オリンピックも終わり、テレビ漬けからもやっと抜け、読書の時間
が持てるようになりました。
ライブラリーにて4冊借りてきました。その中から
「死ぬという大仕事」 上坂冬子著 小学館
ーがんと共生した半年間の記録ー
昨年78歳で亡くなられた評論家の上坂さん、卵巣がんの再発
(3年後)で肝臓、肺へと転移、慈恵医大の「緩和ケア」により充実
した日々を過ごせたが、国民2人の1人ががんに罹る時代には、
「生活の質」と「患者の人生」を考える全人的医療が必要と・・・
この闘病記が患者や医療界の共感を得て日本のがん医療
ソフト化への「ターニングポイント」となればと書かれた本です。
内容紹介
追悼 最後の日まで作家として
「モルヒネで眠らせるつもりならごめんですよ。」
第 1章 がんは治すな、付き合うべし
終末期医療と緩和医療はどこが違う
「高齢者は進行が遅い」は迷信
「悶絶死」でなければ本望です。
第 2章 医者と患者をつなぐ「命を懸けた信頼関係」
「余命1ヶ月になるまで医者にも見通しは分からない。
「自宅で最後」派が増えているのは誤解、緩和ケアを
「散る桜」に美しさを感じる日本人の死生観
第 3章 自分らしく生きるために
「「がん難民」を生む医療は許せない
死期は自分でわかりますか?
できることなら誰にも知られずに死にたい
延命治療も最後は医師の判断
第4章 全ての患者に全人的医療を
慈恵医大病院長が語る「医療制度の大きな課題」
医療費抑制でなく、患者の人生を救う緩和ケアは
「後ろ向きの医療」ではない。
上坂氏の言う「病気を診ないで病人を診る」精神
と、日本人が失ったもの。
上坂さんは病床にあっても「私にはまだしなければならない
仕事がある。死ぬという大仕事が残っている」と語っての本書
です。
「がん」と言う言葉を目にするだけで、わたしには64歳で亡く
なった姉を思い出すのです。3年弱の転移がんとの闘いでした。
悶絶死ではないものの、モルヒネによる終末期医療でした。
「緩和ケア」では、苦しみ(体、精神共に)を取りながら、本人の
QOL(生活の質)を考慮しての医療ですから、全人的と言える
のでしょう。