体操元日本代表・田中理恵さんインタビュー「性的画像、現役時代の記憶と取材攻勢
12・21・2020
「当時の思いをお話しします」
体操元日本代表の田中理恵さんが、胸に秘めていた思いを明かした。
2010年の世界体操選手権で、最も美しい演技をした選手に贈られる「ロンジン・エレガンス賞」を日本人女子として初受賞。
2012年には、兄・和仁選手、弟・佑典選手の3きょうだいでロンドン・オリンピックにも出場し、一躍、時の人となった。
明るく、いつも笑顔。世間が持つ“田中理恵”の印象はきっとそうだろう。しかし、その笑顔の裏には悩みもあった。
引退から7年。現役時代の苦悩や日本オリンピック委員会(JOC)が問題視する“性的画像”についても口を開いた。撮られる側はどんな心境だったのか――。
世代の女性アスリートへ伝えたいメッセージとは。
「脚を開いた瞬間に聞こえる音があるんです」
――まず初めに。最近、女子選手の性的画像がインターネットで拡散される問題がニュースで取り上げられています。この問題への感想は?
いろいろと思うことはあります。体操の衣装はレオタードなので、標的になりやすいです。私は2010年くらいから注目されるようになり、試合に出たときに嫌な思いをたくさんしました。例えば、段違い平行棒の演技で脚を開いた瞬間に聞こえる音があるんです。
――その音とは?【注1】
脚が開いたときにカメラのシャッター音がカシャっと鳴るんです。体が柔らかいことを表現する演技ですから脚を開きます。その瞬間に必ず音が鳴っていました。本当は一番きれいな倒立をした姿を撮ってもらったらいいのに……。
――演技中でもカメラの音は聞こえている?
完璧に聞こえます。応援してくれる声も聞こえますが、カメラの音も聞こえているんです。当時は美人アスリートと書かれたりもしましたが、試合中の写真が雑誌の“袋とじ”になったこともありました。突然、友達から「理恵ちゃん、(雑誌に)出ていたよ」って見たら「袋とじじゃん!」っていうオチでした。
私は男兄弟に挟まれて育ったせいか、性格がサバサバしているので、「もう最悪」っていう感情で、そこまで気にしませんでした。でも、傷つく選手は必ずいます。体操はもう嫌だ、レオタードになるのも嫌と思う選手がいると考えると、拡散は防がないといけない。一生懸命、目標に向かっている中で、そういうことをされると悲しい気持ちになります。
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