ムツゴロウの図書館という児童書です。
1990年に初版でした。
この本の中でムツゴロウさんは、
ぼくはみんなに、もっともっと犬をすきになってもらいたい。犬の心や、体の秘密を知ってほしい。犬を、深くりかいするようになると、犬と話ができるようになる。みんな、できるさ。犬と友だちになれよ。成功をいのる。 ・・・引用ここまで。
オオカミとイヌは違うんだということ。
イヌは人が大好きで、人間といたいし、人間とくらしたいんだ。
人間の広い心の中に住みたがっている。
母さんが、笑いながら犬に話しかけたりするとだ、「おとなしくしているわね。いい子ね。」犬は目をとじたまま、しっぽをパタパタ動かして返事をする。こういう時、犬はしあわせなんだ。 人の心の中にとびこんで、いっしょに生きているからである。犬を飼う以上、心の広いひとでありたいね。その広さの中に犬がすむんだから。家の広さじゃないよ。心の広さがいるんだよ。・・・引用ここまで。
またこの本の中で、
犬の群れにはリーダーがいたね。リーダーの命令には絶対服従だ。したがわなければ、かみころされるか、群れからおいはらわれる。したがうのは生活である。きみに従えばしたがうほど、君をすきになる。それが生活になる。・・・中略・・・こまかい日常の行動の中で、きみにしたがっていく。その一つ一つが犬の心を成長させ、犬を犬にさせていく。…中略・・・犬はいちばん愛する人にしたがいたいのである。したがうたびに、愛が鍛えられ、大きくなっていく。それなのに、他の人がわりこんでくるのだからめんくらってしまう。よそで訓練された犬をぼくは、一目でわかる。悪い犬じゃないけれども、少し陰気なんだ。
あとがきで、お母さま方へ…として、
犬は野生動物と違います。自然から、人間界に嫁入りしてきた天使です。私はこの本で、少年たちに、犬とつきあう心構えや基礎を説きました。まさに、「犬ずきのひと、この指とまれ」です。世界中を旅し、数百数千の犬に会った経験が書かせたものです。犬だけではなく、少年たちに、いのちについて考えてもらいたいと思いました。機械文明のなかで、もっとも必要なのは命についての知識であり、命についての経験でしょう。どうか、子どもが犬を欲しがったら、子どもと一緒にどうするか悩んでください。私は、少し無理をしても飼ってくださることを望みます。この本では、子犬までですが、次には犬との会話をテーマにしたいと思っています。 ・・・引用ここまで
この次のテーマは本になってないのよね。
ぜひ書いてほしいなぁ。
ついつい引用ばかりになってしまったけれど、
ムツゴロウさんのことばで伝えたくって。
この自粛期間中、特別給付金もあったりして
犬と暮らし始めた家庭も多いと聞きました。
そんなこんなで犬を家に迎え入れた方々は、
今頃おトイレや散歩で困っているころじゃないでしょうか?
しつけということで大声を出したり、なぐったり、棒を振り回すことでは
犬は大きな声を出す人、殴ろうとする人、
棒状のものなんでも持っている人を怖がるようになってしまいます。
そっちのほうがのちのち違う問題が出てくることがあります。
どんなきっかけで家に迎えたとしても、
犬も猫も他の動物も命あるものです。
動物福祉を心がけて、「犬育て」に取り組んでいただけたらと思います。