酔っぱらい一人旅

オール電化キャンプを推進します・・・

☆★サヨナラ小太郎その4

2016-11-16 14:22:32 | 日記

 

 

手術当日の朝小太郎を病院へ連れて行った。

担当の獣医師が診察室に入ってきた。

なんだか表情がやけに明るい。

「昨夜、大学時代の感染症を専門にしている先生に血液の顕微鏡画像みてもらったのですが

リケッチアに感染してるんじゃないか?って言ってたのですよ。改めてよく見てみたら

赤血球に小さな黒い点が付いていてリケッチアっぽいんですよね~」

「もしリケッチアだったら脾臓を取ってしまうのは禁忌なので、投与する抗生物質を変えてみて少し様子を見ましょう・・・」

・・・という話だった。

リケッチアと聞いてピンときた。

タイにいたときにマダニに寄生されることが何度もあった。その度にダニを殺す薬を塗布していた。

そのときに感染していたのだろう。

そして日本行きの飛行機で興奮して発症したってことだろうな。

獣医師の話ではリケッチアに感染して考えられる病気はエールリヒア・・・とのことだった。

その他赤血球に感染ということでライム病、バベシア症が考えられるとのことだった。

エールリヒア、ライム病はテトラサイクリン系という一般的な抗生物質で治療可能だが

バベシアに対するものは日本では手に入らないとのことだ。

バベシアじゃないことを祈りましょうみたいな感じで抗生物質の点滴を開始した。

毎日通院し点滴を開始して1週間ほど経った頃だろうか、それまでシリンジで無理やり餌を食べさせていたのだが

自分からシリンジから出てくる流動食を食べるようになっていた。

試しにドライフードを与えたらバリバリ噛んで食べている。

血液検査の結果は貧血、肝機能共に正常値近くに回復していた。

その結果を見た先生はかなりテンションが上がっていたな。

血液検体をアメリカの検査機関に送っていたとのことで、その結果も分かり

エールリヒアと病名も確定した。

アメリカで検査したのは私が勝手に送ったので料金は結構ですとのことだ。

日本ではかなり珍しい病気なので今までの治療の過程を論文にまとめて学会で発表させて欲しいとの申し出があった。

それから更に2週間ほど服薬治療をし完全に治癒した。

半年後再度血液検査をし血液に異常はないとのことだった。

「学会で論文発表したら反響が凄かったですよ~」と先生はご機嫌だった。

町医者だけど大学病院レベルの治療を目指すというこの病院だったから病名も分かり治癒できたのだろう。

本当に良かったよ。

 

 

つづく

 

 

 

 


☆★サヨナラ小太郎その3

2016-11-16 11:52:16 | 日記

 

 

日本に帰ろうと思い始めたのはタオ島ステイを終えた直後くらいだったか。

さて、帰国するとなると準備を始めなければならない。

人間だけならパスポートと航空券があればいつでも帰れるが犬はそうはいかない。

マイクロチップの埋め込み、狂犬病の予防接種、狂犬病の抗体検査

これらで半年の期間が必要だったのではなかったか。

いやいや、もっとかかったな。

マイクロチップの埋め込み同日に狂犬病の予防接種。

30日後に2度目の予防接種、同日に採血し検体をイギリスに送る。

採血日から180日以上待機。

これらを済ませておくと日本に到着後即日入国できる。

上の流れで最短210日強かかるわけだ。

・・・ってことは日本に帰国を考えたのはもっと前だったのかな??

いやいや、タオ島の後だけどそうすると計算が合わないな。

選択肢の一つとして考えていて事前に準備していたってことだな。

店を譲渡した直後に手続き開始していたのだろう。

 

帰国時はANAだったと記憶している。

ANAは睡眠薬で眠らせるなんてルールは無かった。

・・・ってことで2頭のお犬様たちは興奮しまくって吠えまくっていた。

座席の床下から小太郎の鳴き声が聞こえてきたのだった。

日本到着後に動物検疫を受けた。

マイクロチップをリーダーで読み取り個体番号が合っているかの確認をしていた。

検疫官(獣医師)が小太郎を触診しながら「この子、少し熱あるから注意してあげてください」とのことだった。

「吠えて興奮しているからだと思いますけど・・・」と付け足した。

 

常夏のタイから真冬の日本へ・・・

小太郎が餌をあまり食べないのは環境の変化によるものだろう・・・程度に考えていた。

餌をあまり食べなくなってどのくらい経っていたか???

 

 

痩せてきたな~などとのんきに思っていたある日。フレブルの麻呂に体当たりされてフラフラと倒れた。

こりゃマズイと思い動物病院へ連れて行った。

血液検査の結果は極度の貧血。

脾臓が腫れており脾臓で赤血球が破壊されているのではないか?との診断だった。

点滴や投薬で少々様子を見ることにした。

 

 

しかし、良くなることはなかった。肝機能の数値もかなり悪い。

「脾臓を切除するしかないですね~」とのことだ。

「状態も良くないのでリスクがあることはご承知ください」とも言われた。

 

つづく