>ルフィを名乗る指示役がフィリピンから強制送還され逮捕されたことで、一連の事件も解決したかに思われる。しかし「本当の黒幕」はまだ野放しである可能性が非常に高い。
90歳の高齢者を拘束して、顔を何度も殴りつけた…ルフィ一味が犯した「残虐すぎる強盗」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
90歳の高齢者を拘束して、顔を何度も殴りつけた…ルフィ一味が犯した「残虐すぎる強盗」
2/11(土) 7:02配信
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計画的に自宅に押し入り、脅し、暴力を振るい、金品どころか命まで奪う。あまりに卑劣で粗暴な犯罪だ。
「指示役」が逮捕されたとしても、事件は終わらない。高笑いしている親玉がどこかにいるからだ。 【写真】閲覧注意…『進撃の巨人』の元ネタになったとも言われる衝撃事件
顔を素手で何度も殴る
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日本で起きたとは到底思えない残虐な強盗殺人事件が日本中を震撼させた。さらに、その首謀者が人気漫画『ワンピース』の主人公「ルフィ」を名乗り、フィリピンの収容所から実行犯に指示を出していたことが判明し、波紋が広がり続けている。
1月19日午前11時すぎ、東京都狛江市の一軒家に住む大塩衣与さん(90歳)が外出から帰宅すると、インターフォンが鳴り、男性が宅配業者を名乗った。衣与さんがドアを開けると、複数の男性が侵入。ルフィグループのメンバーたちだった。
「衣与さんは両手を結束バンドで拘束され、顔や全身を素手で何度も殴られながら、自宅内を案内させられていたと思われます。彼らは1時間弱ほど滞在し、高級腕時計3本や指輪など約60万円相当を強奪して逃走しました。
午後5時すぎ、衣与さんは遺体で発見されました。死因は多発外傷です。顔から出血し、左肘は開放骨折(骨が体外に飛び出た状態)、左腕も皮膚が剥がれるほどの外傷を負っていました」(全国紙社会部記者)
衣与さんは息子夫婦、孫2人と同居していたが、平日昼間ということもあり、自宅には一人きりだった。ルフィグループはそれを見越したうえで犯行に及んだのだろう。
狙いは高齢者
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'22年11月から今年1月にかけて、全国各地でルフィグループの犯行と思われる強盗事件が相次いでいる。たとえば、1月12日には埼玉県さいたま市の住宅に男性3人組が押し入り、80代女性を脅し、現金12万円などを強奪。1月14日には茨城県龍ケ崎市にある75歳男性と74歳妻が住む一軒家、同日に同県つくば市にある71歳男性の一軒家が被害に遭っている。
在宅していても、拘束しやすい70歳以上が明らかに狙われているのだ。
グループのなかで、ルフィを名乗る指示役は複数おり、ボス格の渡辺優樹容疑者(38歳)や今村磨人容疑者(38歳)ら、4人が主要メンバーであることが明らかになっている。
彼らは'18年11月~'20年6月にかけて、フィリピンを拠点に「オレオレ詐欺」(特殊詐欺)に関与していた。被害総額は60億円以上に上るとみられる。
「彼らが特殊詐欺を行っていた拠点が'19年11月に摘発され、電話を掛ける『掛け子』役の日本人36人が強制送還されましたが、4人は逃亡。その後、全員が拘束されて、外国人容疑者を収容する施設に入りました。
フィリピンの収容所は職員に賄賂を渡せば、プリペイド式のスマホが手に入ります。それを使って、渡辺らは日本にいるメンバーに連続強盗を指示していたわけです」(同前) 実行役はすぐに見つかる。ツイッターなどのSNSを使って、『稼げる”闇バイト”がある』と募集すれば、カネがほしい若者からメッセージが届く。警視庁関係者が言う。
「ただし、ネットで集められた彼らは暴力に慣れていない。そのため、力加減が分からず、高揚感からパニックにもなりやすい。指示役も現地にいないので、歯止めも利かない。強盗致死罪になると捜査当局の本気度はまるで違いますし、量刑も無期懲役を免れない。狛江市の事件は、実行役が素人の証拠です」
ルフィを名乗る指示役がフィリピンから強制送還され逮捕されたことで、一連の事件も解決したかに思われる。しかし「本当の黒幕」はまだ野放しである可能性が非常に高い。
この事件の裏側については、【後編】『ルフィ強盗の「本当の黒幕」の正体…高齢者を狙った「凶悪強盗」はまだまだ続く』で詳しく説明する。
「週刊現代」2023年2月11・18日合併号より
週刊現代(講談社)