1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 先生と生徒、上司と部下、師匠と弟子、親が子供を育てる時、短所を押さえ付けたら、長所まで萎むを、忘れない事。

2023-11-14 18:06:10 | 法話

【11月15日投稿分】


読者女性(小学生を持つ母親)が「住職さん、コロッケさんが以前、テレビ番組でこんな事を言われてましたね。『野口五郎さんの歌真似で、小指を鼻の穴に突っ込み、食べる真似をしたら、コンプライアンスに引っ掛かり、放送禁止になった。視聴者が真似するから、という理由なんですが、そんなの、真似する訳ないじゃないですか。野口さん本人はそれに対し、笑って、絶妙な突っ込みを返してくれました』と、コロッケさんが笑って話をされていました。住職さんは、このコンプライアンス問題ですが、どう思われてますか」と。


対し「拙僧は『8時だよ、全員集合』や『オレたち、ひょうきん族』世代でしてね、当時から『子供に見せたくない番組。品がなくなる』と、保護者達が騒ぎまくってましたよね。これは『親御さんは子供さん達に、真似をさせないでくださいね』で済む話にて。というよりも、真似をしたからとて、どうなる訳でもないでしょ。世の中には、コンプライアンスに引っ掛かかるものなんて、山ほどありまっせ。テレビ番組だけを規制して、何になるのかな。『やっていい事、悪い事』を家族で学習出来る媒体だと思うけどね。家庭は子供が外で触れて来たものを、濾過出来る場所であれば、それでよか。そんな家庭を親は、構築しておけばいいだけ、だと思いますけどね。まずもってくさ、子供がこの世に出て来て、まず最初(2、3歳頃)に人間の汚い部分(理不尽)に触れるは、親の言動(嘘、誤魔化し、二枚舌、夫婦喧嘩の罵倒、金遣い、時間にルーズなど)からなんだが。政治や世間や学校を批判する前に、まず親は、自分の足元を見つめる事が、先だと思いますけどね」と。


更に、この読者女性に拙僧「これは余談ですが、拙僧の息子は小学1年の時、クレヨンしんちゃんの真似をして、教室で尻出しフリフリして、担任の男性教諭からゴミ箱に体ごと捨てられました。それをその男性教諭から『こん奴は』と聞いた時、勿論、息子に注意はしましたが、家に戻って拙僧夫婦は大笑いを。その息子は現在34歳ですが、個性的(人間的に面白い)ではありますが、品なんて全く悪くないですよ。短所を押さえ付けたら、長所まで萎んでいきますもんね。日本はちょっと、規制の掛け過ぎかな」と。


さて、子供といえば、話はコロッと変わりますが、この時期になるとわが寺では、過去帳から来年の年忌法要の書き出し(調べ)を始めます。対し、事務員が「住職、来年ですね、100回忌の人がえらく沢山いるんですよ。それも、4、5歳の子供ばかり。住職の山本家にも2人、おられますよ。100年前に何かあったんですかね」と。そう言われて拙僧、はっ、と思いついたは『そうか、スペイン風邪か』と。


1918年から1920年までの、第1回パンデミックの時、当時の世界人口18億人の内、3分の1が感染し、全世界で5000万人、日本でも約40万人(外国在住まで含めると、70万人以上)が感染死したと。同時期に勃発していた第1次世界大戦での死亡者数が、約1000万人というから、感染病って、やはり怖いですよね。世界大戦中だった事も、感染死を増加させた理由であったとの事。自分の国の兵士が、訳もわからん感染病で次々に死亡。それが敵国に知れると「あの国は今、国力が落ちている」と攻め込んでこられるので、各国は口を閉じたと。そこに、中立国であったスペインが「俺んとこの国民が、変な風邪でどんどん死んでいるが、あんた達の国は大丈夫なのか」と口を開いた事が『スペイン風邪』という名称の元に。情報が世に出なかった事で対応が遅れたは、この度のコロナも経緯は同じですよね。まあ、何にせよ、来年100回忌の子供ちゃん達(わが寺の檀家)がちらほら。この子らの事を知っている人が、この世に誰1人いなくても、お寺はしっかりと、心(供養)を届けさせてもらいましょうかね。


次回の投稿法話は、11月20日になります。






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