1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 縁という縁(夫婦、親子、病気、事故、など)は全て「出会うは運命。出会ってからは努力。最後の別れには感謝」にて。

2023-11-18 21:33:58 | 法話

【11月20日投稿分】


檀家男性が仙台(赴任先)で他界、遺骨になってからお寺へ、そして葬儀を。奥さんに「その時が来たら、呼びなさいよ。行くから」と言ってたのに、気を遣い人間(この男性)が、死ぬ時まで気を遣いおって。この1年前、その男性が「住職よ、肺癌が方々に転移してな。余命半年だってよ。まあ、いいんだけどね。子供達は皆、自立出来たし、孫も見れた。が、心残りは家内の事なんだ。今、私に出来る事は、1円でも多く残してやる事ぐらいだ。家内は、天がくれた最高の贈り物。私の死後、お金の苦労だけはさせたくない。頑張れるだけ、この地で頑張るわ」と他界直前まで仕事を。行年59歳で。


この男性が生前、まだ、元気だった頃、お寺に来た折に「住職、子供達から『父さんは結婚30年で、1度も浮気心が起こった事ないの』と聞かれた。対し『ないよ。だが、そんな既婚男性は、4割はいるそうだよ』『へえ。そうなんだ。ところで、母さんの事が最も好きだったは、いつ頃の事なの』と。『母さんへの思いは、常に今日がピーク。明日になれば、明日がピークだよ。母さんは、うざい、と思ってるかもしれんが、そう思われてるのも、心地がいいんだよな』と答えたんだ。家内のお陰で最後まで、悔いのない人生を送れそうな気がするよ」と。こういうのを『虫の声』と言うんでしょうかね。


この法話(男性と拙僧の会話)を読んだ女性が「この奥様、羨ましいですね。私の彼は異性にだらしなくて。結婚すれば、落ち着いてくれますかね、住職さん」と。「女性(異性)好きっていうのは、面白い事に幼児の頃から、その片鱗が見えてるんだよな。勿論、皆が皆、そうではないよ。その人間の本性の部分かもしれんね」「えっ、そんなら、駄目じゃん」「その彼氏と結婚を考えてるんなら、ある程度は覚悟しておいた方がいいかもな。昔から『飲む、打つ、買う』という言葉があるが、君は知ってるかい」「婆ちゃんから、その言葉は聞いた事がある」「飲むというのは、お酒の事を言っている様に聞こえるが、欲を抑える事が出来ないという意味でもあるんだ。打つというは、ギャンブル、博打の事を指してはいるが、お金に対し、ルーズという事なんだよな。買うというは、君も予想出来る事を指してはいるが、つまり、異性にだらしないという事。これは、三大因縁といってね、余程自覚しないと改善は難しいかな。わが寺の檀家の中にも、この3つに当てはまる人(男性にも、女性にも)が何人もいるが、いや〜、治らんよね」と。


また、この法話を読まれた若い医師が「人間の死についてですが、余命僅かの患者さんを受ける事が数多にあるのですが、その度に心が沈んでいました。が、住職の法話の中で、老医師が『医者は、助かる人間しか、助ける事は出来ん。助からない人間を、助ける事など出来んのだ。わしに過度の期待をするな。少しは自分で治そうという努力をせい」と患者さんに言われたと。この言葉、心が救われました。そうですよね、医者は万能ではないですもんね」と。「その老医師が『人間の死亡率は、100%だ。医者は自惚れたらあかん。自分が出来る事を今、懸命にやればいいだけだ』とその様にも」と。


これは余談ですが、拙僧の法話で死(寿命)の話や葬式の話を出すと、その度に関連した質問を投げ掛けてくる読者(同じ人ではない)がおられます。先日は、読者の若者が「番組『水曜日のダウンタウン』で、お笑いの小宮さんが『お金持ちの人の葬式で、会葬者が少ないと恥ずかしいからと、会葬者の振りをして参列するバイトがあった』と言われてました。お金持ちなのに、会葬者が少ないって、あるんですか」と。対し、拙僧「なんぼでも、あるよ。葬式の会奏者の数は、故人の人柄、生き様に比例する。葬式は、その人(故人)の人間性を一発で表す。故人の交友関係者、故人に世話になった人達なら、絶対に会葬に来るでしょ。通夜、葬儀は、御礼報謝の法要だもんね。但し、この3年ほどは、コロナの関係で家族だけの葬儀が続いたけどね」と。


次回の投稿法話は、11月25日になります。






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