１０年以上前の話。檀家の母親が「息子の中学で生徒、保護者の三者面談があって、先生が、大丈夫だよ、お母さん。こいつは成績が最下位だから、伸び代しかない。これ以上落ちる事はない。追い抜かれる事もない。後は追い抜くだけ。こいつは器用だし、明朗活発だから、何か手に技術を付けさえれば。心配なか」と。
【追伸】
この母親が「あの面談、先生はなんちゅう投げ槍な事を、とあの時、思ったが、現実、息子は高卒後、大手調理学校に入学、卒業。現在、勤務先の親方から、将来有望のお墨付きを。恐らく、先生はこの子の将来を、何とはなしに見抜いていたんでしょうね。伸び代があっても、期待を向ける人がいても、その人間が努力をしなければ、結果は出ないでしょうが。この子はその期待に応えましたね。今時点では、ですよ。この先、本物になってほしい」と、嬉しそうに母親が。
