【調査報道】強盗の実行犯募集に潜入取材「バックにはもっと大きな組織」「事件は終わらない」勧誘役直撃で明らかになった実態
2/1(水) 16:59配信
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>記者 「3人組と○○さんは関係ない?」
叩き(強盗)のリクルーター 「いや全然関係ありますよ。だってあのグループ動かしているの僕らですから。関東で起こってる叩き(強盗)のほとんどの人間(実行役)は僕が入れてるんで」
男は「実行役を集めているのは自分」だと自慢げに語った。すると、この通話を終えた直後・・・狛江市の強盗殺人事件が発覚したのです。
>叩き(強盗)のリクルーター 「収監されている4人が捕まったところで、また新たな実行犯が生まれてくるんですよ。なんでかって?バックにはもっと大きい組織がいるはずなんで。指定暴力団、半グレって連中ですね。だからなくならないと思いますよ、なくなる訳がないんです
社会を震撼させる連続強盗事件。これまでに30人以上の実行犯が逮捕されているが、その多くが、闇サイトを通じて集められたことがわかっている。
【写真を見る】【調査報道】強盗の実行犯募集に潜入取材「バックにはもっと大きな組織」「事件は終わらない」勧誘役直撃で明らかになった実態 TBS調査報道ユニットは、闇サイトで実行犯を募集するリクルーターに潜入取材。見えてきたのは、言葉巧みに犯罪に引き込む勧誘の実態と背後に潜む犯罪組織の影だった
■闇バイト“リクルーター”を直撃
「関東の叩きは僕が…」 1月中旬、私たちは「闇バイト」を集めているあるサイトにたどり着きました。そこには… 『即日50万 関東 叩き』
「叩き」とは、強盗を意味する隠語。 連絡先として、秘匿性が高い通信アプリ「テレグラム」のIDが記されていました。
記者 「じゃあかけます」 1月19日、テレグラムの「通話」がつながりました。
「リクルーターの○○と申します」 通話相手は「リクルーター」と名乗り、仕事の「役割」と「報酬」の説明を始めました。
叩き(強盗)のリクルーター 「叩き(強盗)に関しては、報酬は大体50~100万円です。それぞれ役割分担があって、見張る役とか物を運び出す役とか。きれいに段取り立てて、うちはやっているので基本的に失敗することはないです。一応、面接票みたいなの書いてもらうんですよ。覚悟がある奴はパパッと送ってくるんで」 これは、男から実際に送られてきた「面接票」。
住所や氏名に加え、「実家の住所」や「両親の連絡先」まで記載するよう求められました。 一連の事件でも、逮捕された容疑者の一人は「犯行グループに実家の住所を知られたことで、抜けられなくなった」と供述しています。 私たちは男に連続強盗への関与を尋ねました。
記者 「叩き(強盗)が関東で10件ぐらい3人組で起こっているが、捕まっていないですよね」
叩き(強盗)のリクルーター 「3人がすごく優秀っていうのもあります、正直」
記者 「3人組と○○さんは関係ない?」
叩き(強盗)のリクルーター 「いや全然関係ありますよ。だってあのグループ動かしているの僕らですから。関東で起こってる叩き(強盗)のほとんどの人間(実行役)は僕が入れてるんで」
男は「実行役を集めているのは自分」だと自慢げに語った。すると、この通話を終えた直後・・・狛江市の強盗殺人事件が発覚したのです。
■リクルーターが語る
狛江市強盗殺人事件“犯行の状況” news23(1月19日放送) 「東京・狛江市の住宅で90歳の女性の遺体が見つかりました」 私たちは男にすぐさま連絡を入れました。
記者 「『強盗殺人』のニュースが流れてて、都内で」
叩き(強盗)のリクルーター 「強盗殺人…」
記者 「狛江って書いてある」
叩き(強盗)のリクルーター 「いや、強盗殺人はウチじゃないんじゃないかな。誰かを殺したとかはないですよ、ウチは」
男は狛江市の事件については“知らない”と話しました。しかし、その3時間後、今度は男から連絡が…
叩き(強盗)のリクルーター 「ごめんね、こんな夜中に電話しちゃって。『ニュース見たんですけど』ってあったでしょ。これ調べたんだよね、大元が一緒なのよ。要は情報屋も一緒だし、俺らに『人を入れてくれ』って言ってくるチームも同じだった」
男は、狛江市の事件は「自分の知る組織が関わっていた」と話し、“聞いた話”として「犯行の状況」をこう説明しました。
叩き(強盗)のリクルーター 「4人で行ったらしいわ。俺はたまたま人を入れてなかったの、昨日の(狛江の)叩きに関しては」
記者 「何で殺した?」
叩き(強盗)のリクルーター 「多分、やかましかったんじゃない」
その後の警視庁の捜査では、現場の家に「4種類の土足痕が残っていた」ことがわかっています。 殺人事件にまで発展し、なぜ平然としていられるのか。男は「自分はフィリピンにいるから安全」そう話しました。
叩き(強盗)のリクルーター 「俺は海外に住んでいるからさ、拠点が海外だからね。家借りるのも免許取るのも、全部偽造のID使ってる。しかも、たとえフィリピンで警察が来たとしても、お金払えば釈放されるから、金払えば何でもOKな国だから、買収、買収」
この通話からおよそ1週間後。連続強盗の指示役として、フィリピンの入管施設にいる特殊詐欺グループ4人が関与している可能性が浮上しました。 私たちはリクルーターの男にTBSの記者であることを伝え、改めて話を聞くことにしました。
叩き(強盗)のリクルーター 「結構、連中は名前出ているみたいだね。ニュース見て『ああ、こいつ出てんのか』みたいな。会ったこともあるし、何度か一緒に飯も食ったことあるからね、連中と」
記者 「ルフィですか?」
叩き(強盗)のリクルーター 「ルフィとか、キムとか、ハチミツとか」
記者 「実は、私はTBSの記者なんですが」
叩き(強盗)のリクルーター 「それなら最初から言ってくれれば」
記者 「今回のことで警察に出頭する考えは?」
叩き(強盗)のリクルーター 「全然していないです。愚問だと思いますよ、その質問。悪いことしてる連中に聞くのって」
そしてリクルーターの男は、例え4人が日本の当局に引き渡されても「事件が終わることはない」と話しました。
叩き(強盗)のリクルーター 「収監されている4人が捕まったところで、また新たな実行犯が生まれてくるんですよ。なんでかって?バックにはもっと大きい組織がいるはずなんで。指定暴力団、半グレって連中ですね。だからなくならないと思いますよ、なくなる訳がないんです」
■「また新たな実行犯が生まれてくる…」実際に取材をした記者に話を聞く
山本恵里伽キャスター: 実際に取材をした調査報道ユニットの塩田記者に話を聞きます。本当に衝撃的なやり取りの連続でしたけれども、実際にやり取りしてどうでしたか?
調査報道ユニット
塩田アダム記者: まず、なぜこれだけ多くの若者がこんなにも凶悪な犯罪にリクルートされていくのか、取材を進めると、このリクルーターがとても軽い口調で、あたかも強盗が大したことではないかのように勧誘していくことが印象的でした。 実際に実行犯を集めることで報酬を受け取る彼らですから、どんな手を使ってでも犯罪に引き込もうとしてくるわけです。
しかし、彼らがやらせようとしていることっていうのは、人の家に押し入って財産を盗み取る、場合によっては人の命まで奪い取ってしまうという非常に卑劣で許せない行為です。 男が具体的にどの事件に、どの程度関わったかまではわからないですが、男は実際にサイトを通じて実行犯の募集をしていて、私と繋がったわけです。 連日報道が続くこの最中でもで、いまだに実行犯の募集を続けていると語りました。事件はまだまだ続く可能性があります。
いかはリンクで、