2022.09.21
離婚したい「別居妻」に“毎月12万円の生活費”を支払い続けた「39歳元サラリーマン夫」のヤバい悲劇
ある日突然、妻が子どもを連れて「家出」した…
<略>
離婚しなければ共同親権のまま。しかし、夫は子どもだけでなく妻の生活費も払わなければなりません。一方で、離婚をすれば生活費は不要ですが、親権を失うというジレンマに悩まされる人は多いです。
今回紹介する鈴木幹也さん(仮名)も、そんな一人です。コロナ禍で仕事を失い、メンタルも患って体調を崩していた中、ある日突然、妻が子どもを連れて実家に帰ってしまったのです。
妻からは「さようなら」とLINEが届きましたが、いったいなぜそんなことになっているのか見当もつかず、頭を抱えて、筆者のもとへ相談にやってきたのです。
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裁判所から届いた「封筒」
その後、幹也さんのもとには裁判所から呼び出しの手紙が届いたそうです。封筒を開封すると、妻が離婚の調停を家庭裁判所へ申し立てたことが書かれていました。
裁判所への申し立てから手紙の発送までは数日かかります。「このタイミングで届いたのは、奥さんが別居後ではなく同居中に申し立てを行ったのかもしれません」と筆者は補足しました。
裁判所から呼び出しが…
同居から別居へ、既婚者から未婚者へ、親権者から非親権者へ――。
「離婚」という二文字によって世界が一変することに幹也さんの頭はついていけず、「悪い夢でも見ているのではないか」と目が回るばかりでした。何事も初動が大事ですが、さすがのショックの大きさに、幹也さんは何も動けませんでした。
警察署に「子どもが連れ去られたんです」と通報したり、小学校に「どこに転校したんですか」と確認したり、弁護士に「子どもを連れ戻してください」と依頼したり……打つ手は多々あったのですが、「とにかく大事にしたくなかったんです。妻と子が戻ってきやすいよう、なるべく穏便に済ませたかったので…」と幹也さんは振り返ります。
生活費、差し押さえ、住宅ローン…
結局、幹也さんはほとんど何の準備をすることもなく裁判所へ出頭。裁判所では、調停委員と話をしても、細かい内容は耳に入らず、とにかく「別れたくないんです」の一点張りだったそう。
そして、「何かの間違いだと思うんです。妻は悪い人に騙されているに違いない。少し頭が冷やしたら戻ってくるはずです」と必死に訴えたのです。
別居中の生活費のことを「婚姻費用(=婚費)」といいます。
幹也さんのケースではかろうじて離婚の成立は免れているものの、「籍を入れ続けるならば奥さん、お子さんを支えなければなりませんよ」という調停委員の一言により、幹也さんは毎月12万円の生活費を妻の口座に振り込むことを約束させられ、そして約束は裁判所で書面化されたのです。
「約束を破った場合、奥さんは幹也さんの財産を差し押さえ、未払い分を回収できるんですよ」と筆者は解説しました。
「もし生活費を渡さなかったら、彼女は僕に愛想をつかすでしょう。渡していれば、いずれ帰ってくる。そのときはそう信じていました」と幹也さんは当時の心境を吐露しますが、妻子が戻ってくる場所を残すため、自宅の住宅ローンとして毎月8万円も返済し続けました。
もう息子には会えないのか…
一方、幹也さんの収入は休職中、傷病手当金として毎月28万円だけ。結局、幹也さんが職場へ復帰することは叶わずに退職。アルバイトを始めたのですが、手当ての支給は停止され、バイト代は3ヵ所を掛け持ちしても毎月わずか13万円。そのため、毎月10万円以上の赤字に転落しました。
赤字は新卒で就職した会社の退職金で補填していたのですが、間もなく底をつき、どうしようもなくなっていました。
「生活費を送っても、息子には一度も会えやしない…これじゃ無駄金じゃないですか」と幹也さんが嘆きますが、妻子が家出をしてから2年間。幹也さんは何十回も会わせて欲しいと頼んだそうです
しかし、妻は知らんぷりの連続。例えば、「今月はいろいろと忙しいから無理よ。コロナをうつされるのが怖いわ。優は会いたくないって言っているの」などなど…。挙句の果てには「ストーカーって警察に通報するわよ。しつこくされるとパニック障害になるわ!!」と激怒することもあったそうです。
結局、幹也さんは息子さんの顔を見ることも、手をつなぐことも、言葉を交わすことも叶わなかったのです。
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