親子・夫婦関係をズタズタに切り裂く」中学受験で絶対やってはいけない! "最悪のラストスパート"
12/12(月) 11:16配信2022
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※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Hakase_
中学受験の本番まであと1、2カ月。ラストスパートで頑張るのは子供だけではない。サポートする親も大変だ。だが、教育ジャーナリストの中曽根陽子さんは「親の焦りや力みが子供のやる気を奪ってしまうこともある。また親子間、夫婦間の関係が悪化して家族がその後ギクシャクしてしまうケースもある」という――。
【この記事の画像を見る】 ■受験をきっかけに親子関係が悪化するケースも 首都圏の中学受験者数は、8年連続で増加傾向が続いており23年度入学の試験も史上最高の受験者数になるのは間違いないといわれています。受験生にとっては例年以上に厳しい受験になりそうですが、最後に笑うか泣くか、合否を分けるのは何でしょうか。
私はこれまで中学受験に関する書籍執筆のため、多くの受験生の子とその親を取材しました。私自身も、2人の子供が中学受験をしており、中学受験という世界に足を踏み入れて翻弄(ほんろう)される当事者の気持ちがよく分かります。学校の授業より難易度の高い勉強に取り組む子供はもちろん大変ですが、子に伴走する親も偏差値という数字と向き合い、子供がレースを完走できるよう環境を整える役割は責任重大です。
目標に向かって努力する経験は、子供にも親にもまたとない成長のチャンスにもなります。
しかし中には、受験をきっかけに親子関係が険悪化し、その後、ギクシャクが長く尾を引く例もありました。子供のために善かれと思って始めた受験で、結果的に子供の自己肯定感が下がったり、親子関係が悪くなったりするのは残念なことです。
そこで、「幸せな受験」になるよう、受験世帯向けに応援記事を書いたり、模試会場で保護者向けに講演を行ったり、ポジティブ心理学をベースにしたコーチングセッションを開くようになりました。
■ポジティブ心理学で中学受験の悩みも解決
保護者向けの講演などでよく聞く、受験に関する悩みは以下の3つです。
1.子供のやる気がない
2.思ったように成績が伸びない
3.塾に行くのを嫌がる
圧倒的に多いのは、1の子供のやる気が出ない問題です。ある母親は「小5の時に娘がやりたいというから、塾に通い受験をすることにしたのに、勉強しなくて困っています」とこぼしました。娘の希望を叶えるべく応援しているが、「このままでは間に合わない」と焦っている様子でした。親が焦って力んでいるのに、当の本人は危機感を持っていない。そのギャップにイライラして小言を言ってしまい、娘との関係が悪くなっているとのことでした。
こうした子供のやる気に悩む親のほとんどは、実は、わが子の立場になって、その理由を考えてみたことがないケースが多いです。
聞けばこのケースでは、娘が塾通いを始めたのは小5の途中。多くの子は小3年の2月ごろ(もしくは小4春)からなのでやや遅い。おまけに塾の勉強の難易度が高まるのが小5から。そのため、特に算数の授業についていくのが大変で成績が上がらない。母親が叱咤(しった)すればするほどやる気がなくなるという悪循環が起きていたのです。
私は、
「できるところから少しずつ積み上げていってはどうか」とアドバイスしました。
実は、国語と社会は好きで塾のテストでも高得点をあげていました。まずそこにフォーカスして、娘に自信をつくよう働きかけることを勧めました。
すると、得意な科目について母親から褒められるようになって娘も自信を取り戻し、苦手な算数については塾の先生に相談して、基本問題を中心に取り組むことにしたところ、少しずつ成績も上がっていったそうです。
私のアドバイスはポジティブ心理学のエビデンスに則ったものでした。
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