各地で桜が咲き始め、テレビでもきれいな映像を見せてくれます。桜は何故
に こんなにきれいなのでしょうね。「華やか」 さの中に「あわれ」 さも感じさせ
ます。
梅は1輪1輪咲き始め開花期も長く思いますが、桜はいっときにぱっと開き、
わずかの間に一斉に散っていく、風でも吹こうものなら桜吹雪となって見事に
散るその様が日本古来の「もののあわれ」を感じさせるのでしょうか。
それと、桜の季節は年度の終わりと始まりで、「別れ」 「巣立ち」がうれしくも
ちょっぴり淋しい想いともなるのでしょうか。それでも、桜の元から新しい「出会
い」「出発」 (入学など)と満開の花で迎えることも出来ます。
また、これはわたし達の世代だからですが、戦争につながる思いもあります。
予科練で知られる 「若鷲の歌」は、 若い血潮の・・・七つボタンは桜に錨
貴様と俺とは同期の桜・・・ の 「同期の桜」は 見事散りましょ・・・・と続く
花は蕾の八重桜 五尺の命引っさげて・・・の 「学徒動員の歌」
など戦歌に桜が歌われています。勇ましくも悲しい想いがします。
しかし鮮やかなピンクの桜は眺めていて美しいですから、やはり
「願はくは 花の下にて 春死なん その如月の 望月のころ」
西行法師
にあやかりたいです。