徒然幸せ日記

作者が日常の生活で見たこと、感じたこと、感動したこと!を書いています。
特に、「幸せ」とは何かについて考えています。

オルテガの『大衆の反逆』(中島岳志著、NHK100分で名著テキスト)を読んで「民主主義の危険性」について考える

2019-05-12 14:48:06 | 本と雑誌
この本は、今年の2月に購入したが、番組を見ずにテキストだけ放ってあったが、読む時間ができたので、昨日読んだ。

オルテガという人は(1883-1955)まで生きたスペインの哲学者。
中島岳志氏は評論家で東京工業大学の教授。

このテキストの内容を簡単に説明するためにテキストの最初の言葉を借りるなら、
「20世紀初頭、
ヨーロッパは大衆(トポスを失った凡庸かつ大量の「平均人」)による
「超民主主義」に覆われていると説き、
「寛容=リベラル」「死者の英知による制約」の大切さを訴えた。」ということになる。

と言われても何のことかわからないと思うので、ブログ作者の解釈で書かせていただくと、

20世紀初頭とは1920年~第二次世界大戦が終結するまでの間であるが、
世界にファシズムとロシア革命などで左右の極端な政権が誕生したことを指す。

この間、世界に民主主義が存在しなかったのではなく、多数決で全てを決めるルールとしての民主主義はあった。
しかし、それが、トポス(自分が意味ある存在として位置づけられる拠り所のような場所)を失って個性を失い群衆化した大衆が世界を支配した。
それがファシズムのような「超民主主義」

「大衆」は「庶民」と違って伝統を重んじることなく、他人の意見を聞かない。
みんなと同じということに喜びを見いだす。
平等の名の下に平均化が行われる。

今(20世紀初頭)は「風潮」の時代であり、「押し流される」時代であるとオルテガは言っている。

その結果が、あの第2次世界大戦です。


ブログ作者には、なんか、この言葉(強調文字の部分)がやけに今の日本や世界の政治的状況の兆しを表現しているように思えました。

もう二度と昔のような戦争が起こらないようにしたいものです。


そのためには、

「保守」であれ、「リベラル」であれ、相手の思想に耳を傾けて寛容になり、少数意見が持つ重要性を尊重することが大事だと言うことだろうと思いました。

また、現在があるのは先祖の努力の賜だということを知り、「死者」(先祖や友人など)に恥じないように(そのことは子孫に恥じないようににつながっている)生きて行くという視点も大事だということだろうと思いました。

マスコミなどに強い影響を受けすぎて、極端に走ることのないように気をつけたいものです。

そのために、一番大事なことは地元の町内会やボランティア活動などに参加して、地域での民主主義を確立することだそうです。(政府と個人の中間部分がしっかりしていると極端に走らないとのことです)


なお、「保守」思想は古い価値観を単に守るのではなく、時代に合わせて微調整していくということを含んでいるようです。

また、リベラルというのは革新というよりも、過去の経験を重んじた自由主義のようです。

ですから、最終的にはどちらも同じゴールを目指した似た考えらしいです。
極端に走らないでじっくりと物事を進めることが重要だと思いました。

以上、解釈が間違っていたら、ごめんなさい。
詳しくはこの本を読んで下さい。

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