この一週間は、息子は登校することが出来ませんでした。
部活のある日は、前日から「絶対に行く!」と決めているようで、そのために余計に不安になってしまい、毎晩のように調子が悪くなってしまいます。
放課後に部活のない日や病院に行くために元々学校を休まなければならない日の前日は比較的調子がよく、当日も昼までは穏やかに過ごせるようです。
さて、昨日はメンタルクリニックの日。
この日のカウンセリングは、息子45分、私15分。
カウンセリングのの先生に息子のことを聞くと、
「前回から自分の中の不安を少しずつ言葉に出来るようになってきました。
それは、本人にとって辛い作業でもあり、時々う~っと唸るなど苦しそうにしていましたが、不安を乗り越えるためにはどうしても必要な作業なので、頑張ってもらっています。」
と。
「物を投げたり、ねぎを食べるなど突拍子もない行動はなくなったのですが、頻繁に奇声をあげます。
『き~っ!』とか、『うぉ~っ!』とか・・・。
近所に小さいお子さんがいるので、『周りの人がびっくりするから、そんな声を出すのはやめよう!』って、言ってしまうのですが、そういうのは止めたり、我慢させてはいけないのでしょうか?」
「言葉に言い表せない苦しさが『奇声』となっているのでしょうが、お母さんがそう言うと治まりますか?」
「いいえ、『そんなこと言ってる場合じゃない!』って言って、ますますひどくなります。」
「そうだと思います。
一番いいのは、その苦しさを言語化してあげることで、『どんなことが不安?』って聞いてあげたり、こんなことが不安じゃないかって思われることを言葉にしてあげられるといいのですが・・・。
実は、カウンセリングも同じ作業で、得体の知れない不安を言語化することによって、乗り越えられるものにしていくことなのです。
ご家庭で、ましてやパニックになっているような状態では難しいかもしれませんね。」
「それと、『ママ、ママ』って頻繁に呼ばれるようになって、私が風呂に入っているときや、逆にあの子が風呂に入ってるときにも、2回も3回も呼ばれます。」
「『ママ、ママ』って呼ばれることによって、ハグの回数は減っていますか?」
「いいえ、そんなに変わらないと思います。
ただ、『まずは20回ぐらいに減らそう』みたいなことを言ってました。」
「それは、自分からですか?」
「はい。私からは何も言ってませんので・・・。」
「『ママ』って呼ばれるとどうしますか?」
「私が風呂に入っているときはすぐには行けませんが、その他はすぐそばに行きます。
『不安になった!』って言うので、『だいじょうぶやで!』とか、声をかけます。
この前、すぐそばに行ってハグしているのに、何度も『ママ、来て!』って言うので、
『おるやん! ママ、ここにおるやん!』って言ったら、
『心に来て!』って、言われました。」
「それは、〇〇君が言われたんですね。」
「はい、『心に来て!』って、私はどうしたらいいんでしょうか?」
「なるほど・・・。
〇〇君が『ママ、ママ』って呼ぶ理由が少し見えてきた気がします。」
「私が〇〇に対してしていることが間違っているのでしょうか?」
「そんなことはないです。
ただ、お母さんは〇〇君に対する思いをどちらかと言えば行動で示されてきたと思うのですが、もっと言葉にしてあげられたらいいのかなと思いました。」
「言葉もかけているつもりなのですが・・・。」
「たとえば、どのようにかけられていますか?」
「たとえば、あの子が学校に行きたいのに行けなくてパニックになっているときだと、
『不安と〇〇が頑張って学校に行こうとするエネルギーが戦っていて、今は不安の方がちょっと強くて行かれへんかったけど、不安が小さくなってエネルギーが勝つようになったら行けるようになるで。』
とか、最近、よく『頭がおかしくなった、おかしくなった!』って言うので、
「おかしくなってないで~。不安が強いから、わ~ってなっちゃうけど、不安がましになったらそんなことなくなるから心配ない!』
みたいなこと言ってます。」
「それでいいと思います。」
「あの子の望んでる言葉と、私がかける言葉がかけ離れているのでしょうか?」
「お母さんが〇〇君のことを大好きで大切に思われていることは、今までお話を伺ってきた中で本当によく分かります。
それでも不安になる〇〇君には、もっとシンプルに、『今のあなたが大好き』であることをそのまま言葉で伝えてあげるといいのかな、と思います。」
今ばかりでなく、過去から未来まで、いつどんな時の息子も大好きだし大切なことは当然であって、それを自分では言葉にして息子に伝えているつもりだったけれど、息子に伝わっていなかったのでしょうか!?
「〇〇くんが『心に来て!』って言えたことは、前進ですよ。良かったですね。」
先生は、そう喜んでくださいました。
先日、ブログへのコメントで花さんが教えてくださった森田直樹さんの書籍にも、
「一日3回子どもをほめること」
「そのときに、ほめるだけでなく、心をこめて親の嬉しい気持ちを伝えること」
それが、子どもの心のコップを自信で満たしていくと書かれていました。
本を買って読み終えてからまだ数日しか経っていないので、始めたばかりですが、
「不安に負けんと学校へ行こうと思う気持ちがすごいんやで! 絶対に行けるようになるよ!」
「今日は、お風呂に入れて良かった!」
「ご飯、全部食べれたやん。頑張ったね!」
などと、声をかけるようにしています。
本で読んだこと、カウンセリングで学んだこと、それぞれに「そういうことだったんだ」と、納得がいく思いがしました。
児童精神科の先生の診察では、息子は、
「あまり調子は変わらない。」
「学校へ行くのがだいぶん近くなった。」
と、答えていました。
学校へ行けないのは変わらなくても、息子の中では登校への道のりが近くなっているのだ!
と、驚きました。
今回、リスパダールに変えて「レキサルティ」という薬を服用することになりました。
うつ状態に効果が高い、新しい薬だそうです。
「レキサルティ錠0.5mg(半錠)と、レクサプロ錠5mg(半錠)、ツムラ抑肝散加陳皮半夏エキス顆粒5g(2包)、頓服としてエチゾラム錠(デパス)0.5mgを一日4錠まで」を10日分処方されることになりました。