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IMジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

希望の灯り

2011-01-17 08:57:27 | 日記
 宇宙から夜の地球を見ると光り輝く都市がくっきりと浮かび上がって見える。そんな写真を見たことがある人も多かろう。日本などは暗いところが少ないぐらい、都市が光っているというより島全体が光っている。日本は経済面で勢いのある中国や韓国などアジアの国々に押されて弱くなっているように見えるが国全体のインフラ整備状況などを考えると、まだまだ相当進歩している。
 
 最近の日本では、夜真っ暗な所を探すのはなかなか難しいかもしれないが、30数年前、私は友人数人と本当に真っ暗な場所を楽しんだことがある。町をはずれればまだまだそんな場所が残っていた。山寺に続く森の小道だった。当時高校生だったか大学生だった私たちは、夜遅くなってなぜかその寺社を訪れた。自動車の免許を取ったばかりの友人が仲間を車に乗せて走りたくて仕方がなかったのだろうと思う。寺社まで自動車で行ける道には所々街灯もあり空が開けていて星の光もあり真っ暗ということはなかった。しかし、寺の山門から下る細い参道は高い杉木立の森の中に続いており、空が見えず街灯もなかった。山門に1つ裸電球がぶら下がっており、その光がオレンジの光を照らす範囲を超えると、いきなり本当に真っ暗になる。
 森に続く細い石畳の参道を少しずつ降りて行くと、あるところから先は急に何も見えない。振り向けば山門の灯りにかすかに照らされた木々がうっすら見えるばかり。前を向くと自分の手も足も見えないほど暗い。友人達の声はするが姿は見えない。何も見えないと不思議と世界は広い。屋外にいて本当に真っ暗な場所があることに驚いた。と同時に、明りがあるというのは何とありがたいことか、体感した。

 遠い昔からつい最近まで、明りと言えば木や油を燃やして灯す火だけだった。それはほんのり黄色く温かく感じる灯りだ。昼間一生懸命歩き続けたが目的地にたどり着けず、星明りや月明りだけを頼りに歩かなければならなかった旅人には、どれだけうれしい明りだっただろうか。明りはそこに平和な暮らしがあることの証だ。外敵から守られ安心していられる場所を示す明り。人の体にはこの思いが刻みつけられているのではなかろうか。

 エジソンが白熱電球を作っておよそ130年。明りへのあこがれが嵩じてギラギラと輝くばかりの光で飾る街並みも多い。だが昨年はとうとうフィラメント電球の製造を止めてLED一本に切り替えたメーカーも出た。これからは明るさや色合いなど明りに対する細かなコントロールが可能な電灯も多くなってくるだろう。宇宙から見た地球の大地で、先進国は要所要所うっすら輝き、発展途上国は都市ばかりギラギラ輝いているという見え方をする時代も来るかもしれない。江戸川乱歩が明智小五郎と言う名前の名探偵を創造したように、明かりと智は深い関係にある。明かり自身がインテリジェンスを持ち、月明かりの明るい夜や星のきれいな夜にはエネルギーを節約して不必要な明かりを点灯させず、必要であれば通りを行く人々を元気づけ、家ではほっと安心させてくれる、そんなことも夢ではない。

 阪神大震災で犠牲になった方々を忘れまいと地震が発生した毎年1月17日は神戸でつどいが開かれるそうだ。その中心になっているモニュメントが「1.17希望の灯り」と言う。小さな火が今を生きる私たちに、忘れてはいけない様々なことについて訴え続けている。


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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
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