年末の大掃除の際、書籍を整理していたところ、ベストセラー『影響力の武器(第三版)ロバート・チャルディーニ』の著書を発見、そのまま破棄する流れでしたが、はて?破棄する前に、昨今SNS興隆の現時代において、本書で語られる「6つの原則」が個人や集団にどのように影響を与えているのだろうか興味が沸き、ネット記事などで調べてみました。
なお、「6つの原則」については、意識無意識を問わず、言われてみれば、「ああ、そうだよね!」といったものばかりで、書籍としては、読みやすいと思います。
また、近年新版も出ているようです。
1. 返報性
返報性の原則は、人は何かを受け取ると、それに対して何らかのお返しをしようとする傾向があるというものです。
→SNSでは、フォローや「いいね」といった行為がこの原則のデジタル版として機能しています。特にインフルエンサーは、無料のコンテンツやプレゼント企画を提供することで、フォロワーからのエンゲージメントを引き出しています。
2. 一貫性とコミットメント
この原則は、人が一度行動や言葉で表明したことに一貫性を保とうとする心理を利用します。小さなコミットメントから始めて大きな行動を引き出す「フット・イン・ザ・ドア」技法は、営業や募金活動でよく使用されます。
→現代社会では、この原則はオンライン署名運動やクラウドファンディングでも顕著です。少額の寄付や小さな行動を求めることで、より大きな支援を得ることが可能になります。
3. 社会的証明
社会的証明は、「他人がやっていることは正しい」という認識を生む力です。レビューサイトや口コミ、SNSでの「バズ」現象は、この原則を利用したものです。
→現代社会では、特に口コミアプリやSNSでのハッシュタグ運動がこの原則を強化しています。多くの人々が支持している商品やサービスは、信頼性が高いとみなされやすいです。
4. 好意
好意の原則は、人が好きな人や信頼できる人からの提案を受け入れやすいという心理を指します。広告に有名人やインフルエンサーが起用されるのは、この原則を活用するためです。
→SNSでは「パーソナルブランディング」が重要視されています。親近感を感じさせるストーリーや共感を呼ぶ投稿が、フォロワーの購買行動を促進します。
5. 権威
権威の原則は、専門家や権威ある人物の意見を信じやすいという心理を利用します。医師の推薦や専門家のレビューは、製品やサービスの信頼性を高めるために使用されます。
→現代社会では、この原則は専門家監修のコンテンツや公式認証バッジなどに見られます。消費者は、これらの要素を信頼の基準として利用します。
6. 希少性
希少性の原則は、「手に入りにくいものほど価値がある」と感じさせる力です。セールの「期間限定」や「数量限定」は、この原則を活用しています。
→現代社会では、デジタル商品の「初回限定版」や期間限定のオンラインイベントがこの原則を象徴しています。特にeコマースでは、希少性を強調することで購入意欲を高めています。
著者は、読者が「6つの原則」を通して、社会生活の中で自分を守る術や周囲との良好な人間関係を築くことができるような助けになることを願って執筆したそうです。
SNS全盛の現代において『6つの原則』がどのように活用され影響を与えているかを再発見し、本書の知見を社会的・個人的な視点から深める良い機会となりました。