「コロナは空気感染が主たる経路」 研究者らが対策提言
“空気感染”によって伝播する主要な感染症は、麻しん、結核、水痘です。いずれも強い感染力をもちます。今回、新型コロナウイルスの主要な感染経路が空気感染と報告されました。
新型コロナウイルスの感染対策について、感染症や科学技術社会論などの研究者らが、「空気感染が主な感染経路」という前提でさらなる対策を求める声明を出した。
「いまだ様々な方法が残されており、それらによる感染拡大の阻止は可能である」と訴えている。
【写真】コロナは空気感染する 発表→撤回→また発表したCDCの事情 ■空気、飛沫、接触…コロナの感染経路は? 声明は、東北大の本堂毅准教授と高エネルギー加速器研究機構の平田光司氏がまとめ、国立病院機構仙台医療センターの西村秀一・ウイルスセンター長ら感染症の専門家や医師ら32人が
空気感染は、ウイルスを含む微細な粒子「エアロゾル」を吸い込むことで感染することを指す。エアロゾルの大きさは5マイクロメートル(0.005ミリ)以下とされ、長い時間、空気中をただよう。
厚生労働省のウェブサイトでは、新型コロナの感染経路として、くしゃみなどで出る大きなしぶきを介した「飛沫(ひまつ)感染」や、ウイルスの付着した場所に触れた手で鼻や口を触ることによる「接触感染」が一般的と説明されている。
一方、世界保健機関(WHO)や米疾病対策センター(CDC)はそれぞれ、ウイルスを含んだエアロゾルの吸入についても、感染経路だと明記している。
■距離離れてもリスク 「エアロゾル」減らす対策を
声明は、空気感染が新型コロナの「主たる感染経路と考えられるようになっている」と指摘。考えられている以上に距離が離れていても感染リスクはあり、逆に空気中のエアロゾルの量を減らすような対策で感染抑制ができるとした。
そのうえで、国や自治体に対して、ウレタン製や布製のものよりも隙間のない不織布マスクなどの着用徹底の周知▽換気装置や空気清浄機などを正しく活用するための情報の周知▽感染対策の効果を中立な組織によって検証することを求めた。声明は、内閣官房、厚労省や文部科学省に送付したという。
医師で民法・医事法が専門の米村滋人・東大教授も賛同者の一人。米村さんは政府の対策は「マクロ対策の一つである緊急事態宣言に大幅に依存している」と指摘。個人の感染を直接防ぐための対策の徹底や、外国の事例の検討などが求められると述べた。
賛同者の西村氏は「人流と(感染拡大という)結果の間にはいくつものプロセスがある。その一つ一つをつぶしていくことがとても大事。そのためには、『入り口』のところの空気感染への対策をきちんとやらなければいけない」と述べた。(野口憲太)
朝日新聞社
新型コロナウイルスが「追い風になる企業」「逆風になる企業」
昨日までちょんまげ頭だったのが、いきなり散切(ざんぎ)り頭になった明治維新以来の大変革期ではないかと驚いています。
4/23/2020
この20年間、『業務改革』や『働き方改革』と言われても全然変わらなかったサラリーマンの働き方が、コロナ・ショックでテレワークが導入され、激変。コロナ・ショック以前にはオンライン会議システムの『ZOOM(ズーム)』なんて誰も知らなかったのに、いまや『ZOOM飲み会』が流行っているほどです。
コロナに負けない業種と企業名の一覧はコチラ
ほとんどの企業が大変な思いをしていますが、そのなかでもコロナ・ショックを生き残る企業もあるでしょう。その一つが、テレワーク関連企業や通信会社です。通信量は3割増しになっていますし、スマホを通じたネット利用が不可欠になっているので、通信契約の見直しやスマホの買い替えが順次進むはずです」(経済ジャーナリストの磯山友幸氏)
4月7日、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大するなか、緊急事態宣言が発令された。人々にはさらなる外出自粛が要請され、日本経済は大混乱に陥っている。人間が移動することなく、経済活動を続けるにはどうすればいいか。まさに世界は100年に一度の大変革期を迎えている。当然、変化に適応できる企業だけが生き残る。
経済評論家の加谷珪一氏が言う。
「自宅でのリモートワークが爆発的に普及していますが、慌てて採用した企業も多く、今後はセキュリティの問題が生じるでしょう。大企業ではリモートワークを前提にしたシステムを新たに組むケースも増えるはずで、富士通などシステムインテグレータには追い風です」
◆自宅で昼食を食べる時代に
自宅作業となると、昼食も自宅で食べる必要がある。そんなときに、フードデリバリーサービスは心強い味方だ。
「外食産業が軒並み苦境に陥るなか、マクドナルドやカレーハウスCoCo壱番屋はテイクアウトや配達が店内飲食の落ち込みをカバーし、何とか踏ん張っています。一方、配達員が客に代わって店舗から商品を受け取って配達するウーバーイーツや出前館は好調。飲食店の食事を自宅に配達してもらうのが、コロナ・ショック以降の定番となっています」(経済ジャーナリストの長浜淳之介氏)
実際、街中でウーバーイーツの配達員を見かけることが劇的に増えた。さらに買い物もネットで済ませることが格段に増えたのではないだろうか。
「3月前半の『業種別消費指数』のうち、『EC』(電子商取引)は前年と比べて4.1%増え、それ以外はすべて前年割れという結果でした(ナウキャストとJCB調べ)。ECプラットフォームを持つアマゾンや楽天市場は好調でしょう。それぞれ生鮮食品を提供するプライムナウや楽天西友ネットスーパーを持ち、これらが人気なのも容易に想像できます」(ITジャーナリストの久原健司氏)
ネット上での買い物はほとんどがオンラインで決済される。目立たないが、こうしたテクノロジーを提供する企業は、コロナ・ショックでも評価が上がりそうだ。消費経済ジャーナリストの松崎のり子氏が注目企業を挙げる。
「GMOペイメントゲートウェイは、ネット通販などの決済サービスや店舗でのキャッシュレス決済などのインフラ提供を行っています。巣ごもり消費でネットでの買い物が増えたり、感染を避けるためにキャッシュレス化が進んだりすれば、同社には追い風になります」
◆雇用の受け皿になるか
ネットでいくら買い物をしても、最終的に自宅まで届けるのは、人だ。コロナ流行以前から人手不足が叫ばれていたが、他業種からの参入が期待されている。
「中国ではアリババの配送員が足りなくなって、閉店している飲食店の店員が代わりに配送したケースがありました。観光業が軒並みダメで、バスなどの運転手は仕事がないのですから、いまの時期だけ配送業に参入してもらえたら人手不足も解消でき、雇用も生まれ、消費者のニーズにも応えられる。三方よし、です」(物流ジャーナリストの石橋忠子氏)
前出の磯山氏も今回の経済危機では運送業に雇用の受け皿になってほしいと、ヤマト運輸に期待する。
「アメリカではアマゾンが失業者の受け皿になっています。同じように、物流のラストワンマイル(最終区間)に携わる運送業に期待しています。配送量が増え、人件費が上がり、これまでは人手不足で大変だったのが、状況が変わって人を採用できるようになった。いまのタイミングであれば、配送料が多少値上がりしても文句を言う人は少ないでしょう」
緊急事態宣言が発令されても、近所のスーパーやドラッグストアに生活必需品を買いに行くことは許されている。そのため、リアル店舗はこれまでにないほど人が溢れている。
「スーパーは16ヵ月連続で既存店の売上高が前年比マイナスだったのが、2月になってプラスに転じました。学校が一斉休校になって給食がなくなり、外出も自粛なので、自宅でご飯を作って食べる機会が増えた。巣ごもり消費のおかげです。お米やシリアル、冷凍食品などの買いだめ需要も続いています。
ライフなどの大手スーパーは、内定を取り消された学生を念頭に、追加採用をしています。これは素晴らしい試みだと思います」(前出・石橋氏)
スーパー以上に好調なのが、ドラッグストアだ。マスクやトイレットペーパー、アルコール消毒液を求めて、人が押し寄せた。石橋氏が続ける。
「大手ドラッグストアは既存店の売上高が20%増と、かつてないような伸び率を見せました。もちろん、浅草や大阪・心斎橋にあるようなインバウンド向けの店舗は売上高が激減していますが、それ以外の店では、コロナ関連の商品が入荷した先から飛ぶように売れていく。ウエルシア薬局やスギ薬局はインバウンド対応が遅れていたので、逆によかった。
中期的に見ても、ドラッグストアには追い風が吹きます。ドラッグストアに足を運ばなかった男性が、今回の騒動をきっかけに来店し、薬だけでなく日用品や食品も安く買えることを知った。緊急事態宣言が出ても閉まることはないので、好調はしばらく続くでしょう」
◆意外な企業も
スーパーやドラッグストアで消費者に大量に購入される食料品のメーカーも、突然の需要増に沸く。
「巣ごもり消費になるのでインスタント食品やレトルト食品、冷凍食品など、自宅で手軽に調理できる食品を提供する会社は好調です」(第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏)
実際、味の素の冷凍食品や日清食品のカップ麺が飛ぶように売れている。では、飲料メーカーはどうか。前出の加谷氏がこう言う。
「家族との食事が増えると、自宅での飲料の消費も多くなります。ただ、企業でばらつきがあり、キリンやアサヒは酒類中心なので、居酒屋などの店舗需要が激減して逆風ですが、一方、個人向け商品のウエイトが高いサントリーには追い風でしょう」
意外なところで、業績が回復しそうなのが、電力会社なのだという。前出の永濱氏が解説する。
「原油安、円高、低金利のトリプルメリットを享受できるからです。外出を控え、自宅にいる以上、必ず電気を使うので、使用料も伸びていきます。電力会社は大幅に業績改善するでしょう」
電力の使用増加に一役買いそうなのが、ゲームだ。学校が休校になっているために、子供たちがゲームに夢中になるのは避けられそうもない。
「任天堂のニンテンドースイッチ用のオンラインシミュレーションゲーム『あつまれ どうぶつの森』は、昨年から発売日が決まっていたものの、ベストなタイミングでの発売となりました。ただ、エクササイズゲーム『リングフィット アドベンチャー』は在宅で楽しく運動ができるのですが、専用コントローラーの生産が追いつかず、品薄に拍車がかかってしまった。せっかくの追い風に乗り切れていない印象も受けます」(ゲームアナリストの平林久和氏)
新たな危機を乗り越えるために、働く人たちの知恵が試されている
コロナに負けない業種と企業名の一覧はコチラ
ほとんどの企業が大変な思いをしていますが、そのなかでもコロナ・ショックを生き残る企業もあるでしょう。その一つが、テレワーク関連企業や通信会社です。通信量は3割増しになっていますし、スマホを通じたネット利用が不可欠になっているので、通信契約の見直しやスマホの買い替えが順次進むはずです」(経済ジャーナリストの磯山友幸氏)
4月7日、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大するなか、緊急事態宣言が発令された。人々にはさらなる外出自粛が要請され、日本経済は大混乱に陥っている。人間が移動することなく、経済活動を続けるにはどうすればいいか。まさに世界は100年に一度の大変革期を迎えている。当然、変化に適応できる企業だけが生き残る。
経済評論家の加谷珪一氏が言う。
「自宅でのリモートワークが爆発的に普及していますが、慌てて採用した企業も多く、今後はセキュリティの問題が生じるでしょう。大企業ではリモートワークを前提にしたシステムを新たに組むケースも増えるはずで、富士通などシステムインテグレータには追い風です」
◆自宅で昼食を食べる時代に
自宅作業となると、昼食も自宅で食べる必要がある。そんなときに、フードデリバリーサービスは心強い味方だ。
「外食産業が軒並み苦境に陥るなか、マクドナルドやカレーハウスCoCo壱番屋はテイクアウトや配達が店内飲食の落ち込みをカバーし、何とか踏ん張っています。一方、配達員が客に代わって店舗から商品を受け取って配達するウーバーイーツや出前館は好調。飲食店の食事を自宅に配達してもらうのが、コロナ・ショック以降の定番となっています」(経済ジャーナリストの長浜淳之介氏)
実際、街中でウーバーイーツの配達員を見かけることが劇的に増えた。さらに買い物もネットで済ませることが格段に増えたのではないだろうか。
「3月前半の『業種別消費指数』のうち、『EC』(電子商取引)は前年と比べて4.1%増え、それ以外はすべて前年割れという結果でした(ナウキャストとJCB調べ)。ECプラットフォームを持つアマゾンや楽天市場は好調でしょう。それぞれ生鮮食品を提供するプライムナウや楽天西友ネットスーパーを持ち、これらが人気なのも容易に想像できます」(ITジャーナリストの久原健司氏)
ネット上での買い物はほとんどがオンラインで決済される。目立たないが、こうしたテクノロジーを提供する企業は、コロナ・ショックでも評価が上がりそうだ。消費経済ジャーナリストの松崎のり子氏が注目企業を挙げる。
「GMOペイメントゲートウェイは、ネット通販などの決済サービスや店舗でのキャッシュレス決済などのインフラ提供を行っています。巣ごもり消費でネットでの買い物が増えたり、感染を避けるためにキャッシュレス化が進んだりすれば、同社には追い風になります」
◆雇用の受け皿になるか
ネットでいくら買い物をしても、最終的に自宅まで届けるのは、人だ。コロナ流行以前から人手不足が叫ばれていたが、他業種からの参入が期待されている。
「中国ではアリババの配送員が足りなくなって、閉店している飲食店の店員が代わりに配送したケースがありました。観光業が軒並みダメで、バスなどの運転手は仕事がないのですから、いまの時期だけ配送業に参入してもらえたら人手不足も解消でき、雇用も生まれ、消費者のニーズにも応えられる。三方よし、です」(物流ジャーナリストの石橋忠子氏)
前出の磯山氏も今回の経済危機では運送業に雇用の受け皿になってほしいと、ヤマト運輸に期待する。
「アメリカではアマゾンが失業者の受け皿になっています。同じように、物流のラストワンマイル(最終区間)に携わる運送業に期待しています。配送量が増え、人件費が上がり、これまでは人手不足で大変だったのが、状況が変わって人を採用できるようになった。いまのタイミングであれば、配送料が多少値上がりしても文句を言う人は少ないでしょう」
緊急事態宣言が発令されても、近所のスーパーやドラッグストアに生活必需品を買いに行くことは許されている。そのため、リアル店舗はこれまでにないほど人が溢れている。
「スーパーは16ヵ月連続で既存店の売上高が前年比マイナスだったのが、2月になってプラスに転じました。学校が一斉休校になって給食がなくなり、外出も自粛なので、自宅でご飯を作って食べる機会が増えた。巣ごもり消費のおかげです。お米やシリアル、冷凍食品などの買いだめ需要も続いています。
ライフなどの大手スーパーは、内定を取り消された学生を念頭に、追加採用をしています。これは素晴らしい試みだと思います」(前出・石橋氏)
スーパー以上に好調なのが、ドラッグストアだ。マスクやトイレットペーパー、アルコール消毒液を求めて、人が押し寄せた。石橋氏が続ける。
「大手ドラッグストアは既存店の売上高が20%増と、かつてないような伸び率を見せました。もちろん、浅草や大阪・心斎橋にあるようなインバウンド向けの店舗は売上高が激減していますが、それ以外の店では、コロナ関連の商品が入荷した先から飛ぶように売れていく。ウエルシア薬局やスギ薬局はインバウンド対応が遅れていたので、逆によかった。
中期的に見ても、ドラッグストアには追い風が吹きます。ドラッグストアに足を運ばなかった男性が、今回の騒動をきっかけに来店し、薬だけでなく日用品や食品も安く買えることを知った。緊急事態宣言が出ても閉まることはないので、好調はしばらく続くでしょう」
◆意外な企業も
スーパーやドラッグストアで消費者に大量に購入される食料品のメーカーも、突然の需要増に沸く。
「巣ごもり消費になるのでインスタント食品やレトルト食品、冷凍食品など、自宅で手軽に調理できる食品を提供する会社は好調です」(第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏)
実際、味の素の冷凍食品や日清食品のカップ麺が飛ぶように売れている。では、飲料メーカーはどうか。前出の加谷氏がこう言う。
「家族との食事が増えると、自宅での飲料の消費も多くなります。ただ、企業でばらつきがあり、キリンやアサヒは酒類中心なので、居酒屋などの店舗需要が激減して逆風ですが、一方、個人向け商品のウエイトが高いサントリーには追い風でしょう」
意外なところで、業績が回復しそうなのが、電力会社なのだという。前出の永濱氏が解説する。
「原油安、円高、低金利のトリプルメリットを享受できるからです。外出を控え、自宅にいる以上、必ず電気を使うので、使用料も伸びていきます。電力会社は大幅に業績改善するでしょう」
電力の使用増加に一役買いそうなのが、ゲームだ。学校が休校になっているために、子供たちがゲームに夢中になるのは避けられそうもない。
「任天堂のニンテンドースイッチ用のオンラインシミュレーションゲーム『あつまれ どうぶつの森』は、昨年から発売日が決まっていたものの、ベストなタイミングでの発売となりました。ただ、エクササイズゲーム『リングフィット アドベンチャー』は在宅で楽しく運動ができるのですが、専用コントローラーの生産が追いつかず、品薄に拍車がかかってしまった。せっかくの追い風に乗り切れていない印象も受けます」(ゲームアナリストの平林久和氏)
新たな危機を乗り越えるために、働く人たちの知恵が試されている
妊娠したら彼氏の母親に「引きずってでも中絶手術させる」と脅され、恐怖の出産
交際相手との間の子どもを妊娠したところ、相手の母親が出てきて、「中絶するしかないでしょ」「引きずってでも病院に連れて行って中絶手術を受けさせる」などと脅された女性から、犯罪ではないのかと弁護士ドットコムに相談が寄せられた。
1/26/2020
相談者の女性はこの母親から出産を反対される中、ずっと恐怖に怯えながらも無事出産に至ったそうだ。
「中絶しかないでしょ」などの発言で中絶を迫ることは犯罪ではないのか。長瀬佑志弁護士に聞いた。
●強要罪に該当する可能性
「中絶をする意思がない女性に対して中絶を迫ることは、強要罪に該当する可能性があります(刑法223条)。強要罪は、生命、身体、自由等に対して害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせた場合に成立します(刑法223条1項)。
無理矢理にでも中絶させるかのような発言を繰り返すことは、生命や身体等に対する害悪の告知をして、法的義務がないにもかかわらず中絶させるよう仕向ける行為であり、強要罪の構成要件に該当しうるといえます。
なお、『脅迫』として告知される害悪の内容は、相手方の性質(性別、年齡など)及び周囲の状況から判断して、一般に人を畏怖させるに足りる程度のものであることを要します。
具体的な状況にもよりますが、今回のケースでは、相手方の発言内容や、相談者の女性がずっと恐怖に怯えていたということからすれば、『脅迫』にあたる可能性はあります。
ただ今回、相談者の女性は、無事に出産に至ったとのことですから、強要未遂に留まるといえます(刑法223条3項)。
なお、強要罪に該当しないとしても、相手方の言動を捉えて、脅迫罪に該当すると判断される可能性もあります(刑法222条)」
【取材協力弁護士】
長瀬 佑志(ながせ・ゆうし)弁護士
弁護士法人「長瀬総合法律事務所」代表社員弁護士(茨城県弁護士会所属)。多数の企業の顧問に就任し、会社法関係、法人設立、労働問題、債権回収等、企業法務案件を担当するほか、交通事故、離婚問題等の個人法務を扱っている。著書『若手弁護士のための初動対応の実務』(単著)、『若手弁護士のための民事弁護 初動対応の実務』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が書いた契約実務ハンドブック』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が実践している ビジネス契約書の読み方・書き方・直し方』(共著)、『弁護士経営ノート 法律事務所のための報酬獲得力の強化書』(共著)ほか
事務所名:弁護士法人長瀬総合法律事務所水戸支所
事務所URL:https://nagasesogo.com
弁護士ドットコムニュース編集部