1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

東京在住檀家爺様が「日本食も、新幹線も、国籍問わず、誰もが優れているは、知っている。なのに何故、外国は受け入れ躊躇を。料理、整備に手間が掛かるからだ。日本人はその手間を嫌わないが、外国人は」と。

2021-07-26 11:28:42 | 法話

東京在住檀家爺様が「住職、食い物じゃが、ミシュランの星の数がどうのこうのと、フランス人が日本の食文化を査定など、フランス料理ならわかるが。そんなのに日本人も踊らされて。シドニー五輪での柔道の篠原さんの世紀の誤審もそうじゃ。柔道の真髄を知らん者が審判など。昨今柔道はまるで、レスリングだわ」と。

【追伸】この檀家爺様が「フランス料理のシェフにしたって、イタリア料理のシェフにしたって、フランス料理、イタリア料理を作らせりゃ、そりゃ、一流だろうよ、美味かろうよ。が、日本料理はそれとは違うばい。クロマグロのトロなどを、煮込んで、焼いて、クリームをかける料理人が、日本料理の真髄を知らん者が査定などするな、ってんだ」と。対し拙僧「どうしたんね、爺様。えらくお冠だが。いやいや、東京五輪が始まって、20年前の五輪、柔道の篠原さんの悔し涙の事を思い出したら、波状して、ミシュラン査定に踊らせれとる日本の事が情けなくなってな。柔道も五輪で金メダル取るより、講道館で勝つ方が難しいというしな。日本人は何でかな、何でもかんでも、外国文化にかぶれて、もう少し、日本文化の良さを見つめ直して、知識を付けないかんぞ。わしは方々の外国で勤務したから、日本の良さがよくわかる」と。




【2223話目】山梨県の恵林寺は、織田信長公に焼き討ちされ、その時、快川紹喜さんが「心頭滅却すれば、火もまた涼し」と。今一句は「滝のぼる鯉の心は張り弓のその如し。緩めば落つる元の川瀬に」と。

2021-07-23 13:51:46 | 法話

檀家若者が「住職、この1年、必死で頑張ったのに、仕事、人間関係と、やる事なす事全て裏目に。何でこう、ついてないんだろ」と落胆を。「そうか。全力でやり過ぎて、考え過ぎて、相手を気にし過ぎて、空回りしたな」と拙僧、大笑いを。「直属の上司も同じ言葉を。だけど、2人共、人の不幸に大笑いするかね」と。

【追伸】
この檀家若者に拙僧「やる事なす事、全てが裏目なんて、全くもって、凄いな。拙僧の子供が高校生の時、中間試験かなんかだったが、返されてきた数学のテストが『0点』だったんだよ。そのテスト用紙に一言『惜しい』と、先生が書き添えた文字が。息子が書いた答えが、見事に1個づつずれて、別の解答欄の枠に。枠ずれがなかったら、満点。君のこの1年と同じだな。1個ズレてたら、全て上手くいってたんじゃないのか。そりゃ、成功と同じ事じゃないの、考えようによっては」と再び、笑い飛ばしてやった。その後、この若者はグイグイ頭角を。




【2222話目】人間は皆、それぞれ事情を抱えて生きている。事情の塊が人間にて。その事情の範囲で人は、その事情に応じた人生の判断を。その事情を知らない第三者が、勝手自論を押し付けるものではない。

2021-07-21 21:26:43 | 法話

先日、80代老婆が27歳で他界された息子さんの25回忌でお寺に。法要後、老婆が「夫が早くに病死して息子を私1人で。当時、彼女さんは1年以上も息子の仏壇に。3回忌の時『もうこれで、お互い区切りを』と彼女さんに。以来、1度も。風の便りでは今、3人のお子さんとご主人と幸せな家庭を」と、深く溜息を。

【追伸】
この80代檀家老女が「住職さん、間違いなく彼女さんは『自分がいつまでも顔を出してたら』と思いやりから、恐らくあれ以来1度も。それが正しいんだ、と思います。ただ、息子が事故死した25年前の状態で、私の時間はそこでストップしたままです。私達親子とは別に、周囲の時間が進んでいる事に羨む心がないと言えば、嘘になります。こんな気持ち、住職にしか言えないので、許して下さいね」と。この老女は現在、老人ホームで1人暮らし。何かあれば、病院から、ホームから、お寺の方に連絡があり、拙僧と家内が対応する様に手はずが。







他宗住職さんが「住職のお寺は、得度出家(僧侶)は、どのくらいさせてますか」と。「殆ど、ないですね」「ほう、何故ですか」「世間を騒がせよるだけです。特に『僧侶になりたい』と言ってくる者は、要注意」と。

2021-07-21 15:28:50 | 法話
他宗住職さんが「住職の寺に『得度させてくれ』と、来るか」と。「いいえ、来られたんですか」「来た。『坊主になるから、給料くれ』と。『人を雇うだけの余裕はこの寺にはない。が、得度は最低3ヶ月は要するぞ』と言うと『えっ、数日で僧侶になれんのか』と不服顔で下山を。簡単に思えるのかな、この仕事」と。

【追伸】更に、この他宗住職さんが「この若い男、不服顔で下山する時、捨て台詞の様に『僧侶になったら、坊主宅急便に登録して、稼げると思ったのに』と。唖然として、掛ける言葉もなかった」と。「坊主宅急便が世に出てきた時、偽坊主が必ず出てくる、と予想していましたが、そんなに時間を空けずに、やはり、出てきましたよね。昨今は、何でも簡単に事を済ませる風潮が。簡単だから、当然、簡単に真似されて、簡単に偽物が出てきて、簡単に騙される。使い捨て時代の弊害だよな。全ての職業がその傾向だもんな。各職業、ほんとに本物がいなくなってきたな」と。




【2221話目】拙僧、1年365日、毎朝5時から約2時間、境内の掃除を。掃除中には、結構、新たな気づきを貰える。檀家さんから「大変ですね」と言われるが、「住職の朝掃除は顔洗って、歯磨きするに同じ」と。

2021-07-20 08:50:47 | 法話

納骨堂参拝度に境内掃除する父と子(小学生)が。前の時は父親が「見えない場所の落葉を掃除しておかないと腐葉土になって何倍も手間が」と息子に。この度は息子が大きなミミズを蟻が運ぶをじっと。父親が「どうした」と。対し息子が「片付けないと目立つんだけど、蟻さん達もご飯がないと可哀想。今、考え中」と。

【追伸】
この会話の後、父親は笑みを浮かべ、何も言わずにその場を離れ、別の場所で掃除を。親子が帰った後、そのミミズを見に行ったら、蟻さん達が懸命に運んでいた。あの子、そっちを選択したんだな、と。この一連の流れを知らない人には「掃除している時に、このでっかいミミズが見えんかったんか。何処に目をつけとるんだ」と、中には文句を言う人も。SNSの世界がこれかな。以前、檀家の社長が次の話を拙僧に持ってきた。「住職、友人とゴルフをしている時、バンカーでカラスが2羽、蛇を襲っていたを見たので、烏を追い払って蛇を逃した。が、よくよく考えると、俺達がやった事って、正しかったのか、と友人と顔を見合わせた」と。