マーケティング研究 他社事例 360 「ビジネスの種の見つけ方1」 ~スコット・コミナーズに学ぶ~
ハーバート経営大学校でMBAで教えている、スコット・コミナーズは市場の失敗の発見が起業につながると言います。
彼の持論を見ながら、ビジネスの種の見つけ方を考えて行きたいと思います。
「皆さんは金融市場、住宅市場などあらゆる取引市場に日々接しているだろう。だが一方で、日常的に接していながら、それを「市場」として認識していない市場もあるはずだ。例えば、結婚市場、デート市場も立派な市場である。経済学的な意味における「市場」とは、市場参加者が互いに反応し、何らかの動機をもって取引を模索している状況をすべて指す」
とコミナーズは言います。
市場が失敗せず、仕組みが有効に機能している間は、大きなビジネスチャンスが生まれにくいとも言えそうです。
「古典的な経済学では、例えば、金融市場では、参加者それぞれの思惑で株式を売買したり、借金をしたりといった取引をすることで、おのずと価値が創出されることになっている。売りたい参加者はできる限りそれが市場で一番良いように見せ、買いたい参加者は将来はさらに価値が上がると考えたものを買う。という動機で動く。結婚市場もこれで、市場参加者がより自分にふさわしい相手を探そうとする市場だ」
しかし、現実の市場は常々有効には機能しません。
その状況をコミナーズは「市場の失敗」と呼んでいるのです。
「市場に失敗は、何によって引き起こされるのだろうか。そこには多くの要因がある。まず、「摩擦」が市場取引を妨げる。「摩擦」のひとつが、不完全な情報だ。金融市場なら、投資したいがそもそも将来どの商品の価値が上がるかは分からない。結婚市場では、自分を格好良く見せようと相手が偽りの姿を見せているかもしれない。中古車を買いたいが、どれが高品質か見抜けない。現実社会ではこうした要因のために、価値を生み出せるはずの取引がなかなか成立しない。これが市場の失敗で、さらに広げて言えば、間違った取引が発生し、最適な結果につながらなかった時の事をも指す。経済学者は長い年月の間、市場の失敗について研究し、様々な種類に分類しながらその内容を判別してきた。そして近年は、市場の失敗を理論的に修正できないか、と考え始めている」
成熟市場における大きなビジネスチャンスは、こうした市場の失敗を修正することで生み出せるというのが、コミナーズの考えとなっています。
「例えば、ファーディング・アメリカという、アメリカ最大級のNPOがある。同組織は、会員のフードバンクと寄付された食料などをマッチングさせるため、組織の内部に取引市場がある」
生活困窮者に食品を配給している団体と、その志に賛同し食品や資金を寄付したい人々、本来であれば、放っておいても取引はいくらでも成立するはずです。
しかし現実にはそうならないといった事が起こります。
情報不足という「摩擦」で、寄付者はあちこちのフードバンクのうち、果たしてどこに寄付するのがベストなのか、見極められないからです。
「ファーディング・アメリカに寄付された食料をフードバンクに割り当てる時、会員のフードバンクは内部通貨で入札に似た取引をする。最高値で入札したフードバンクが食料を得られる。本来難しかった適正な取引を実現した典型的な事例だ。ウーバーテクノロジーズやエアビーアンドビーといった、IT(情報技術)基盤やアプリを活用した新興企業も「使われずにいる(価値ある)スペースの存在」という市場の失敗に注目し、それを解決した。自分の車に人を乗せたい人がいて、車で移動したい人がいる。経済学が仮定する理想的な世界なら両者は簡単に取引が出来ますが、これまでそうした取引は実現しづらかった」
コミナーズは新たな市場の仕組みをつくることを「マーケットデザイン」と呼んでいます。
「マーケットデザインの考え方は、既に多くの公共プロジェクトなどで活用されている。アメリカ・イギリス・日本における研修医のマッチングプログラム(医師の希望と研修先の希望をマッチさせる仕組み)、また世界中で利用されている、学生を各学校に振り分ける選択プログラムもその一つだ」
では、市場の失敗を引き起こす「摩擦」をどうすれば見つけられるのか?
とても気になる所だと思いますので、それについては次回ふれて行きたいと思います。
「リーダーシップ研修」、「未来を創るワークショップ研修」等、各企業の課題に合わせた研修をご提案差し上げます。
経営の根幹は「人」です。働く人次第で成果が変わります。自分事で働く社員を増やし、価値観を同じくし働く事で働きがいも増します。
彩りプロジェクトでは、製造メーカー、商社、小売業者、社会福祉法人、NPO法人等での研修実績があります。
研修と一言と言っても、こちらの考え方を一方的に押し付ける事はしません。実感いただき、改善課題を各自が見つけられる様な研修をカスタマイズしご提案しているのが、彩りプロジェクトの特徴です。
保育園・幼稚園へご提供している研修【私の保育園】【私の幼稚園】は大変ご好評をいただいています。
また、貴社に伺って行う研修を35,000円(2h)からご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
メール info@irodori-pro.jp
HP https://www.fuudokaikaku.com/
お問合せ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/
成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣
現在、経済産業省では「経営改善計画策定支援事業」を行っており、金融支援を必要とする企業の経営改善計画書を策定する際の費用の2/3補助があり、上限は200万円です。
また、「早期経営改善計画策定支援事業」は、同様に策定する際の費用の2/3補助があり、上限は20万円です。
こちらの「早期経営改善計画策定支援制度」は金融支援を要しないものですので、容易に取得しやすいのが特徴です。
メリットとして、金融機関との信頼関係を構築する為の制度としては有用です。
なぜなら、経営内容を開示する事、計画進捗のモニタリングを金融機関に報告する事は、金融機関が企業を評価する際に「事業性の評価」をしやすくなります。
金融機関は担保に頼らずに融資するには、「事業性の評価」が不可欠です。
「事業性の評価」とは、金融機関がその企業の事業を理解する事です。
「事業性の評価」に積極的な金融機関とそうではない金融機関がありますが、これからの金融機関とのお付き合いの仕方として、有用な制度となりますので是非ご利用下さい。
※このような方(会社)におすすめです。(中小企業庁資料より)
・ここのところ、資金繰りが不安定だ
・よくわからないが売上げが減少している
・自社の状況を客観的に把握したい
・専門家等から経営に関するアドバイスが欲しい
・経営改善の進捗についてフォローアップをお願いしたい
この補助金を利用するには、経営革新等認定支援機関の支援が必要です。
彩りプロジェクトは認定支援機関です(関財金1第492号)
経営革新等支援機関とは、「経営改善、事業計画を策定したい」「自社の財務内容や経営状況の分析を行いたい」「取引先、販路を増やしたい」「返済猶予、銀行交渉のことを知りたい」
「事業承継に関して、代表者の個人補償をどうにかしたいんだけど・・・」
というお悩みを始め、中小企業経営者を支援するために国が認定した公的な支援機関の事です。
お気軽にご相談下さい。
当、彩りプロジェクトでは30分無料相談を実施しています。
どのような支援が受けられるのかだけでも、一度お聞きになって下さい。
→ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/
HPの申込フォームから(こちらから)どうぞ。
ハーバート経営大学校でMBAで教えている、スコット・コミナーズは市場の失敗の発見が起業につながると言います。
彼の持論を見ながら、ビジネスの種の見つけ方を考えて行きたいと思います。
「皆さんは金融市場、住宅市場などあらゆる取引市場に日々接しているだろう。だが一方で、日常的に接していながら、それを「市場」として認識していない市場もあるはずだ。例えば、結婚市場、デート市場も立派な市場である。経済学的な意味における「市場」とは、市場参加者が互いに反応し、何らかの動機をもって取引を模索している状況をすべて指す」
とコミナーズは言います。
市場が失敗せず、仕組みが有効に機能している間は、大きなビジネスチャンスが生まれにくいとも言えそうです。
「古典的な経済学では、例えば、金融市場では、参加者それぞれの思惑で株式を売買したり、借金をしたりといった取引をすることで、おのずと価値が創出されることになっている。売りたい参加者はできる限りそれが市場で一番良いように見せ、買いたい参加者は将来はさらに価値が上がると考えたものを買う。という動機で動く。結婚市場もこれで、市場参加者がより自分にふさわしい相手を探そうとする市場だ」
しかし、現実の市場は常々有効には機能しません。
その状況をコミナーズは「市場の失敗」と呼んでいるのです。
「市場に失敗は、何によって引き起こされるのだろうか。そこには多くの要因がある。まず、「摩擦」が市場取引を妨げる。「摩擦」のひとつが、不完全な情報だ。金融市場なら、投資したいがそもそも将来どの商品の価値が上がるかは分からない。結婚市場では、自分を格好良く見せようと相手が偽りの姿を見せているかもしれない。中古車を買いたいが、どれが高品質か見抜けない。現実社会ではこうした要因のために、価値を生み出せるはずの取引がなかなか成立しない。これが市場の失敗で、さらに広げて言えば、間違った取引が発生し、最適な結果につながらなかった時の事をも指す。経済学者は長い年月の間、市場の失敗について研究し、様々な種類に分類しながらその内容を判別してきた。そして近年は、市場の失敗を理論的に修正できないか、と考え始めている」
成熟市場における大きなビジネスチャンスは、こうした市場の失敗を修正することで生み出せるというのが、コミナーズの考えとなっています。
「例えば、ファーディング・アメリカという、アメリカ最大級のNPOがある。同組織は、会員のフードバンクと寄付された食料などをマッチングさせるため、組織の内部に取引市場がある」
生活困窮者に食品を配給している団体と、その志に賛同し食品や資金を寄付したい人々、本来であれば、放っておいても取引はいくらでも成立するはずです。
しかし現実にはそうならないといった事が起こります。
情報不足という「摩擦」で、寄付者はあちこちのフードバンクのうち、果たしてどこに寄付するのがベストなのか、見極められないからです。
「ファーディング・アメリカに寄付された食料をフードバンクに割り当てる時、会員のフードバンクは内部通貨で入札に似た取引をする。最高値で入札したフードバンクが食料を得られる。本来難しかった適正な取引を実現した典型的な事例だ。ウーバーテクノロジーズやエアビーアンドビーといった、IT(情報技術)基盤やアプリを活用した新興企業も「使われずにいる(価値ある)スペースの存在」という市場の失敗に注目し、それを解決した。自分の車に人を乗せたい人がいて、車で移動したい人がいる。経済学が仮定する理想的な世界なら両者は簡単に取引が出来ますが、これまでそうした取引は実現しづらかった」
コミナーズは新たな市場の仕組みをつくることを「マーケットデザイン」と呼んでいます。
「マーケットデザインの考え方は、既に多くの公共プロジェクトなどで活用されている。アメリカ・イギリス・日本における研修医のマッチングプログラム(医師の希望と研修先の希望をマッチさせる仕組み)、また世界中で利用されている、学生を各学校に振り分ける選択プログラムもその一つだ」
では、市場の失敗を引き起こす「摩擦」をどうすれば見つけられるのか?
とても気になる所だと思いますので、それについては次回ふれて行きたいと思います。
「リーダーシップ研修」、「未来を創るワークショップ研修」等、各企業の課題に合わせた研修をご提案差し上げます。
経営の根幹は「人」です。働く人次第で成果が変わります。自分事で働く社員を増やし、価値観を同じくし働く事で働きがいも増します。
彩りプロジェクトでは、製造メーカー、商社、小売業者、社会福祉法人、NPO法人等での研修実績があります。
研修と一言と言っても、こちらの考え方を一方的に押し付ける事はしません。実感いただき、改善課題を各自が見つけられる様な研修をカスタマイズしご提案しているのが、彩りプロジェクトの特徴です。
保育園・幼稚園へご提供している研修【私の保育園】【私の幼稚園】は大変ご好評をいただいています。
また、貴社に伺って行う研修を35,000円(2h)からご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
メール info@irodori-pro.jp
HP https://www.fuudokaikaku.com/
お問合せ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/
成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣
現在、経済産業省では「経営改善計画策定支援事業」を行っており、金融支援を必要とする企業の経営改善計画書を策定する際の費用の2/3補助があり、上限は200万円です。
また、「早期経営改善計画策定支援事業」は、同様に策定する際の費用の2/3補助があり、上限は20万円です。
こちらの「早期経営改善計画策定支援制度」は金融支援を要しないものですので、容易に取得しやすいのが特徴です。
メリットとして、金融機関との信頼関係を構築する為の制度としては有用です。
なぜなら、経営内容を開示する事、計画進捗のモニタリングを金融機関に報告する事は、金融機関が企業を評価する際に「事業性の評価」をしやすくなります。
金融機関は担保に頼らずに融資するには、「事業性の評価」が不可欠です。
「事業性の評価」とは、金融機関がその企業の事業を理解する事です。
「事業性の評価」に積極的な金融機関とそうではない金融機関がありますが、これからの金融機関とのお付き合いの仕方として、有用な制度となりますので是非ご利用下さい。
※このような方(会社)におすすめです。(中小企業庁資料より)
・ここのところ、資金繰りが不安定だ
・よくわからないが売上げが減少している
・自社の状況を客観的に把握したい
・専門家等から経営に関するアドバイスが欲しい
・経営改善の進捗についてフォローアップをお願いしたい
この補助金を利用するには、経営革新等認定支援機関の支援が必要です。
彩りプロジェクトは認定支援機関です(関財金1第492号)
経営革新等支援機関とは、「経営改善、事業計画を策定したい」「自社の財務内容や経営状況の分析を行いたい」「取引先、販路を増やしたい」「返済猶予、銀行交渉のことを知りたい」
「事業承継に関して、代表者の個人補償をどうにかしたいんだけど・・・」
というお悩みを始め、中小企業経営者を支援するために国が認定した公的な支援機関の事です。
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