瞬間瞬間で見ていると全く変わらないように見える風景もちょっと離れて見てみると大きく変わっていることに気がつくことがある。ほんの10年前の町並みを写した写真であっても、今とはかなり雰囲気が違うものだ。そんな変化はどうやらある日突然やって来るものらしい。先日帰宅時に見ると、通りの街灯がすっかりLEDに変わっていた。
笠のついた電球の街灯がオレンジ色にぼんやり通りを照らしている図は今や漫画の中にしかない。LEDの街灯はとにかくまぶしい。まぶしすぎて街灯が目に入る角度で視線を上に向けることができない。うつむいて歩くか真上を振り仰いで歩くしかない。LEDが照らしている場所の白さとその影の黒さがくっきりしており、街が角ばってとげとげしくなった感じがする。ほんのりぼんやりしていた夜の暗がりがどこかに消えてしまった。
LEDのような新しい明かりがこれほど急激に生活に入り込んでくることを予想していた人はどこにもいない。人が予想できる未来などたかが知れているのだ。技術革新は思わぬ形で出現し、ある日突然世界を変えてしまう。19世紀のニューヨークでは馬車が増えすぎて馬糞の量がとてつもなく多く、このまま馬車が増えるとニューヨークは馬糞に埋まってしまうと市民の多くがまじめに心配していたそうだ。
1964年の東京オリンピック前までは日本の街には漢字だけで表示される看板や標識が多かったという。しかし、外国から客人を招くにあたって英語を中心にする多言語と絵を中心にした新しいタイプの看板や標識が増えた。文字でなく絵で意味を表す標識の代表格は非常口のマークだろう。東京オリンピックを前に考え出された、人が扉に向かって走っている姿は、今や世界共通のマークとなった。このような絵文字をピクトグラムという。デザインもまたLEDと同じようにアイデアの結晶だろう。
人の思いが人の住む場所を変わらぬ形に維持し、ある日大きく変える。火山の噴火や大地震などによって否応なく劇的に変わってしまう場合もあるが、そう短いサイクルで発生するわけではないし地域限定の変化である場合が多い。どんなアイデアがこれからの生活を変えていくのかわからないが、確実に変化は訪れる。2020年の東京オリンピックを迎えるにあたっても東京は、そして日本は形を変えて行くだろう。おそらく2020年以降の生活しか知らない若者たちが今を見れば、よくそんな暮らしができていたものだと感心するような生活を私達は今送っているのだろう。
必ず変化してしまうのであれば、次のチャンスも必ずやって来る。だが、今のこのチャンスは今だけのものであって、もう2度と来ないかもしれないと考えて日々を過ごしたほうが良いだろう。チャンスだと思った時にのほほんとのんびりしているようでは、今このチャンスを棒に振るばかりか、次のチャンスも見逃しかねない。チャンスだと思った時には飛びかかって全力で成果を勝ち取る覚悟が必要だ。ただし、そうやって全身全霊で頑張ってもなお成果はすぐに出ないかもしれない。むしろその方が当たり前だ。それでも諦めなかった人の所に幸運が舞い込む。不思議なもので、幸運が訪れてもなお努力し続けると次の幸運がやって来る。そのうちその幸運が生み出した成果が町や生活を変えてしまう。結局、誰かの絶え間ない努力の成果があなたや私がずっと変わらないでいることを許さない。(三)
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横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
笠のついた電球の街灯がオレンジ色にぼんやり通りを照らしている図は今や漫画の中にしかない。LEDの街灯はとにかくまぶしい。まぶしすぎて街灯が目に入る角度で視線を上に向けることができない。うつむいて歩くか真上を振り仰いで歩くしかない。LEDが照らしている場所の白さとその影の黒さがくっきりしており、街が角ばってとげとげしくなった感じがする。ほんのりぼんやりしていた夜の暗がりがどこかに消えてしまった。
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1964年の東京オリンピック前までは日本の街には漢字だけで表示される看板や標識が多かったという。しかし、外国から客人を招くにあたって英語を中心にする多言語と絵を中心にした新しいタイプの看板や標識が増えた。文字でなく絵で意味を表す標識の代表格は非常口のマークだろう。東京オリンピックを前に考え出された、人が扉に向かって走っている姿は、今や世界共通のマークとなった。このような絵文字をピクトグラムという。デザインもまたLEDと同じようにアイデアの結晶だろう。
人の思いが人の住む場所を変わらぬ形に維持し、ある日大きく変える。火山の噴火や大地震などによって否応なく劇的に変わってしまう場合もあるが、そう短いサイクルで発生するわけではないし地域限定の変化である場合が多い。どんなアイデアがこれからの生活を変えていくのかわからないが、確実に変化は訪れる。2020年の東京オリンピックを迎えるにあたっても東京は、そして日本は形を変えて行くだろう。おそらく2020年以降の生活しか知らない若者たちが今を見れば、よくそんな暮らしができていたものだと感心するような生活を私達は今送っているのだろう。
必ず変化してしまうのであれば、次のチャンスも必ずやって来る。だが、今のこのチャンスは今だけのものであって、もう2度と来ないかもしれないと考えて日々を過ごしたほうが良いだろう。チャンスだと思った時にのほほんとのんびりしているようでは、今このチャンスを棒に振るばかりか、次のチャンスも見逃しかねない。チャンスだと思った時には飛びかかって全力で成果を勝ち取る覚悟が必要だ。ただし、そうやって全身全霊で頑張ってもなお成果はすぐに出ないかもしれない。むしろその方が当たり前だ。それでも諦めなかった人の所に幸運が舞い込む。不思議なもので、幸運が訪れてもなお努力し続けると次の幸運がやって来る。そのうちその幸運が生み出した成果が町や生活を変えてしまう。結局、誰かの絶え間ない努力の成果があなたや私がずっと変わらないでいることを許さない。(三)
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