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マーケティング研究 他社事例 600 「放り出されるオーナー」 ~連鎖倒産の懸念~

2020-07-13 13:39:10 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 600 「放り出されるオーナー」 ~連鎖倒産の懸念~


このブログでも度々ご紹介してきました、ファーストキャビンですが、すでに本部の破産が報道されましたが、加盟店も窮地に陥りそうです。

ファーストキャビンとその関係会社4社は4月24日、東京地裁に自己破産を申請しました。

ホテル業界の競争激化で業績が悪化していたところに新型コロナの感染拡大による需要急減が直撃し、事業継続が困難になりました。

2019年末の時点で直営とFCを合わせて約26店舗を展開していましたが、破産申請に伴い、直営5店舗の営業は終了しました。

FC店を継続するかどうかはオーナーの判断に委ねられています。

新型コロナウイルスで先行きが見通しにくく、決めかねているオーナーもいるようです。

FCビジネスは本部の知名度や商品調達能力を活用できるメリットがある一方、本部との資本力の差から加盟店は不利な立場になりやすいとい一面があります。

昨年、コンビニの24時間営業を巡り、本部と加盟店が対立したのはその象徴といえます。

両者の力の差は本部が破産した際にも表れます。

FC契約では加盟店の義務の方が多く、本部が破産した場合の取り決めは少ないようです。

本部より加盟店の破産の方が多いので、契約事項の違いはあまり問題になって来なかったというのは容易に想像できます。

新型コロナウイルスによる不況で本部が破産となり、加盟店を守る根拠も薄ければオーナーが苦境に陥りかねません。

FC本部が破産した場合、残された道は主に2つあります。

一つは本部がフランチャイザー事業を他の事業者に譲渡する方法です。

本部は変わるもののフランチャイズの仕組みは維持されます。

もう一つはFC本部と加盟店が契約を解消する方法です。

加盟店が事業を続ける場合は独自の看板を掲げるのです。

一方、ファーストキャビンでは「フランチャイザー事業に興味を持つ事業者はいる」と言っており、前者の可能性を探っているようです。

しかし、売却先が見つからないようなケースでは、後者を選ばざるを得なくなります。

FCオーナーは放り出される形になりますが、開業時の投資を回収するまで簡単にやめるわけにもいかない事情もあります。

「ゴールドジム」を運営するアメリカのGGIホールディングスは5月4日、アメリカ連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請しました。

一般的に本部が民事再生を選択すれば、FC事業は続きます。

加盟店からのロイヤルティーが再建原資となるためです。

FC契約を結び日本で事業を展開するTHINKフィットネスも「日本の店舗に影響はない」としています。

今後はスポンサーが見つからずに、民事再生を申請できずに破産に追い込まれるFC本部も出て来ることでしょう。

新型コロナウイルスが経営を直撃しているホテルや飲食店はFCが多い業界です。

本部破産で加盟店が厳しい立場に置かれれば、経営が立ち行かなくなり、FCの連鎖倒産も招きかねません。



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