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「赤い糸」

 NHKラジオの「ことばおじさんの気になることば」がいつの間にか「ことばの宝船」に変わって、「ことばおじさん」の梅津正樹アナウンサーも「ことばのご隠居」という杉原満アナウンサーに変わっていた。だが、「ことばのご隠居」が、語尾だけご隠居さんらしくしているのが変な感じがして、前の方が良かったぞ、と思うことがとくあって、途中でスイッチを切ってしまったことも度々だった。
 ところが、昨日は話の内容が面白くて、初めて最後まで聞いてしまった。それは、男女を結ぶ「赤い糸」にまつわるもので、西洋の言い伝えだとばかり思っていた「赤い糸」伝説の発祥の地が、中国もしくは日本だという内容で、「運命の赤い糸」など信じていない私でも、ついつい聞き入ってしまった。以下にその概略を、NHKのHPから引用してみる。

「赤い糸」の由来
「運命の赤い糸」と言いますが、この由来ご存じですか?"赤い糸"は、中国や日本の伝説から生まれたようです。まず、中国の故事の「月下老人」。中国・唐の時代、韋固(いこ)という青年が旅の途中、月光の下で本を読む老人に出会った。老人は、大袋に寄り掛かり、傍らには赤い縄が見えた。青年が「赤い縄は何に使うのか」尋ねると、老人は「夫婦となる男女の足を繋ぐもの。私が一度繋げば夫婦の縁は変わらない」と答えた。そこで、青年は、自分の相手について聞いてみた。老人は「老婆が抱いている3歳の女の子だ」と言った。青年は、まさかと思ったが、その後、ことごとく縁談は破談になり、十数年後にやっと美しい娘と結婚した。その相手は、老婆が抱いていた女の子だったという話。ここから「月下老人=男女の仲を取り持つ人・仲人」ということばもできました。ただ、中国の話は、「赤い縄を足に繋ぐ」。日本では、「赤い糸が小指に結ばれている」とされます。伝承されるうちに変わったとも考えられていますが、日本の「古事記(三輪山伝説)」にも関係がありそうなのです。あるところに大層美しい娘がいて、夜毎に通う身なりの立派な男がいた。そのうち、娘は身ごもり、両親が尋ねると、相手の素性を知らないという。そこで、部屋に赤土をまき、男の着物の裾に糸を通した針を刺した。翌日、糸を辿ると、遠く神の社まで続いていた。ここから、男が神の化身であることが分かったという話。この時、赤く染まった糸が繋がっていたので「赤い糸で結ばれる」と言われるようになったとの説もあります。いずれにしても、千年以上前の伝説からできたことばが今も使われているのです。

 私の赤い糸は妻に結びつけられていたのだろうか。妻のことは小学生の頃通っていた塾で初めて知った。それから高校3年になるまでさほど気にもしたことがなかったが、ある日突然気になり出して、電話をしてつきあい始めた。今改めて振り返ってみると、唐突だったようにも思えるから、それは赤い糸で結ばれた二人の運命だったのかもしれない。
 などと、昔話をしたくなったのも、「赤い糸」のなせる業かもしれない・・。 
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