1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 今日は、臨時法話を。お盆に因んだ法話を一席。地獄、極楽、閻魔大王。

2023-08-13 08:28:23 | 法話

 今日の臨時法話は、昨年の8月16日に投稿させて頂いたものです。毎年、この時期になると、老若男女問わず「閻魔大王って、本当にいるのか」の質問を少なからず受けます。閻魔がいるか、いないかを、確かめにゃならん生き方をしてるって事かな。自覚があるなら、閻魔がいないを望むより、生き方を改善した方がいい様な気がしますね 



盆参りに伺うと小学生が「僕の曾祖父ちゃん、明日(8月16日)、家に帰って来るんだって」と。「誰がそんな事を」「父ちゃん」「どうして、明日なの」「地獄の釜の蓋が開くんだって。閻魔大王のお休みの日で、鬼達もその日に休みを取るんだって」「ほう、そうなんだ」「ほう、って、住職、洒落だって事ぐらい、僕にもわかるよ」と。


実際、この曾祖父様、破天荒な人生を歩んだ人でね。拙僧との付き合いも、随分と長かったよね。浮気だけでも、何回やったかな。昔から言われる『飲む(欲に溺れる)、打つ(ギャンブル、お金にルーズ)、買う(異性にだらしない)』は三大因縁と言って、そう簡単に治るものじゃない。この曾祖父様、働かん、家には帰らん、博打に借金と。こうなっちゃいかん、の手本を子孫に示すが、この曾祖父様が生まれてきた役目だったのかな。拙僧はこの破天荒さが、大好きだったが、家族は大変だったね。お陰で曾祖父様以降の3代(子、孫、玄孫)は皆、人格も頭脳も優秀。子孫は皆、曾祖父様を反面教師として、捉える事が出来たんだね。ただ、当然の事ながら、悪いところばかりではないですよ。家族以外の外に向かっては、大変人に好かれた人で、葬式の時には300人を超える人達が会葬に。葬式というは、その人の生き様を一発(会葬者の数、コロナ禍全盛期は別)で表しますもんね。故人から世話になった人達は必ず、御礼報謝の法要であるお通夜、告別式には顔を出しますから。


学校講演では常に「短所を押さえ付けたら、長所も萎むよ。長所も、短所も、癖も、生きていく為に、天から与えてもらった道具。それを活かす、活かさんんは、本人次第だが。親の勝手な主観で、その子の善悪を決め付けたらあかんよ」と保護者達に。この曾祖父様じゃありませんが、当に『悪に強い者は、善にも強い。とことん悪い事をする人間は、とことん善い事もする。中途半端じゃない』という事かな。因みに、正月三ヶ日と盆三ヶ日は、同義にて。その精霊月の16日は、昔は奉公人の休日に。藪の深い実家に、里帰りを許される事から『藪入り』なる呼称が。


檀家の子供達から、お盆月になると度々「閻魔って、本当にいるの」と、恐る恐る問い掛けが。「さあ、拙僧、死んだ事がないからな。でも、いたらどうするよ。死んだ先で、本当に閻魔がいたら。そん時はもう間に合わんぞ。もし、あの世に閻魔がいても慌てない様に、この世で、親孝行しとけ、爺ちゃん、婆ちゃんに優しくしとけ、友達とは仲良くしとけ、嘘は付かず、正直にしとけ、なれば、あの世に逝った時、本当に閻魔がいても、慌てる事はないわな」と。この言葉、子供達に限らず、大人達にも、少なからず影響が。


次回の投稿法話は、通常通り8月15日になります。