散歩日記XX

主に趣味の話を書いているブログです。

新春おたる(6)

2022-01-08 21:32:39 | 飲み歩き・琴似界隈
まだ時間も早いので、さほど混雑していない列車で琴似に戻る。さて、新年1発目のバー「D」に行くとするか。

先客1名だったので、窓側のカウンター席隅に座り、1杯目は秋田杉ジンにしよう。最近流行のクラフトジンで、爽やかな杉の香りがする。それでいて、薄っぺらくない、ちょっとコッテリしたところもあるので、なかなかいいジンだと思う。

 

2杯目は台湾のウイスキー、カバラン・バーボンオーク。種類によるとは思うが、スーパーマーケットでも時に見かけるようになったカバラン。久しぶりに飲んでみると、甘味もあるが香ばしさ、そして最後にスパイシーな感じもちょっとある。すっかり本物のウイスキーとして地位を確立したと言っても良いのだろう。



3杯目はちょっと高いので、半分量でラフロイグ21年カスクストレングス(SMWS)を注文。銘柄、年数共に最近ではなかなか飲めないレベルのウイスキーである。味わいは、ラフロイグ風味爆発という感じではなく、ポッと小さな灯がともり、その火がじわじわと熱を発し続けるような味わい(←良く分からん?)。57.1度というアルコール度数の高さを感じさせない、しみじみとくる味だ。



量はもっと飲めるんだけど、味わいに満足して、これで帰ることにしよう。



もう面倒だし、タクシーで帰ろうと思ったら、タクシーが全く来ず(人手不足なのか? 年配の運転手さんがかなり廃業したと昨年聞いた)、重い荷物を背負って歩いて帰った。



小樽土産はこれも最近の流行なのか、旅路というオレンジワイン(白ワインを作るときに白ブドウと皮を入れるため少し色が付くタイプのワイン)を購入。



後は小樽文学館の古書コーナーで、古い札幌の飲食店ガイドを購入(代金はドネーションとして気持ちだけ払うシステム)。「ああ、あの店あったなあ」などと思いながら読むのが結構好き。

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新春おたる(5)

2022-01-08 18:26:08 | 飲み歩き・北海道内
さあ、小樽の夜。今年一発目だから、いつもの居酒屋「O」に行かなくてはなるまい。昼間の小樽駅の混雑に恐れをなし、一応予約の電話を入れたので、入れることにはなっているのだ。

戸を開けてカウンター席の一番手前に着席。他の席は全部予約が入っているようで、やっぱり念のため予約をしておいて良かった。また、幸いなことに、その客が来たのは私がちょうど帰る頃であった。

一杯目は真野鶴を注文し、刺身盛合せからスタート。今日は赤貝、ホタテ、甘えび、ホッキ、イカ、ゲソ、カンパチ、マグロという品揃えだ。小樽でとれたかどうか分からないが、イカは新鮮ですっきりした味。カンパチは脂の乗りがすごい。マグロはしっとりと脂が乗っている感じである。





それから仙鳳趾産の牡蠣があるというので、1つ生で出してもらったら、そのサイズに驚いた。これ、2個の牡蠣をレモンの下でつないでいるというトリック撮影ではない。これまで見たこともない超ロング牡蠣なのだ。



さすがに一口では食べ切れず、3口で食べる。味が濃厚である。

最初から飛ばしちゃったなあと思いつつ、次は宗八カレイを焼いてもらうことにする。焼くのに時間がかかるので(若大将が見るからに丁寧に焼いている)、その間に店のお母さんと会話をして、小樽の雪事情や観光客の様子を聞く。昨年の緊急事態宣言明けから観光客は増加し、かなりの人が来ているとのこと。札幌が先行しているようだけれども、小樽も時間の問題なのだろうか。

そんな話をしているうちに、宗八がやって来た。



身がふんわりと上品な味。背骨と頭の固い骨以外は良い感じに焼けていて、鰭・縁側の辺りもパリパリと食べられる。つい酒が進んでしまい、八海山を1合追加。大丈夫かなあ、私。

そして締めは鉄火巻きとイクラ軍艦を注文する。昨年来た時はウニも美味かったのだが、大将に聞いたところウニは高くなりすぎて、普通には出せないとのこと。赤潮問題もあったし、やっぱりそうだよね。それからイクラもかなり値は上がっているそうだ(これは幾らだったのか?)。



まあとりあえずは美味い魚を食べて、店の健在ぶりも確認して(予約客が少しづつ来始めた)、満足である。



いずれ小樽のバーを新規開拓と思いつつ、新型コロナが落ち着くまでは開拓しづらいので、小樽駅へ。エアポートがちょうど来ていたので、なるべく駅舎から遠い空いている車両に乗り込む。今回も琴似に戻ることにしよう。
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新春おたる(4)

2022-01-08 16:40:47 | 美術・アート
続いて、市立小樽美術館へ。

■市立小樽美術館「遥かな時空を超えて 堀忠夫展」。
「楽器店のウインドウ」:花園商店街にあった楽器店を描いたもの。隙間なく並んでいる楽器がウキウキと音を出しそうだ。
「標本棚」:北大植物園の標本棚にある動物の骨などを描いた作品。
「廃屋」:上記2点を見て、まさに写実画家だなと思ったら、これは物を極力排し、心象風景風の作品である。

「トレドの土産屋」:割とドメスティックな画家だと思っていたら、1977年のヨーロッパ旅行以来、画風が一転。
「下街の水道」:ヨーロッパの石の重みが良く表現されている。
「立ち話(回廊にて)」:重々しい回廊の遠近感が表現された作品。



14点の展示だったが、なかなか面白かった。3階の一原有徳展示室は前回と同じであった。

■市立小樽美術館「2つのピント 羽山雅愉×高野理栄子」。
羽山雅愉「青い月」:北海製函第3倉庫を描いた作品だが、道路標識に「色内13丁目」とあるように、異次元の風景なのだろう。
羽山雅愉「夜と朝」:釧路のフィッシャーマンズワーフMOOを描いた作品。早朝だから人がいないのだろうが、どこか静かな滅びを感じさせる。
羽山雅愉「赤いモノローグ」:全く知らなかったが、最近はテーブル上の花や果物等、静物画を描いているよう。色の対比、物のかたちと配置という、絵画の基本に立ち返ろうとしているように見える。

高野理栄子の作品はタイトルが全て「Ame」だから、何とも説明しづらいのだが、雨は水が上から落ちてくるという意味では常に雨なのだろうけれども、霧雨、小雨、土砂降り、そして小糠雨や五月雨のように名前だけでは表現しきれないほど違う。その違いを一つづつ作品にしているような気がした。その中でも作品にとらえられているのは、土砂降りが多そうだね。



雪がやんだようだ。次は文学館へ。



■市立小樽文学館「小熊秀雄展」。
なんでこんな髪型になっているのだろう、小熊秀雄。



寺田政明「小樽運河」:小熊の友人だった人が残した作品。



小熊のスケッチもかなり多く展示されていた。



特にタイトルは無い模様。



これは油彩で、私の好きなタイプの作品。



模型製作・田中眞理「長崎アトリエ村 さくらが丘パルテノン模型」。



■市立小樽文学館「小樽雑誌博覧会 大週刊誌展」。
資料の撮影はしないでほしいとのことだったが、会場風景は撮影OKだった。1950~70年代の週刊誌がたっぷりある。



昔の床屋さんには必ず週刊誌があったよねということで、再現されたコーナー。



鏡に向かって髪の毛を切ってもらっている絵画があるのだが、作者名・作品名を押さえ損ねてしまった。





■市立小樽文学館「東京古書組合百年史展」。
私、意外と本格的な古書店に興味が無いんですよねえ。



中々充実した展示で、見終わったときには外が暗くなり始めていた。

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新春おたる(3)

2022-01-08 14:34:38 | 美術・アート
小樽市総合博物館の本館からバスで戻り、次は小樽市総合博物館の運河館へ。

■小樽市総合博物館運河館「特別公開! 花園公園設計図」。花園公園とは小樽公園のことだそうで、それを聞いてもそもそも公園がどこにあるのか分からないのだから、あまり面白くないだろうなと思ったが、いやいやどうして、いい展示だった。

まずは巨大な設計図(2.4m×3.2m)がドーン。



設計者が長岡保平、助手が田中真次郎。



公園の中には迷路らしきエリアがある。



去年、小樽市有形文化財の新指定がなされたそうで、普段は非公開だが特別公開となったようである。



「西川家文書」:同じく新指定文化財。近江商人だった西川家の資料群。



「稲垣益穂日誌」:こちらも新指定文化財。1896年から1935年にかけての全55冊の日記。出来て間もない小樽運河に言及している。



こういう文化財は大事にしつつ、公開もしてほしいものである。
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新春おたる(2)

2022-01-08 13:51:42 | 美術・アート
小樽駅で交通カードのチャージをし、トイレに行ってからバス停へ。小樽駅では恒例の「GLASS ART GALLERY」が開催されている。



それにしても小樽駅には人が多いのにビビり、そそくさとバス停へ。バスに乗ってはるばる向かったのはここである。街中に比べると雪が多い。



但し、博物館までの道は一応ちゃんと除雪されており、あまり苦労せずに小樽市総合博物館へ。あたりには雪が降り続いている。



久々に来た博物館。小樽市の様子が立体的に浮かび上がる展示物を「あれ、こんなのあったっけ?」と思いながら2階へ。



■小樽市総合博物館「小樽・余市の縄文文化」。今日の主目的はこれだったのだ。今日が展示初日だが、私以外の観覧者は誰もいない。博物館の皆さん、この私が見に来ましたよ!



「後志最古の土器」:余市・木村大地遺跡で発掘された約8000年前の土器。まだ「縄文」ではなく、貝殻を押し付けた文様がある土器だ。



「基本の縄文」「「縄」を結ぶ」:縄文といっても色々なバリエーションがあるということを説明している。こういう展示は初めて見たかも。



「「縄」を二本使う」「「縄」を押し付ける」。



「木や竹で描く」「「縄」を巻き付ける」。



「ホッケ澗式土器」:ホッケ澗というのは塩屋の地名に由来するとか。自動惑星ゴルバ+クリオネのような形が実用性が無さそうで面白い。ある種の作家性が入っているような気もする。



「大型の鉢」:高さ50センチ以上ある立派なもの。



「異形土器」:「異形土器」とは利用用途が分からない土器のことである。この土器は水を入れて使うように見えるが、底には意図的な孔が開いているそう。一輪差しにも見えるな。



「異形土器」:余市・大川遺跡で発掘。容器には向かない形をしているし、香炉でもないそうだ。



「異形土器」:小樽・忍路土場遺跡で発掘。これこそ香炉っぽいのだが、そのように使われた形跡は残っていない。



「脚がついた石皿」:小樽・忍路土場遺跡(手前)、余市・安芸遺跡(奥)で発掘。木の実や薬味的なものをすり潰したのかな? 特に手前のは丁寧に作ってあり、魚か舟の形をしているようにも見える。



名称の記録がもれたが、土偶もあった。これなんか青森県の国宝合掌土偶に顔が似ている。



世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の紹介もあったが、小樽・余市はここからもれている。日本海側なので、また異なる文化圏に属していたということなのだろうか(特に外れた理由は言及がなかった)。



忍路環状列石だが、図の部分が展示室内で再現されている。こういう展示の工夫は嬉しいところだ(危うく気がつかないところだったが)。





さて、鉄道展示の方に戻ろう。
「小樽各駅汽車発着時間表」:小樽・札幌間はどのくらいで行けたのかななどと思ってみていると、始発・函館(前日午後11時10分)→小樽駅発(7時)→釧路(午後7時40分)などという恐ろしい汽車が運行されている。これは乗ったら地獄だろうね。



「鉄道競争すごろく」:北海道を見るとまだ函館本線の海線はつながっておらず、下富良野(私が富良野市民だったときは、全く聞いたことが無い)駅があったり、帯広が無くて池田があったり、当時の交通要所がどうだったかが想像されるすごろくだ。





一通り見終わり、再びバスで小樽の街中に戻る。
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新春おたる(1)

2022-01-08 12:30:37 | 食べ歩き
3連休の初日、前々から小樽に行こうと思っていた。少々、新型コロナ感染の雲行きが怪しいが…。

小樽への高速バスだが、やはり札幌市内では遅れが発生するようだ。6分くらい遅れてバスが到着し、それに乗り込む。



かなりの乗客がいるが、ちょうど降りる人がいたので良かったと思ったら、次の停留所で隣にデカい男が乗り込んできた…。高速に入るとバスの運行も順調となったが、小樽市内に入ると住吉神社の辺りでやや渋滞。それにしても初詣に自動車で来るのはやめて欲しいものである。

小樽駅前に着くと思ったほど人が降りない。たまたまニセコ号に乗ってきたのだが、ニセコまで宿泊に行く人が多いのかな? 私は次のバス時刻を調べてから、紀伊国屋さんへ。小樽は駅前に紀伊国屋があるのが、本当にありがたい。年初最初の本を購入して、昼食の場所を探す。

駅近くのアーケードを歩き、あまり時間がないのと、混雑は嫌だなと思い、店頭から中の様子が見えた「G」へ。

麺類のバリエーションがいろいろある中(裏側にご飯ものもある)、昔風ラーメンと行きますか。



待つことしばし、予想よりはやや濁ったスープ、具はチャーシュー、鳴門、固ゆで卵半分、麩2個、海苔2枚、メンマ、ネギとなるほど昔風のラーメンが出てきた。早速スープを飲んでみると、醤油と塩の中間のような味わい。これで麺を食べると、絶妙に味が薄い(いや、これでいいのだ)。



終始「こういうのでいいんですよ」と思いながら、食べる。もう濃厚な技のあるラーメンって、あまり興味ないからね。



食べ終えて、水をゴクリ。これで勘定をしてもらうことにしよう。この店、年配の女性1人客や、親子連れが来ては店の方と新年のあいさつをしているのも嬉しい風景だ。私は店を出て、一旦小樽駅へと向かう。
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