マタギの父親は転勤族だったので、幼いころから何度も引っ越しをしてきた。
おかげで、『故郷』がいっぱいある。
そのうちの一つが石巻だ。
この時期、気候が変わり、空が青くなってくると石巻での暮らしが蘇ってくる。
太平洋側の気候に近づくせいかも。
ところで、このブログに時々登場する石巻の叔父叔母というのは、妻ゆかりの親戚で、その頃のマタギとは、全くかかわりがない。
不思議な縁で、また石巻とつながりが持てていることに感謝している。
もう一つついでに、先の震災で、マタギの母校は、津波をかぶり、火災で焼けて、廃校になってしまった。
時々、ニュースなどで報道されると、胸が痛くなる。
そんな石巻の思い出の一つに、『大王(たーわん)』という名の大衆食堂がある。
休日に、父と買い物に出かけた日には、必ずここで昼食をとっていた。
たのむメニューも、必ず決まっていて、タンメンだった。
中華鍋から炎をあげながら、豪快に肉野菜を炒め、塩味のスープと麺に「これでどうだ!」というぐらい盛り付けて出されたアツアツのタンメンは、舌先だけでなく、心の奥底にまで染み込んでくるんです。
その記憶が、どういう訳か、この春の青空と一緒に蘇ってくるのだ。
ということで、本日のランチは、思い入れたっぷりのタンメンです。
そうは言っても、半世紀も前の味の記憶、正確に覚えているはずがありません。
例によって、色々なレシピの中から、「近い」というものを寄せ集めて作ってみます。
下ごしらえ・調理の部
まずは、材料を集めて準備。
左上から、キャベツ・ニンジン・豚コマ・ネギ・アラゲキクラゲです
キクラゲを買うというのは、マタギにとっては屈辱なのですが、去年、全く採れなかったんだから仕方がない。
乾燥品を買ってきたんですけど、戻してみると、これはキクラゲじゃない!
アラゲキクラゲです。
ま、大きくて厚いから程よく切り分ければよいか。
心を落ち着けて、調理にかかります。
※今回は、ほとんど野生の勘で準備しているので、分量は画像を参照のこと
始めに豚コマを炒めます
・ゴマ油とサラダ油で豚コマを炒めたら
ニンニクも足して
・しっかり焼きたいニンジンとネギを先に投入
・しんなりしたところでキャベツも合流
※こちらは、あんまり頑張らないで、油が回ったら
・中華出汁大さじ3ぐらい。あとは適量
・中華出汁と、ちょっと味の素とコショウ
・お湯(800mlぐらい)とキクラゲも入れて、塩で味を整えたら
・麺を茹でている脇で、具とスープは保温
ああ~、『大王』には及ばぬと分かっているけど、これよこれ!
・茹でて湯を切った麺に、具材とスープをたっぷりかけて出来上がり!!
皆さん、できましたよ!
ズズッ、 ああ~!!!
ひと口食べると、石巻の風景が蘇ってきます。
家族も喜んで食べています。
さて、その『大王』ですけど、震災で店舗が流された後、ファンの熱烈な希望もあって復活したんだそうだ。
ただ、2年前に火災があって閉店したとか。
もし、そうだとしたら残念。
願わくば、再復活して、みんなを喜ばせてほしいな。
いつの日にか再訪することを、心から願うマタギです。
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