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個人情報を渡すな!」訪問営業や不審電話に注意 関東の「闇バイト」連続強盗事件 犯行グループは”闇名簿”でターゲット絞る? 【元捜査一課刑事が解説】

2024年11月02日 10時03分18秒 | 事件と事故


「個人情報を渡すな!」訪問営業や不審電話に注意 関東の「闇バイト」連続強盗事件 犯行グループは”闇名簿”でターゲット絞る? 【元捜査一課刑事が解説】
10/21(月) 19:05配信




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ABCニュース


 関東で相次ぐ強盗事件。実行役が次々と逮捕されていますが、犯行グループはどのように狙いを定めているのでしょうか。元埼玉県警捜査1課・佐々木成三氏が解説します。


 関東では、強盗事件が8月末から少なくとも14件発生しています。最近ですと、16日、横浜市であった強盗事件で、宝田真月容疑者(22)が逮捕・送検されました。


 宝田容疑者は後藤寛治さん(75)の自宅に侵入して殺害し現金約20万円、そして50万円相当のネックレスを奪った疑いが持たれています。宝田容疑者は、「税金の滞納が数十万円あったため、短期間で稼げるアルバイトを探すことにした」「個人情報を指示役に知られていたことから、仕返しや家族にも危害が加えられるかもと考えると断れなかった」と供述をしています。


関東では、8月末から少なくとも強盗事件が14件発生


(Q.これまでに30人以上が逮捕されているにもかかわらず、なぜ次から次に犯行に手を染めてしまうのか?)
佐々木氏:あらゆるメディアが「闇バイトは危険だ」と伝えている。これは成果があると思います。実際、SNS上では「闇バイト」というワードを使わず、「ホワイト案件」「高額報酬」といった言葉を巧みに使い、犯罪ではないように装っています。こうして集めた若者を現場に行かせ、そこでいきなり強盗をやらせ、現場から抜けさせないようにしているのが今のグループの特徴です。


 こうした状況に、警察庁も公式Xで下記のような呼びかけを行っています。
「自分自身や家族への脅迫が理由であっても強盗は凶悪な犯罪です。犯罪に関わってはいけません。勇気を持って抜け出し、すぐに警察に相談してください。警察は相談を受けたあなたやあなたの家族を確実に保護します。安心して、そして勇気を持って、今すぐ引き返してください」


佐々木氏:「闇バイト」を抜けることに関して、指示役はこの闇バイトを手伝った人物の身分証や家族の写真など、いろんなものを持っているということが明らかになってます。その中で「闇バイト」を抜けると言った人物に対して、「家族を襲うぞ」といった脅しがあり、抜けられない若者がいるということだと思います。

(Q.事件では被害者に危害を加えているが、その判断をしたのは、それぞれの実行役or指示役?)
佐々木氏:指示役の判断だと思います。泥棒(窃盗)目的での侵入ではなく、強盗。住人に暴行を加える目的で凶器・テープなどを持っていて、住人をテープで縛ることを計画した上で侵入しているのは明らかです。


(Q.そうなると、強盗致傷や強盗殺人といった重い罪になる。つまり、実行役は指示役にとって使い捨ての存在なのか?)
佐々木氏:その通りで、実行犯は「究極の使い捨て」で、捕まろうが関係ないと。闇バイトに加担している人たちは、ぜひ気づいてもらいたいと思います。


(Q.「闇バイト」をどうしても抜けたいときの相談窓口は?)
佐々木氏:警察庁は「#9110」という、各都道府県警にある相談窓口に電話をくださいと伝えてます。闇バイトを抜ける、出頭するといった相談があれば、すぐに対応してもらえるので、罪を重ねる前にぜひ電話してほしいと思います。


犯行グループは”闇名簿”で狙い?
”闇名簿”の実態は?


 では犯行グループは、どのようにターゲットを絞り込んでいるのでしょうか。そこには”闇名簿”が存在しているということです。


 ”闇の名簿屋”という存在がいるそうなんですが、ここに会社などから名簿を持ち出して売られたり、個人情報が流出するなど、その情報が集まってきます。”闇名簿”には、名前・住所・電話番号・職業・家族構成、さらには資産などの情報が記載されているということです。それが犯罪グループにわたっているとされています。


(Q. 横浜市の事件現場周辺では、約1ヵ月前から「不用品も買い取りたい」「下水道を確認したい」など、不審な訪問・電話が17件確認されました。こうした不審な訪問は、”闇名簿”に情報を加えるため?)
佐々木氏:もちろん全ての訪問営業が「闇バイト」に関わるものではないと思いますが、ここに”闇名簿”を作るための犯罪者が紛れ込んでいるというのは、間違いないと思います。ただ、この”闇名簿”を作るために、訪問だけではなくて電話も使って、元々ある情報からアップデートしているというのがこの犯罪組織の特徴です。


”闇名簿”の質にはバラツキも
 千葉県白井市で現金約20万円と車が盗まれた被害があった事件がありました。捜査関係者によると、男が「1000万円あるだろう。2000万円あるだろう」と脅していたということです。つまり、”闇名簿”にはこれぐらいの資産があると書かれていた可能性があります。


 その一方で、千葉県市川市で携帯電話やクレジットカード、車などが盗まれる被害に遭った事件がありました。この事件は50歳の女性が連れ去られ、50キロ以上離れたホテルに監禁されました。その後、女性は保護されましたが、なぜ連れ去られたのでしょうか。


佐々木氏:埼玉県所沢市で発生した事件では、クレジットカードが盗まれています。その際、被害者からカードの暗証番号を聞きだしましたが、その番号では使えませんでした。おそらく、被害者はうその番号を伝えたんだと思います。そうした背景もあって、市川市の事件ではキャッシュカードを盗み出したときに、暗証番号をその場で聞くのではなく、被害者を連れ出して、お金を引き下ろすときに脅して、番号を聞き出す目的があったと思います。


元埼玉県警捜査1課・佐々木成三氏


(Q. ひとりひとりができる対策は?)
 こういった事件は関東だけではなく、全国各地で起きてもおかしくないと思います。対策として、まず”闇名簿”業者に情報を与えないことです。いろんな不審な電話で個人情報を伝えない。そして、ひとりひとりが防犯意識を持って、防犯カメラや開閉センサー、補助錠などを自宅に取り付けていただきたいなと感じています。


(『newsおかえり』2024年10月21日放送分より)






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