昨日は、息子のメンタルクリニックの日でした。
「調子はどうでしょうか?」
と、先生に聞かれ、
「部活とか授業とか頑張って終了したのに、『頑張らんなあかん』って緊張してる状態がずっと続いたままで、しんどくて限界で、叫んでしまいそうな感じです。」
というようなことを、息子は言っていました。
先生は、それをカシャカシャとパソコンに打ち込みながら、
「お母さんから見てどうでしょうか?」
と、私に聞きました。
「この数日は特に不安が強くて、『こっち来て!』『傍におって!』と、何度も言ってくるし、お風呂に入っているときさえドアの傍で待っててほしいという感じでした。
それと、サッカーの試合をしているときに、チームメイトがみんな自分に見えて、何か言ってくるみたいなことを言っていました。」
と、私が言うと、
「何か言ってくるわけじゃない!
自分が他の10人になって自分を見てるというか、うまく言われへんけど、『これでいいのか?』って威圧されてる感じ・・・。」
と、息子は言いました。
「そういうことってあるのでしょうか?」
と、私が先生に聞くと、
「私も、そういうケースは初めて聞いたのですが、被害妄想的な感じなのか、統合失調症的な感じなのか・・・、統合失調症だと、例えば、両親は本当の親じゃなくて、見張られていて・・・などと言われる方もいらっしゃいますが、彼は統合失調症の感じではないと思います。
いずれにしろ、今飲んでいるリスパダールやレクサプロは、そのどちらにもというか、幻聴や不安など幅広く対応しているお薬です。」
「この子には、薬が効かないということでしょうか?」
「いえ、原因が薬で対応できないところにあるのだと思います。
感覚過敏の対人過敏ではないでしょうか。
実は、感覚過敏のお薬は存在しないのです。
薬で治るものなら、感覚過敏の人はどんどん減っているはずですよね。
安心できる環境で、自分に合った生き方を見つけていくことが大事です。」
年末年始をはさんでクリニックが休みになるので、薬はそのまま変えずに、「リスパダールOD錠0.5mg(2錠)と、レクサプロ錠10mg(1.25錠)、ツムラ加味帰脾湯エキス顆粒5g(3包)、ビオフェルミン錠3錠、頓服としてエチゾラム錠0.5mgを一日2錠まで」を処方され、次の診察は4週間後になりました。
息子は、小さい頃から、聴覚、味覚、触覚と感覚過敏に悩まされてきました。
感覚過敏には、対人過敏というのもあるのですね。
広汎性発達性障害の特性からトラブルになることが多く、人から叱責されたり、バカにされるようなこともあったりして、息子は人と関わるのが不安で怖くなってしまったのだと思っていました。
それもトラウマ的に不安の原因になっているとは思いますが、一緒にサッカーをしているチームメイト10人が、それぞれ自分のことをどう思っているのか、そして、「自分はこの対応で間違っていないのか?」と常に意識しながら動いているわけですから、それは緊張するし、疲れるはずです。
電車に乗っていても、教室で授業を受けていても、ああ本当に辛かったんだなと、今更ながら再認識しました。
息子には、「他人本位じゃなく、自分本位で生きたらええんやで。人にどう思われるかじゃなく、どう生きていくかの方が大事やで」と、よく言い聞かせていたのですが、感覚過敏となると、自分の意志とは別で、自分ではどうしようもないところがあるのです。
「もう一回、カウンセリング受けてみいひん?」
と、息子に聞くと、
「いや、疲れるからいい。」
と・・・。
「そやなぁ。
今は部活優先で、受けたくなったらでいいか~。」
まずは、一ヶ月間のお休みを、親子でゆっくり過ごしましょうか・・・。