1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 過去の自分の行動が映像化出来たら、様々面白い事が。縁の不思議さを感じる事も、犯罪を検挙出来る事も。が、プライバシー侵害問題も。

2023-08-21 06:44:00 | 法話
【この法話は、昨年10月17日に投稿したものです】

檀家のご主人が「私は子供の頃、よく北九州から愛知の方に。母親側の爺様、婆様がそこに住んでいましたので」と。対し、奥様が「この人が度々来ていたその街で、それも、目と鼻の先で、私は生まれ育ちました。もしかしたら、子供の頃にどこかで出会ってたかもしれませんね。将来、科学が発達して脳内の記憶が映像化出来る日が来たら、それこそ縁の不思議を感じるかも」と。

このご夫婦は、大学時代に東京で知り合って結婚を。この奥様が言われる様に、脳内の記憶が映像化出来たら「あっ、5歳の頃、レストランで前後ろで座ってたんだ」とか「あっ、10歳の頃、同じバスに乗ってたんだ」とか「ほう、小学生の頃、道を尋ねて、言葉を交わしてたんだ」とか。不思議な縁が掘り起こされるかもしれませんね。そんな事が調べられる時代が将来、来るんではないかな、と思ったら、何か楽しいですよね。A I みたいな物が開発されて、その夢を叶えてくれるかも。記憶を映像化出来る時代は、もうすぐ来るかもですね。

そんな事が出来るようになったら、犯罪の検挙率も莫大にあがるでしょうね。今でも、人が2、3歩、歩いた映像がカメラで残っていれば、その人物が特定出来るといいますから。人の歩き方には1人1人、特徴がありますもんね。まあ、脳内記憶が映像されるものが開発出来るまで、人類が地球に存在して居ればの話ですが。イギリスの理論物理学者であるホーキング博士(2018年没)が「そもそも地球に、知的生命体などいるのか。同族同士で殺し合う様を見ていると、人間も他の生物体と何ら変わらん」と言い放ちましたもんね。

因みに、人間を1番殺しているは『蚊』と。人間を殺している2番手は『人間』だと。地球の歴史上、絶滅していない生命体は、1種類もないとの事。身近な家族(夫婦、親子、兄弟など、心通った者同士)でさえ、限りある物(時間、お金、物など)の奪い合いで、喧嘩をば、おっ始めよる。生まれも、育ちも、言葉も、文化も、価値観も、違う国家間で争いがなくならないは、仕方ない事なのかな。豊臣秀吉公の命を狙い、釜茹での刑になった石川五右衛門(実在の人物。江戸初期の古文書で、息子と共に処刑されたとの記載が)さんが「浜の真砂が尽きるとも、世に盗人の種は付きまじ」と。1人の人間が誕生すると同時に、1つの欲もまた誕生を。未来永劫、これが途絶える事はなし。考えたら、政治というは難しい。人間の欲が相手の仕事ですもんね。

【追伸】

前にも話しましたが、拙僧夫婦は同じ時期に在学ではないですが、同じ高校の先輩後輩にて。高校時代にもし出会っていたら、家内は拙僧を絶対に選んでないと思います。何せ、生まれた時から坊主をやってた訳ではありませんので。「なに、この人」と見向きもされなかったのではないかと。出会う時期というのも、大変重要な条件かもしれませんね。『出会う人には、出会う様になっとる。それも、一瞬早くもなし。一瞬遅くもなし』と明治時代の教育者、哲学者の森信三さんが、その様に言われましたね。ただ、記憶を映像化出来たら、何かしらの接点はあるかもしれませんね。それを知るのも面白いとは思うが、曖昧な状態にしておくのも、人間関係の円滑には必要かも。時には『知らない』という事が、幸せに繋がるものも、ありますもんね。