夕映えに

陽が落ちるまで輝きたい、くさぐさの記録(日々の出来事、読書、スポーツ、友だち)

ライブラリーへ   その1冊 「死ぬという大仕事」

2010-03-03 19:44:02 | Weblog

   オリンピックも終わり、テレビ漬けからもやっと抜け、読書の時間
    が持てるようになりました。

   ライブラリーにて4冊借りてきました。その中から

  「死ぬという大仕事」      上坂冬子著      小学館
     ーがんと共生した半年間の記録ー
         


   昨年78歳で亡くなられた評論家の上坂さん、卵巣がんの再発
   (3年後)で肝臓、肺へと転移慈恵医大の「緩和ケア」により充実
    した日々を過ごせたが、国民2人の1人ががんに罹る時代には、
    「生活の質」と「患者の人生」を考える全人的医療が必要と・・・

   この闘病記が患者や医療界の共感を得て日本のがん医療
   ソフト化への「ターニングポイント」となればと書かれた本です。

      
内容紹介 

   追悼  最後の日まで作家として  
         
「モルヒネで眠らせるつもりならごめんですよ。」

     第 1章  がんは治すな、付き合うべし
           終末期医療と緩和医療はどこが違う
           「高齢者は進行が遅い」は迷信
                 「悶絶死」でなければ本望です。

     第 2章  医者と患者をつなぐ「命を懸けた信頼関係」
          「余命1ヶ月になるまで医者にも見通しは分からない。
            「自宅で最後」派が増えているのは誤解、緩和ケアを
            「散る桜」に美しさを感じる日本人の死生観
 
   第 3章  自分らしく生きるために
                         「「がん難民」を生む医療は許せない
           死期は自分でわかりますか?
           できることなら誰にも知られずに死にたい
             
延命治療も最後は医師の判断

  第4章   全ての患者に全人的医療を
           慈恵医大病院長が語る「医療制度の大きな課題」
           医療費抑制でなく、患者の人生を救う緩和ケアは
           「後ろ向きの医療」ではない

           上坂氏の言う「病気を診ないで病人を診る」精神
            と、日本人が失ったもの。

    上坂さんは病床にあっても「私にはまだしなければならない
     仕事がある。死ぬという大仕事が残っている」と語っての本書
      です。
  

     「がん」と言う言葉を目にするだけで、わたしには64歳で亡く
        なった姉を思い出すのです。3年弱の転移がんとの闘いでした。
        悶絶死ではないものの、モルヒネによる終末期医療でした。

          「緩和ケア」では、苦しみ(体、精神共に)を取りながら、本人の
    QOL(生活の質)を考慮しての医療ですから、全人的と言える
    のでしょう。