体の鎧

強い刺激にさらしていると体が硬くなってゆく。

揉む、押すような刺激で
強い刺激を与えていっても、硬くなっていた部分が
実際には柔らかくなっているではないか！
そう思う人もいるでしょう。

固まった筋肉に刺激を与えて血行を高めるので
確かに柔らかくなっていきます。

しかし問題はその後。

体は
また刺激を与えられても大丈夫なように
体を守るために、
体の意志により硬くなってゆく。

体を鍛えているともいえそうですが、
何のために施術を受けるかと言えば痛みやコリを
取るためです。
そこが既に痛い、固まってこっているときに
鍛え方が足らんとさらに強い刺激で行うのは、
その解消になるのだろうか？

「いた気持ちいい」という感触を求めて
繰り返していれば、どんどん体は防御を固めてしまう。
気持ちと体の反応は別だと言うことになります。

いわゆる「いた気持ちいい刺激」から、
痛いのを抜いたただ「気持ちいい感触」では
物足りないという方もいるかもしれません。

私自身もこの施術の感触を、はじめは物足りないと
思いました。ところが、今度は普通の「いた気持ちいい」
刺激を受けると痛いというか怖い刺激に感じるように
なります。

これも慣れると怖いというのも薄れていくにですが
慣れるということはそれだけ感覚が鈍るのか?
それとも体が肉厚になるのか?
柔らかくなったのか?
気持ちの問題なのか？

しかし、要は痛みやコリが取れればOK.
強い刺激でも結果がよければOK.
でも、それが今はよくても後でさらに悪化するなら
それは一時しのぎの対処療法でしかない。

それを何度も繰り返していれば体は
どんどん鎧を厚くし、刺激をさらに強化しないと
ならなくなってゆく。
それは薬による対処療法に似ている。

はじめは弱い薬、少ない量で効いても
だんだん効果が薄れ、次第に強い薬、量が増えてゆく。
はじめの段階でよい結果が得られればそれを繰り返すことは
ないのでよいでしょうが、それで治らない場合は
その治療によって悪化の道をたどってしまう。