1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【2222話目】人間は皆、それぞれ事情を抱えて生きている。事情の塊が人間にて。その事情の範囲で人は、その事情に応じた人生の判断を。その事情を知らない第三者が、勝手自論を押し付けるものではない。

2021-07-21 21:26:43 | 法話

先日、80代老婆が27歳で他界された息子さんの25回忌でお寺に。法要後、老婆が「夫が早くに病死して息子を私1人で。当時、彼女さんは1年以上も息子の仏壇に。3回忌の時『もうこれで、お互い区切りを』と彼女さんに。以来、1度も。風の便りでは今、3人のお子さんとご主人と幸せな家庭を」と、深く溜息を。

【追伸】
この80代檀家老女が「住職さん、間違いなく彼女さんは『自分がいつまでも顔を出してたら』と思いやりから、恐らくあれ以来1度も。それが正しいんだ、と思います。ただ、息子が事故死した25年前の状態で、私の時間はそこでストップしたままです。私達親子とは別に、周囲の時間が進んでいる事に羨む心がないと言えば、嘘になります。こんな気持ち、住職にしか言えないので、許して下さいね」と。この老女は現在、老人ホームで1人暮らし。何かあれば、病院から、ホームから、お寺の方に連絡があり、拙僧と家内が対応する様に手はずが。







他宗住職さんが「住職のお寺は、得度出家(僧侶)は、どのくらいさせてますか」と。「殆ど、ないですね」「ほう、何故ですか」「世間を騒がせよるだけです。特に『僧侶になりたい』と言ってくる者は、要注意」と。

2021-07-21 15:28:50 | 法話
他宗住職さんが「住職の寺に『得度させてくれ』と、来るか」と。「いいえ、来られたんですか」「来た。『坊主になるから、給料くれ』と。『人を雇うだけの余裕はこの寺にはない。が、得度は最低3ヶ月は要するぞ』と言うと『えっ、数日で僧侶になれんのか』と不服顔で下山を。簡単に思えるのかな、この仕事」と。

【追伸】更に、この他宗住職さんが「この若い男、不服顔で下山する時、捨て台詞の様に『僧侶になったら、坊主宅急便に登録して、稼げると思ったのに』と。唖然として、掛ける言葉もなかった」と。「坊主宅急便が世に出てきた時、偽坊主が必ず出てくる、と予想していましたが、そんなに時間を空けずに、やはり、出てきましたよね。昨今は、何でも簡単に事を済ませる風潮が。簡単だから、当然、簡単に真似されて、簡単に偽物が出てきて、簡単に騙される。使い捨て時代の弊害だよな。全ての職業がその傾向だもんな。各職業、ほんとに本物がいなくなってきたな」と。