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大関魁皇の引退について(ドイ卓美)

2011年07月21日 13時28分15秒 | Weblog
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先回の稿で挙げた異常事態3例の内の1つが解消しました。魁皇の引退です。
後の2つはドロ沼化の様相を見せて継続していますが、こちらもそう遠くない内、おそらくは1~2ヶ月の間には格好がついてくるのではないかと見ています。
魁皇についての見方は夫々で一様ではありませんが、故障にも負けず良く頑張って大記録を作った、立派だ、よくやった、あっぱれだという好意的な意見が多いようです。
確かにその通りではあるのですがもう少し冷静にというか、意地悪くというか、所謂独断と偏見をもって見てみると必ずしもそうではなくなります。

昔、といっても私が知っているのだから戦後のことですが、「クンロク」という大関を揶揄する言葉がありました。
つまり9勝6負で10勝も出来ない大関は大関に値しないという意味です。
当然ながら勝ち越しなどは当り前のことで、それも9勝止まりでは恥ずかしいものだというのが世間一般の常識だったのです。
しかしそれでも故障や体力の衰えで負けることもあり、その場合でも2場所続けて負けても陥落せず、3場所目に勝ち越せばいいように、大関には地位と権威が与えられていました。
ところが何時の頃からか大関の負けが目立つようになり、ファンの批判もあって協会は負け越し2場所目をカド番に変更しました。
その結果がどうかというと、負け越してカド番を迎え、そのカド番で何とか勝ち越して大関に留まるということをくり返す力士が続出するようになりました。
ということは大関としての勝率はクンロクどころか5割そこそこということになるのですが、そのことへの批判も弱いものになってきました。
その要因の1つはマスコミにあります。
マスコミは何度目のカド番でもカド番を脱出した力士(大関)を賞讃する姿勢をとり続けていて、カド番をくり返して大関の名誉と権威を穢すことへの言及はありません。
それにも影響されて一般のファンも大関の権威は横に置いといて、弱い大関を応援し続け、人気者に育て上げています。

以上で意図するところの一部は理解されたと思いますが、現役中はともかく、引退した魁皇関には「ご苦労さんでした。よく頑張りました。」という賞讃とねぎらいの言葉を贈りましょう。