オンラインデート”に集うおじさんの生態。底辺グラドルが潜入調査
緊急事態宣言は一体いつまで続くのか。一人ひとりが“外出自粛”の意識を強く持つよう、政府や自治体から繰り返されているが、いま外を出歩くことは難しい状況である。

そんななか、異性と恋愛・デートがしたいというニーズもある。アラサーで独身の筆者もそのひとりだが、デートクラブも世の中に合わせてオンライン化しているらしい。果たして、そこに集う人たちの生態とは……? 今回は底辺グラドル兼ライターの筆者がその世界を潜入取材してみた。
終日テレワーク、家族の隙を見て“オンラインデート”を利用する男性
久しぶりにバッチリと化粧した筆者・吉沢さりぃ
以前は毎晩飲み歩いてきた筆者だが、当然それは不可能になった。家に引きこもっているわけだが、すっかりゲームやYouTubeも飽きてしまっている。
デートがしたいなぁと考えている最中に高級交際クラブの「ユニバース倶楽部」を発見。しかし外出自粛が叫ばれるなか、5月20日まで休業を決めたとか……そんななか、ZoomやLINEのビデオ通話を使って異性とデートができる“オンLINEデート”を打ち出したのである。
デート時間は1回30分、女性は謝礼として5000円がもらえるそうだ(※男性は1万5000円~5万5000円)。これは気になる……。そんなワケで、合計3人の男性とオンラインで会ってみた。
ここのところ外に出る機会がなかったので、久しぶりに化粧をした。Zoomの画面をのぞくと、優しそうなおじさんが目の前に現れた。1人目は鈴木豊さん(48歳・仮名)。自宅だからかラフな服装である。
「はじめまして~鈴木と申します」 「さりぃです。今日はよろしくお願いいたします!」
お互いに簡単な自己紹介を済ませる。筆者が普段はグラドルでもあることを伝えると、少し驚いた様子だった。ちなみに土曜の朝9時スタートと指定されたが、その背景にはテレワークならではの事情があるらしい。 「会社の決まりで平日は全く外に出れないので……“家族”が出払うこのタイミングしか出来ないんですよ」
鈴木さんは家族がいるのにデートクラブを利用しているらしい。鈴木さんは物腰が柔らかく、紳士的な話し方。本当にこの人がパパ活を……? 「2011年頃から出会い喫茶に通っていましたが、今はコロナの影響で全く行けてません。ユニバース倶楽部は男女共に審査があるので総じてレベルが高いのですが、コスパが良い。ほかのデートクラブでは通常の顔合わせのオファーだけで数万円かかることもあり、それに加えてお茶や食事代。
一方、オンラインデートだと通常の半額のオファー代のみ。気軽に美女と会えるので……この自粛期間を有益に活用して、良い相手と巡り会いたいですね」 なんと、“パパ活”歴はかれこれ10年になるそうだ。そんな出会いの猛者である鈴木さん。よっぽどお金持ちなのかな……。
基本15人の女のコを囲い込むプレイボーイ
やっぱりライターのサガなのか、筆者は利用者たちのパパ活事情に興味がそそられる。2人目のお相手は芝祐介さん(52歳・仮名)。芝さんは年齢の割に若々しく、いかにもプレイボーイ感が満載だった。芝さんが開口一番に言う。 「どうも~! いままで何人と出会ったことありますか?」
いきなりこの質問には度肝を抜かれた。筆者は何回か取材でデートクラブを利用したことはあるが、プライベートでは全くないので言葉に詰まってしまった。彼のパパ活歴は3年、現在関係が続いてる女のコは10人以上で“芝ガールズ”と呼んでいるそうだ。
「基本は15人ぐらい欲しいから月に何人か新規の子に会っているんだけど、今は外に出れないでしょ。だから、自粛期間があけたら新しく会える子を探しているんだ」 芝さんはあくまでオンラインは入り口として捉えているが、実際に会ってデートするオファーをしても断られることが多いという。 「やっぱり実家の子とか彼氏と同棲してる子は厳しいよね。なかには『(男性会員からの心付けとして支払われる)5000円は安くて無理』って子もいる。ただ、僕としてはあくまで昼職をちゃんとやっていて、パパ活はプラスアルファのお小遣い程度に考えている子が好きですね」
今回はLINEのビデオ通話を使用したが、個人的にはZoomよりも良かったと思う。
その理由は、画面が明るく顔が盛れた……ような気がする。また、仲介者である「ユニバース倶楽部」のスタッフを交えたグループLINEから通話ボタンを押すだけなので、Zoomを起動させるよりもひと手間省けるからラクだ。
外出自粛が解けた後に会える相手を探していた
最後に「パパ活初心者です」と照れ笑いする清野正孝さん(39歳・仮名)。某有名スポーツ選手に似ていた。 「オンラインデートは初めてなんです。スタッフさんから『決まるまで誰とは言えないけど普段出会えない方と出会えますよ』って言われて。楽しみにしていました」
何だか気恥ずかしくなってしまった。普通にモテそうな感じがしなくもないが、なぜ、そんな彼がパパ活を始めたのだろうか。 「ずっと海外勤務だったのですが、久々に帰国したら友人に『パパ活したことないの?』って言われて。パパ活が何のことかわからず、お恥ずかしい話ですがハムカツとか串カツとか、新種のカツだと思っていたぐらいです」
そこでパパ活がどんなものか検索してみたところ興味がわき、「ユニバース倶楽部」の入会に至ったそうだ。 「登録したのは今年3月の終わりで自粛ムードが強まった頃です。この状況なので、オンラインデートはとてもありがたいですね。外出ができるようになったら実際に会える子を探そうと思って……」
じつは、会社では「そこそこの立場にある」という清野さん。 「いまは普通に外を遊び歩くことはできないので……。部下はテレワークでも僕は出社しなければいけない日があります。その空き時間にオンラインデートをしようと思って。同じような人は多いんじゃないかな?」
さて、男性側はメリットを感じているようだが、女性側としてはお手当が5000円という部分を見ると、安いと思う人もいるかもしれない。筆者がこれまでパパ活市場を取材してきた経験上、お茶やご飯をご馳走になったうえ、平均1万円程度のお車代がもらえるからだ。
個人的には30分で5000円、6回オファーがあれば3万円が手に入ることを考えれば、悪くはないと思う。
今回、筆者は取材を兼ねていたが基本的にオンラインデートは、その後“実際に会うこと”を想定したうえでの会話となる。30分とはいえ、事前のプロフィールや顔写真ではわからなかったお互いの雰囲気や性格を知ることができるので、実際に会うか会わないかの判断が可能。無駄がなく、効率的ではある。
新型コロナウイルスの影響は多くの人たちを巻き込み、終わりが見えない状況だが、安心して外でデートができる日が再び来ることを願う