み、噛み、明解ではない。

彼自身は確実にボロ雑巾の様になっていった。

でも僕は参加者を見た。

彼らは少しずつコミュニケーションをとり
互いに笑顔を見せている。
見せてきているのだ。


そしてここからが彼のファシリテーターとしての僕が敵わない素敵な部分

「愛されている」

指導者の名前を連呼され、「おいっ、大丈夫かよ!」と罵られ、休憩時間一緒に写真を撮られる。

雑談している時に、会場に入ったら「あれ?彼はどこに行った?」のウォーリーを探せ状態。

それほど中に入り込んでいるのだ。

とても羨ましく感じた。
僕に足りない部分。

そしてその光景は、何か僕にヒントをくれている様に感じた。

全てが終わってバスを送り出した時にも彼は落ち込んでいた。ゾンビ…

そうゾンビのようだった。

その目を見て、"言葉で褒めても伝わらない"と思った。

だからいつか彼がこのブログにたどり着いて、自分の"いい部分"を自信に変えて欲しいと思う。

なぜ落ち込んでいるのか僕には分からない。

今にも「反省会」をしようとしている。

「怒られ待ち」

僕はさっさとその場所を後にした。

"反省会を求めていそうな"彼に 冗談で言った。

「足りないところをアドバイスしても不安が取れないんだから、今僕が褒めても伝わらないでしょ?」

そう言いつつ、「グループ、変わったよ。いい表情になってた」ってフィードバックした。

でも彼は何かしらの理想に取り憑かれているのだろう。全く喜びの表情を浮かべることもない。

ただただ自分の不甲斐なさを噛み締めている。

この状態は自己肯定感なんて皆無に近い。

それでも褒め続けなければいけないのだろうか?
先輩として彼の成長を促さねばならぬのだろうか?

僕は放任主義だ。
アドバイスなんか出来んぞ!

体験学習の指導者なんだから
「やらねばわかるまい」

彼に全てを任せた結果、口に出た言葉が

「それ(全部任せてくれた事)が、アドバイスでした。」

とっても嬉しかったよ、ありがとう。

君とコンビで僕はとても良かったと思っている。

「(冗談で)勉強させてもらいます」と言うと、
「やめてくださいよー」とオーソドックスなリアクションをする彼

いつまでもみんなに愛されるんだろうなぁ
高校の国語の先生になりたいと言う彼
生徒にまた愛されるんだろう。