やはり国民への情報提供の最重要ツールである新聞、テレビ報道は歪んでいることを痛感する。護衛艦くらまの衝突事故に関しては当初は面白おかしく、いかにも海自艦艇側が悪いような報道をしていた。韓国コンテナ船が九分九厘の過失があるとわかると新聞テレビは一斉に、詐欺女性と複数人の男性の不審死や八丈島周辺での19トンの漁船員救出を大々的に報道している。殆ど関門海峡での衝突という国際問題を含めた大事件についてはなりを潜めている。マスコミ報道は視聴者、読者が選択する余地が少ないことからも、より真実を冷静客観的に行ってほしいと思う。写真は北朝鮮を主対象とするであろう「貨物検査特別措置法案」に関する読売新聞の11月1日朝刊社説である。政府は海上保安庁にこの任務を付与するような案で策定するようである。海自隊員は「危険で煩わしい業務をしなくなって助かった」と内心思っているかもしれない。今の政府と官僚の関係に似ているのかもしれない。何と馬鹿げた政府方針だろうか。海上保安庁は船腹には「JAPAN COAST GUARD」と表示しているが、米国の沿岸警備隊(コーストガード)とは権限も装備も雲泥の差である。政治家は海上保安庁の能力が無謀な北朝鮮の工作船あるいは貨物船を装った船舶と対等以上に戦うことが可能だと思っているのだろうか。なるべく不拡大の方針をとるためかもしれないが、具策に尽きる。