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社員の幸せ、職場の幸せを基準に経営を、社風を変えたいと本気で思っている社長さん・人事担当者の方へのエールをあなたへ!

浅草田んぼと生き物の共生

2022-07-05 20:19:55 | 地域貢献

こんにちは。有限会社人事・労務の森脇です。

今回は、弊社併設の903シティファーム推進協議会が台東区・浅草で行なっている「よみがえれ!浅草田圃プロジェクト」から田んぼと、その田んぼに住む生き物たちとの関わりについてご紹介したいと思います。

 

皆さんの中で、お米がどのように育ち、どんな環境の中で生まれてきているのかをご存知の方はどのくらいいるでしょうか?



ここで一つ問題です。

Q.トンボの生息地は川、沼、池、田んぼなど多くありますが、日本全国で田んぼから生まれる赤とんぼの割合は、全体の何パーセントでしょうか?



なんと、99%もの赤トンボたちが、田んぼで生まれます。

田んぼには、稲作という役割だけではなく、治水や地下水涵養、気候調節、生物多様性の維持といった、農業・農村が持つ多面的機能においても重要な役割を担っています。

 

トンボの幼虫のヤゴの主食は、温かい水にいるオタマジャクシやミジンコです。

この虫たちにとって田んぼは、絶好の住処。

そのため田んぼには実に約8000種もの生物が共生しています。

この8000種の生き物が、私たちの食べ物を生み出す田畑があることで、生きることができる。



今年で3回目となるよみがえれ浅草田圃プロジェクトでは、

豊作祈願を経て、田植えから稲刈り、そしてご奉納まで、子どもたちとともに行っています。今年は、稲だけでなく稲の隣にさつまいもやイチゴなども植えました🍠

 

台東区は、農地が0%と言われています。

また全国各地では、大量生産・大量消費の経済社会の流れを受けて、農作放棄地が増加する一方です。

絶滅していく生物が多い中で、現在の絶滅危惧種と呼ばれている生物の全体の約30%が、田んぼの生き物です。

 

昨年は、イネの周りにどこからともなくカエルが現れ、トンボが空を舞っていました。

ミミズやヤスデや、カエルやてんとう虫など、今年も多くの虫の姿を発見。

その虫たちは、自然の姿をありのままに反映してくれています。

ミミズが土の上で乾涸びていると、土の中が熱くなり土が弱っている証拠。

稲に普段見ないルリチュウレンジという虫がくっついていると、その虫の幼虫の餌となる、さつまいもやいちごの土壌に害虫がいる証拠。

普段私たちが気付けないことを虫たちは教えてくれます。

 

よみがえれ!浅草田圃プロジェクトの活動は、私たちが田畑を浅草という都市に作ることにより、そこに懐かしくも新しい「自然」を作り出します。そんな自然から私たちは、循環する生態系を実感し、多くのことを学びます。

これからも地域のみんなと共に、自然と生きるよろこびを体感していければと思います。

 


「地域に関わる」ことを再考する

2022-05-27 16:09:07 | 地域貢献

こんにちは、有限会社人事・労務 パートナーの瀬戸山です。

私は、農と食を媒介とした「まち・場・コミュニティづくり」を仕事にしようと、実証実験を繰り返しています。私が現在関わっているのは、浅草で地元の子どもたちの情操教育を目的に「浅草田圃プロジェクト」の実施や、地元の越谷で複数人で農園を営む「コミュニティファーム」の運営、渋谷で組み立て式の農園を仮設した「シブヤ系循環型農園」を企画、巣鴨の大正大学で江戸野菜をキーワードにシビックプライドを醸成する「たねや街道」企画を運営したり、都市部や近郊部でのさまざまな活動に参加しています。



その反面、継続できない活動もたくさんありました。地域にとって多少のインパクトはあっても、目的が抽象的、あるいは「楽しさ」や「お洒落」という感覚だけで始めてしまって、本質的な意味のある活動ではない場合、そのほとんどは短期間で消滅してしまいます。

では、地域に関わり続けるのは、どのような活動なのか。

今回は、「地域に関わる」ということの最近の気づきについて、まとめさせていただきます。

 

まずはじめに、私が「地域」を意識したきっかけは「農」と「食」でした。

私がまだインターン生だった頃、弊社の自社ファームである「アルパカファーム(現:田心ファーム)」の農縁長を務め、浅草の行きつけの飲食店の軒先をお借りして、野菜の販売をおこなっていました。浅草には大きなスーパーはありますが、特に私たちの事務所がある入谷側には、新鮮でこだわりのある野菜を購入できる場所がありませんでした。そのため、昔の浅草にいた行商人のように、地域を越境して野菜を販売し、農と食の距離が近い暮らしを実現できればと考え、この活動がはじまりました。

はじめは、住宅街の中で大きな声を出すということだけでも恥ずかしくて、野菜は全然売れませんでした。そんな様子を見かねて、地元の人たちが「ああしたらいい、こうしたらいい」とアドバイスをくれて、なんとか体裁を整えていました。そんな中で、一番よく聞かれるのは「この野菜はどうやって食べるの?」という質問。はじめのうちは、全然答えられず、むしろお客さんに聞いてばかりでしたが、それを何度も繰り返していると、次はもう買いにきてくれなくなってしまう。なので、ちゃんと質問に答えられるように、毎回仕入れた野菜は事前に料理して食べておくのが習慣になりました。

 

農と食、地方と都市をつなぐ役割を担いたい。その目的に対して、真摯に取り組んだ結果、今この軒先での野菜販売は「田心カフェ」として継続されています。



この経験をもとに、前述のようにさまざまな活動を通し、実証実験を繰り返してきました。しかし、まちなかに仮設の畑を出現させたり、畑を移動できるようにしたりすることで、果たしてこの活動は誰の何を解決し、どんな幸せを生み出しているのだろうか。この数年、暮らしに農やグリーンを取り入れる需要は高まってきました。でも、その中で刹那的な「たのしさ」や「お洒落」以外に何を生み出すのか。そんな迷いが生じていました。

 

そんなモヤモヤを抱えながら、先日、徳島県神山町に行く機会がありました。

神山町は、都内のIT企業がサテライトオフィスを置いていたり、アーティストを招いてアートフェスを開催したり、最近では神山まるごと高専という教育のプロジェクトが実施間近だったり、変化し続けるまちとして注目を集めています。

その、地域の変化の担い手であるNPO法人グリーンバレーの方々にお世話になり、田植えをしたり、竹を切り出したり、川でサウナに入ったり、地域の持つポテンシャルを満喫しながら、さまざまなお話を聞かせていただきました。

​​事務局長曰く、神山町でのプロジェクトは、30年以上前に取り組んだ「国際交流事業」からはじまったそうです。地元の商工会議所のメンバーを連れてアメリカへ渡り、交流をする。ただそれだけでも、当時は「英語が喋れないから」という理由で反対されていました。そこで、創設者の大南さんは毎週のように商工会議所のメンバーに英語を教え、何年もかけてようやく国際交流が実現したそうです。

その経験から、神山町にAET(Assistant English Teacher)の先生を海外から受け入れることになりました。そのときのAETのおもてなしの経験から、「アート・イン・レジデンス」という、アーティストを神山町に招き、アート作品を一緒につくる活動がはじまります。美術館などのハードを持たない神山町に、わざわざアーティストが滞在して作品をつくりたくなるのは、神山町の資源的なポテンシャルだけでなく、「まちの人と一緒につくる(まちの人たちが協力する)」というコンセプトと、まちの人たちのおもてなしだったと言います。

 

その「まちの人たちの協力」「滞在時のおもてなし」という2つがキーとなり、まちに仕事をもつ人が集まる「ワーク・イン・レジデンス」という活動がはじまり、ゆくゆくは都内の企業のサテライトオフィスが集まり、現在の神山町の姿になりました。

 

大切にしているのは、ソフト(人が集まる)からはじめるということ。

足りないからハードを作ったり、課題があるから解決できるスキルのある人を集めるのではなく、「人が集まる」からはじめる。

 

以前にグリーンバレーさんの書籍を読みましたが、この「行間」の部分は読み取れませんでした。30年という長い年月をかけて、地域が変化し続けている。ハードをただつくるだけでもなく、スキルのある人を集めるだけでもない。「日本の田舎をステキに変える!」というミッションに向かい、地域の方々が「協力」して「おもてなし」できるくらい心を耕す。



地域は、人の集まり。人が変化すれば、地域は変化する。

地域に関わるということは、人に関わるということ。

今の刹那的な問題や課題だけを観るのではなく、大局観をもって役割を担うことで、グリーンバレーさんのように何十年もかけて地域に関わることができる。

「農」や「食」を媒介に、そんな地域との関わり方をしていきたいと思います。


自然農法の試み!小さくスタート!

2022-05-23 17:04:58 | 地域貢献

有限会社 人事・労務の志村です。

 

今回は、私たちが運営している田心ファームで、これから実際に学びながら実践していく自然農法を通して伝えていきたいことについて書かせて頂きます。

つい先日、田心ファームの一角で自然農法の試みをスタートしました。

 

持ち込まない、持ち出さないという心構えを軸に畑の雑草を狩り、畝に雑草マルチを敷きました。

 

この2メートル四方の場所に、5か所に種を植えました。

 

雑草マルチは、土の乾燥を防ぎながら虫の住処となり、さらに虫は雑草を分解し、土の栄養にしてくれます。まさに循環。

草たち虫たち一つひとつがメッセージだと感じました。

 

今まで大変な作業と感じていた雑草を刈ることに、大きな意味を感じた体験でした。

 

雑草の上から種を蒔くという初の試みで、うまく発芽するか不安だったのですが、数日して畑を見に行った際、無事に発芽しておりました!

 

今、私たちが実践している農法は、自然農法の中でも菌や微生物を軸にして考える「菌ちゃん農法」です。

 

菌ちゃん農法とは、

森の生態系のように、落ち葉や木の枝や、枯れた草木などが土に戻り、微生物の力を活用して植物が育つ。そんな自然の循環に沿って育てる方法です。

 

畑では発酵させた生ごみまたは雑草と発酵を促す微生物たちを一緒に投入し、畝に雑草マルチをかけて、外部から雑菌が入りにくい状態にします。

すると、土壌全体が発酵の方向に働くようになり、土着の菌たちが一緒になって生ごみを発酵分解し、様々な有用な成分を作りだしていきます。そうなると、土はますます完全な発酵状態に近づき、野菜は化学肥料なしに、青々と育ち、病気も虫の害も少なくなり、元気で美味しく育ちます。

 

 

管理された畑とは違い雑草も野菜も皆が共生する。

 

自然の中で一番共生関係の高い生物は細菌・微生物だと言われています。実は人間の臓器一つ一つにも、その機能を助ける特有な細菌が何万種類も生息しています。

健康のために乳酸菌・ビフィズス菌・納豆やキムチなどの発酵食品を食べると良いと聞くのは、そのためです。

 

これは腸の働きを助けるからであり、腸は体外から必要な細菌を取り込んで、自身の機能を整え、さらにその細菌を全身に回す役割があります。

 

つまり腸は細菌がなければ腸の機能が落ち、健康に大きな影響を及ぼしてしまいます。

 

 

この働きは、土ととてもよく似ています。

土には、土壌細菌と言われてる微生物が多く生息し、その微生物たちが、土壌を豊かにし、生態系豊かな森や、元気いっぱいの野菜を育てる基盤を作ってくれます。

 

微生物や虫たちは私たち人間では取り込めない腐敗している有機物(死骸や生ゴミ)を生活していくために必要な豊かな自然環境や食べ物を変換する手助けをしてくれてます。

 

畑に農薬を撒いてしまうと、地中の微生物が死んでしまうため、上記のような働きが失われます。

 

微生物が心地よく生きる環境を考えることが自分たちの健康につながり、私たちの健康を考えることが実は微生物の居場所を作ることにつながっているんです。

 

農薬や化学肥料を使わない自然農法や自然栽培のお野菜を栽培することは、私たちの健康維持と自然界に生きる多様な生物が共生していくために有用な手段だと思います。

 

自然農法で作ったお野菜を食べることで、土に生きている、微生物・菌も一緒に身体に取り入れる。

 

現代のような個で力を持ち、効率性即金性を重視した分断を生む関係性ではなく、お互い複雑に関わり合いながら、おかげさまの関係性が土と腸の関係性から学びます。

私たちは「菌ちゃん農法」を通して、さまざまなコトやモノが複雑に絡み合って、私たちの健康や環境は成り立っていることを認識し、お互いに支え合いながら暮らしていることを肌で感じていければと思います。

 

ぜひ少しでも興味があればホームページを覗いてみてください⤵︎

https://hatarakuba.com/903cityfarm/

 

 

※参考文献

NPO法人大地といのちの会・菌ちゃんふぁーむ 吉田俊道さんのPDF資料

NPO法人大地といのちの会・菌ちゃんふぁーむ 吉田俊道さんのYouTube動画

書籍「腸と森の「土」を育てる」

書籍「完全版 生ごみ先生が教える「元気野菜づくり」超入門」

 

 


自然農法を通して私たちが伝えていきたいこと〜Earth Day Tokyo 2022

2022-04-20 20:00:00 | 地域貢献

皆さん、こんにちは!有限会社人事・労務の志村です。

先日4月16日(土)17日(日)、ワーカーズさんのご縁で、903シティファーム推進協議会が「Earth Day Tokyo 2022」に出店致しました!

 

せっかくの素敵な機会!

コミュニティを実践する仲間である、ウェルファイアカデミー卒業生にお声掛けして、

「あやせのえんがわ」の森川さん

「Share Re Green」の瀬戸山さん

と共に『ウェルファイな森』として共同出展。

私たち903シティファーム推進協議会のコンセプトは、「農と食を通して、90分圏内にもう一つの居場所を持ち、3割程度のお金に依存しない自律した生き方を体現する」です。

お金中心の社会から、つながりがめぐる社会の実践。



田心カフェでは、土づくりからこだわり、自然農法や固定種栽培をされているお野菜を販売しました。

農家さんの思いや、私たち903の思いや活動に共感して、お野菜を手に取ってくださる方が大変多かったと感じています。


自然農法に興味を持つ方が私たちに声を掛けてくださり、農業を通して多様な生物が暮らしやすい持続的な社会を醸成していく取り組みを色々と教えてくださったり、若い方々も予想以上に関心を持つ方がたくさんおり、様々な交流が生まれました。

 

今後は、自然農法や自然栽培の野菜を仕入れるだけではなく、実際に学びながら田心ファームで実践していこうと考えています!

循環畑の吉原さんとのご縁から自然農法の中でも「菌ちゃん農法」という農法があると知りました。

菌ちゃん農法とは、

森の生態系のように、落ち葉や木の枝や、枯れた草木などが土に戻り、微生物の力を活用して植物が育つ。そんな自然の循環に沿って育てる方法です。

畑では発酵させた生ごみまたは雑草と発酵を促す微生物たちを一緒に投入し、畝に雑草マルチをかけて、外部から雑菌が入りにくい状態にします。

すると、土壌全体が発酵の方向に働くようになり、土着の菌たちが一緒になって生ごみを発酵分解し、様々な有用な成分を作りだしていきます。そうなると、土はますます完全な発酵状態に近づき、野菜は化学肥料なしに、青々と育ち、病気も虫の害も少なくなり、元気で美味しく育ちます。

 

管理された畑とは違い雑草も野菜も皆が共生する。

雑草か野菜かを分けているのは人間のモノサシで決めていることで、本来は共生しお互いの良さを引き出し、ダメなところを補いながら暮らしています。

現代のような個で力を持ち、効率性即金性を重視した分断を生む関係性ではなく、お互い複雑に関わり合いながら、おかげさまの関係性を土と腸の関係から学びます。

これは私たちが目指しているコミュニティの在り方そのもので、一人では出来ないことを実現していくために、自分の弱みをみせ、そこを補ってもらったり、逆に相手の苦手な部分を、自分の得意でフォローする。

そんなお互い共生し合う生命体のような組織をつくる実践をしています。

 

仲間との活動を通して、人と繋がりを持つことの温かさや、自分の能力や人間性の成長を実感し、本来のはたらく豊かさを感じることができる。

私たちは「菌ちゃん農法」を通して、一人一人が主体的に行動し、自律した働き方を体現するようなコミュニティに成長して行ければと考えています。

 

▼ぜひ少しでもご興味があればホームページを覗いてみてください。

https://hatarakuba.com/903cityfarm/



※参考文献:

吉原史郎さんの循環畑の考え方

『ソース・プリンシプル理解の大前提【その4】!ティール組織実践で重要な概念を理解しよう』

https://nol-blog.com/sourceprinciples_4/

NPO法人大地といのちの会・菌ちゃんふぁーむ 吉田俊道さんの資料

https://www.town.matsukawa.lg.jp/material/files/group/6/danryuukouzou.pdf

NPO法人大地といのちの会・菌ちゃんふぁーむ 吉田俊道さんのYouTube動画

https://www.youtube.com/channel/UCB4l2ruSdpcNVRA8BvmP9uw

『腸と森の「土」を育てる~微生物が健康にする人と環境~』 桐村里紗、光文社新書

『完全版 生ごみ先生が教える「元気野菜づくり」超入門』吉田俊道、東洋経済新報社


人的、社会的関係資本から自然関係資本へ ~よみがえれ浅草田んぼプロジェクト~

2022-03-31 11:04:30 | 地域貢献

いよいよ第三回よみがえれ浅草田んぼプロジェクトが秋葉神社さんを舞台に4月2日から始まります。

まずは土づくり。

903シティファーム推進協議会のメンバーと地域のご家族とともに自然にふれあい、農のある新しい習慣を一緒になって推進します。
半分以上がリピーターの皆さん。

ボランティアメンバーも増え活動への皆さんの農と食を通した共感の輪が広がっていく。

お金中心で社会が動いていくあり方から自然そのものが駆動となって社会が動いていく要素を社会に職場に取り戻していく。

考えて見れば江戸時代そして明治の初期までは社会は100パーセント太陽や自然のサイクルでまわっていた。

 

今年度の私達のテーマは、
新しい自分に還る道

そんなことを感じる場を今年度の
よみがえれ浅草田んぼプロジェクトは年間を通してデザインしていければと思います。

 

私達の日常に身体にどんな変化がおきるのかを皆で感じ共有していきたいと思います。

(写真は、昨年の活動より)