1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に。2408話目】 治療をしているドクターも、いつかは、治療をされる立場に。葬式をしている住職も、いつかは、葬式で送られる立場に。

2022-09-02 19:42:31 | 法話
平成14年9月15日、腹痛を訴えてきた父(金剛寺先代)を開業医の医院へ。検査後に主治医が「すぐに総合病院の方へ、お父さんを」と。即、入院となり、精密検査を。診断結果は全身癌、余命1年と。数日後、主治医が病室に来られ「どうして、ここまで我慢を」と。その主治医も、父他界の1年後に、癌でこの世を。

【追伸】
拙僧知人の男性は、毎年必ず定期検診へ。が、次の年の検診前に大量の血尿が。急いで検査に。診断結果は、余命4日と。膀胱癌から転移し、全身に。父の主治医(開業医)も半年に1度は精密検査を。この主治医の口癖が「医者は助かる人間しか、助ける事は出来ん。助からない人間を、助ける事は出来んのだ」と。父の口癖も「人間、死ぬ時は死ぬ。死にとうても、死ねん。寿命に任せるしかない」と。昔の高僧が「1日一生。今日1日が自分の命、と思って、悔いの残らぬ様に生きれ」と。拙僧、900人以上の葬式、それ以上の人の生き死に関わってきて、当に、それを実感させられる事が多し。余談ですが、以前、主治医に檀家男性が「酒も煙草も、暴飲暴食も止める気はない。あんたはつべこべ言わずに、俺の病気だけを治せばいいんだ」と毒付いて「わしにいったい何を期待しとるんだ。一緒に治そうという気になってから出直して来い」と主治医から怒られてたな。信仰の世界でも祈願だけ頼んで、努力しようとしないのがなんぼでもおる。神仏も「私に何を期待しとるんだ」と、このドクターと同じ様に思ってるだろうな。まあ、取り敢えず、今生きている人達は「今ここに、命があるに、何不足」ですね。