日本を代表する企業だった東芝が、とうとう外資に買収されるのではとのニュースが流れています。
東芝といって思い出すのは、岡山出身で社長になった。土光敏夫さんです。
非常に質素な生活をしながら、社員をクビにすることなく、東芝の経営再建をされた方です。
生活費は10万円ほどで足りたので、あとは全額学校に寄付したりしていたそうです。
その後、経団連会長になり、国に請われて、増税無しに赤字国債をゼロにするという、臨時行政調査会の会長も務められました。
瀬島龍三や田中角栄などの実力者を動かし、国鉄や電電公社、専売公社などを民営化して、赤字国債の乱発で危機にあった日本の財政を立て直しました。
国有会社を民間に売り払って、国の借金である、赤字国債をゼロにしようという荒っぽい手法だったので、賛否はありました。
当時の実力者だった田中角栄に、瀬島が料亭で話を通したところ、「それでいくら儲かるんだ?」と金の話ししかしなかったそうですが、国の借金をチャラにできるという事で、取り進められたのです。
元、参謀本部作戦課にいて、太平洋戦争時の主要な作戦を立案していた瀬島を配下にして、当時官僚や国会議員に対して、金の力で絶大な権力を握っていた田中に、裏からも手を回して国をも動かしたのです。
土光さんは、今の東芝や、赤字国債まみれの国家財政をみたら、どう思われるのでしょうか。
ちなみに、当時国家財政破綻の危機といわれた赤字国債累計は82兆円でした。
現在の国の赤字国債累計は990兆円に達していますが、具体的な対策は何も打てていません。
本来は財政法第4条で、赤字国債の発行は原則禁止されているにも関わらず、特例法の乱発で借金まみれになっているのです。
個人で言えば、生活を送るのにサラ金やローンにばかり頼っていると、いずれは借金地獄で破綻しかねないのと同じ事です。
しかし、中には、国債をいくら発行しても問題無いという、無責任極まりない発言をする政治家までいる始末です。
確かに、今まではゼロ金利が続いていたので、いくら借金が増えようとも、毎年支払う金利は変わりませんでした。 しかしインフレが現実となり金利が上がれば、たちどころに、借金で首が回らなくなってしまうのです。