29日は、参観日。
この日は、3~5時間目がフリー参観となっていて、息子達4年生は、5時間目に2分の1成人式を行うことになっていました。
子ども達は、この日に向かって、「10歳の想い」を書いた作文を書きあげていました。
将来の夢や、日頃感じていることを書こうというものです。
私も、とても楽しみにしていたのですが、その二日前に思いもよらず腰を痛めてしまい、立てるか?歩けるか・・・?
小学校まで歩いて10分もかからない距離なのですが、見に行くことが危ぶまれました。
そんな私を救ってくれたのが、友人のYちゃん。
時々、1年生の弟と一緒に、うちに遊びに来てくれる息子の同級生のお母さんでもあります。
私がぎっくり腰になってしまったと聞きつけた彼女は、
「もし、2分の1成人式だけでも見に行けそうだったら、学校まで車で送るよ。」と、メールをくれました。
学校にも、その周辺にも車を停めることが出来ません。
彼女は、私の家に車を置いたまま学校に行って3~4時間目を参観し、昼休みの間に私を車で学校まで連れて行ってくれ、自分はまた私の家に車を置いてから、5時間目の参観までに学校へと戻ってきました。
彼女のお陰で、息子の発表が終わるまで、ちょうどクラス34人の半分ぐらいの発表を参観することが出来ました。
前に出て、一人ずつ発表した作文は、どれも一生懸命考えて書き上げたものだと分かりました。
緊張しているのか、感極まったせいなのか、発表しながら泣き出してしまう子どもも何人もいました。
息子も、下書きの段階でかなり悩んでいたようです。
「夢」というものがまだよく分からず、「サッカーチームのサポーターになる」ということを書くことにして、先生から色々ご指導を受けていたそうです。
「ママ、楽しみにしてるよ。ビデオに撮って、お父ちゃんやばあばにも見せたろな。」
と、私が言うと、
「ビデオには撮らんといて。作文のこと、お父ちゃんやばあばには内緒にしといて。。。」
と言いながら、息子の目から涙がぽろぽろこぼれ落ちてきました。
「どうしたん? 自分の思ってるのと違う作文になった?」と、聞く私に、
「将来の夢とかって、何を書いたらいいのか分かれへん。ほんまは書くことがないねん。」
と、息子は言いました。
将来の夢・自分の気持ちという、見えないものを形にすることは、息子にとってとても難しいことのようです。
先生にご指導を受けながら書いてきた作文が、いつの間にか自分の思いではないような作文になってしまったのでしょうか。
「一生懸命考えて、分かれへんかったら分かれへんでもいいんやで。
〇〇の頭の中はサッカーでいっぱいやねんろ。そのまま書いたらいいやん。
サッカーが大好きで、サッカーのことをいっぱい知りたい。サッカーの試合を観たり、自分でもサッカーしたい。
それで、大人になったら、どんなことが出来るか分かれへんけど、やっぱりサッカーに関係のある仕事がやりたい。
〇〇がそう思うんやったら、そのまま書いてみたら。」
「うん、それやったら書けそう!」
息子はそう言って、先生からもう一度下書き用の原稿用紙をもらい、一から書き直しをしたようです。
みんなの発表を聞いていると、どうやら、作文の書き方に決まりがあるようでした。
将来の夢。
なぜ、そう思ったのか。
そのためにどんなことを努力しようと思うのか。
そして、感謝の気持ち。
なので、息子の発表だけが、
「僕は、将来の夢はまだ分かりません。」で、始まります。
「サッカーが大好きで、サッカーのことばっかり考えているので、大人になったらサッカーに関係する仕事をしたいです。」と。
息子が書き上げた「10歳の想い」は、もっとサッカーのことを知りたい、もっとサッカーがうまくなりたい…と、「サッカー大好き!」の気持ちがいっぱいに溢れていました。
また、父親がスマホで調べたサッカーの色んな情報を教えてくれることや、一緒にサッカーの試合を観たり、一緒にボールを蹴ったりしてくれることを書いて、
「こうして、サッカーのことばかり考えていられるのは、お父さんのおかげです。」
と、感謝の気持ちを書いていました。
私にとっては、「サッカーのことしか」関わろうとしない主人も、息子にとっては、「大好きなサッカーのことばかり」関わってくれる父親なんだなぁ…と、少し複雑、でも良かったなぁと思いました。
以前、サッカークラブに入ろうか迷っていた息子に、
「サッカーチームに入ったら、Jリーグの試合を観に行かれへんようになるぞ!」
と、言ってしまうような主人ですが、この息子の想いを話して、
「家族で、息子の頑張っているサッカーを応援してあげよう!」と、言うつもりです。
腰に負担がかからないように、財布すら持たずに来たので、ビデオカメラは持って来られませんでした。
息子にそのことを言うと、
「父ちゃんには、(作文のことを)ママから話しといて!」と、言っていたので、
自分でも納得のいく作文だったようです。
未来のこと、これまでのこと、一生懸命考えたこの数週間こそが、2分の1成人式。
大人への階段を昇る儀式だったのだと思います。
その集大成である発表の場に連れてきてくれたYちゃん、本当にありがとう。
嬉しくて、心強くて・・・
息子達に負けず、親業、これからも共に頑張っていこうね!
と思った一日でした。