やっぱり幸せ♪

日常の色んなこと、特に発達障害を持つ息子との素晴らしき日々を綴っていきたいと思います。

頓服は自己調整で

2022年07月28日 | 息子の広汎性発達障害と強迫性障害、適応障害

23日土曜日は、延期になった息子のカウンセリングの日でした。

この日、私は実家の弟のところに行くことになっていたので、主人に連れて行ってもらうことになりました。

 

念のため、主人には次のように書いたメモを渡しました。

 

・相変わらず不安が強い。

 

・高校の特別活動で映画鑑賞があり、「キングダム2」を選んだので、テレビで前作を観ようとしたが、30分程で調子が悪くなった。

漫画で読もうとしたが頭に入ってこなくて、結局映画を観ることは諦めた。

 

・薬を飲むと気持ちが悪くなるのは、「もっと飲みたい」という気持ちになってそわそわする感じになる。

 

・先週の土曜日にサッカーを観に行って、エネルギーを使い果たしたのか、今週は何も出来なかった。

 

・一日に12~13時間眠っている。

 

「先生、薬、どうするって言ってた?」

と、主人に聞くと。

「自分で決めてって。

飲まへんか、1錠飲むか、2錠飲むか、一日6錠までで。」

と。

 

「エチゾラム?

ランドセン?」

 

「両方やと思う。

自己調整で、どうしたときが一番調子がいいか試してみてって。」

 

「そのわりには、処方してもらった薬はいつもと一緒やけど・・・。」

 

「ほんまや!

薬増やしてもらうの忘れてた!」

 

「頓服以外の薬は変更せえへんかったん?」

 

「〇〇が『変えなくていい』って。」

 

結局、いつもと同じで「リスパダールOD錠0.5mg(2錠)と、レクサプロ錠10mg(1錠)、ツムラ補中益気湯エキス顆粒5g(2包)、ビオフェルミン錠3錠、頓服としてエチゾラム錠0.5mgを一日4錠までとランドセン錠0.5mgを一日1錠」を3週間分もらって帰ってきました。

 

頓服用の薬は余ってきているので、増やそうと思えば増やせます。

薬を変えるとしても、調子が悪くなるかもしれないことを考えると、単位認定試験が終わってからにするべきかなと思っていたので、これで良かったのかもしれません。

 

ちなみにこの日のカウンセリングは、ぴったり1時間だったそうです。

 

カウンセリングの先生は、まだ私もお会いしたことがありませんが、

「あまり口をはさまずに聞いてくれてるって感じ。

たまに『こういうことかな?』みたいには言われるけど・・・。」

と、息子は言っていました。

 

「ああ、それと、『キングダム2』はハードル高過ぎるって言われたで。

他になかったん?」

と、主人。

 

『ドラゴンボール』とか『ミニオン』とかもあって、『ドラゴンボールにしたら?』って聞いたけど、それで感想を書くのは嫌なんやて。

 

映画を観て400字以上の感想を書けば、特別活動2時間が認定されます。

 

それを聞いたときはラッキーぐらいに思ったけれど、息子のように、人の多い所が苦手、集中が続かない、疲れやすいというような子には、やはりハードルが高かったようです。

 


幼なじみが通信制高校に転校してきた

2022年07月22日 | 日記(息子・高校生)

息子の通う通信制高校に幼なじみのY君が転校してきました。

 

Y君のお母さんとは、息子達が赤ちゃんだった頃に「もぐもぐ(離乳食)教室」で知り合い、それ以来のお付き合いです。

幼稚園こそ違いましたが、時々親子で遊びに来てくれ、ずっと親しくしていただいています。

 

Y君も、息子と同じく中学1年生の2学期から学校へ通うのが難しくなりました。

 

中学2年生のときに、先生方の配慮もあって、息子とY君は二人一緒に鉄道会社の職業体験に一日だけ参加することが出来ました。

Y君は別室登校をするようになりましたが、息子は、ときどきサッカー部か通級教室に顔を出すのがやっとでした。

 

だんだん息子達は連絡を取ることがなくなりましたが、母親どうしは時々連絡を取り合い、私は何度も彼女に励まされてきました。

 

Y君は全日制の公立高校に進学し、演劇部に入り、たまに休みながらも頑張って登校していると聞いていました。

けれど、随分無理をしていたのかもしれません。

うつ状態になり、自傷行為があったそうです。

お医者さんには、

「若い人のこういう症状を診断することは難しいけれど、『双極性障害』の可能性がある。」

と、言われたそうです。

 

Y君自身はまだ全日制で頑張りたい気持ちもあったようですが、親子で何度も話し合って、2年生の6月から息子の通う通信制高校に転校してくることになりました。

 

「生きていてこそやで。

元気でいてくれることが一番!

 

5月に上島竜兵さんが自死されたこともあり、母親どうし何度もそういう話をしていました。

 

転校直前に親子で遊びに来てくれましたが、話が弾む私達とは違って、2階でYouTubeを観ていたY君と息子はあまり会話もなく、お互いに気を遣って疲れているようでした。

 

校外学習や進路活動などの特別活動に、よく知っているY君がいれば息子も参加しやすいんじゃないか?

Y君がいれば、電車通学も不安じゃなくなるかも?

他愛ない会話をしたり、学校の帰りにどこかに立ち寄ったり・・・。

楽しいと思える時間やお互いの辛さも共有できたらいいなと、私はそんな願いを抱いていました。

 

けれど、本人達にとって、それは簡単なことではありません。

 

Y君が、もし、全日制高校をやめると決めたときの息子と同じであれば、心も体も疲弊しきっていたと思います。

そんなときに、息子でなくてもどんな言葉をかければいいか分からないし、息子自身も、

「自分やったら、どんな言葉をかけられても辛いだけで、逆に相手を傷つけるようなことを言って返すかもしれない。」

と、言っていました。

 

「Yが望めば、昔みたいに何も考えずにゲームとか出来たらいいのに…。」

とも言っていました。

 

あれから息子とY君は会っていません。

Y君は2年生なので、1年生として通信制高校に転校した息子とは受講する科目が違い、その上、息子はあまり登校していないので、未だに学校で顔を合わせることがないようです。

 

「(特別活動の)映画を一緒に観に行けたらいいな~。」

と、親どうしでは話をしていましたが、結局、息子は映画を観に行くことはなく、Y君は学校帰りに一人で観に行ったようです。

 

Y君が転校してきて感じる心強さと切なさ。

 

息子の人生は息子のもの。

Y君の人生はY君のもの。

 

親は道を指し示すことしか出来なくて、歩いていくのは子ども達自身です。

 

その道がどこかで希望へと繋がっていくことを願っています。

 

 


病名と症状

2022年07月19日 | 息子の広汎性発達障害と強迫性障害、適応障害

16日土曜日は、息子のメンタルクリニックの日でした。

 

この日は大阪ダービーがあり、息子は父親とパナソニックスタジアムにガンバ大阪VSセレッソ大阪の試合を観に行き、私だけが通院することになりました。

 

カウンセリングは翌週の土曜日に延期していただくよう手続き済みです。

来週までの薬は余分にあるため、通院するかどうか迷いましたが、学校に提出する通院証明書を書いてもらうためと、息子抜きでまた先生と話をしたいという思いがあり、病院に行くことにしました。

 

「最近の調子はいかがでしょうか?」

 

「あまり良くはないです。

今日は父親と一緒にサッカーを観に行くため、カウンセリングを来週にしていただきました。

私の方が先に家を出ることになったのですが、そのとき、『ママと離れたくない!』『絶対無事に帰ってきて!』と、なかなか私から離れられませんでした。

不安で調子が悪くなるときが多く、この前、お風呂で調子が悪くなって、いつもは裸を見られたくないというのもあり、『ドアの前におってや!』という感じなのですが、その日は、『もう無理、手握って!』と言われ、お風呂の中まで入りました。

それに、いつもぐるぐるぐるぐる家の中を歩き回っています。

途中で声をかけても止まらなくて、3時間以上歩き続けていることもあります。」

 

「不安が強いですね。

薬が効いてないように思います。

デパス(エチゾラム)を一日6錠まで増やしましょうか?」

 

『薬を飲んだら調子悪くなるから飲みたくない。』と言ってます。」

 

「デパスに限ってそれはないですよ。

胃の調子が悪いときにも出すお薬なので。

依存は強くなりますが…。

 

「眠たくなるということかもしれません。」

 

不安を除く薬なので、眠たくなるのは仕方がないです。

来週、本人に聞いてから決めましょう。」

 

「それと、学校から、通院しているという証明書を書いてもらうように言われました。

学校にも頑張って行こうとするのですが、人がいる所は調子が悪くなりやすくて、50分の授業が持たずにリタイアして出席が認められなかったり、登校出来なかったりで、半年に30時間ぐらいなら通えるだろうと思っていましたが、厳しいです。

証明書を提出すれば、少し配慮をしていただけるそうです。

確認したいのですが、息子の病名は何でしょう?」

 

「広汎性発達障害です。」

 

「以前、広汎性発達障害と適応障害だと聞いたのですが・・・。」

 

「適応障害という病名はあまり重要じゃないんです。

不安などの症状が環境要因からきているものなら適応障害と言えますが、広汎性発達障害からきている可能性も大きいです。」

 

「適応障害による調子の悪さは治ると聞いて、そう思っていました。

広汎性発達障害からくるものなら、〇〇は一生こういう感じだと覚悟した方がいいのでしょうか?」

 

「分かりません。」

 

「治るかどうか、現状では分からないのですね。」

 

「分かりません。

ただ、自分に自信を持てるようになると変わってきます。

そのために、カウンセリングをしたりお薬を出しています。」

 

息子が調子を崩した大きなきっかけがLINEトラブルであり、ストレスの原因がはっきりしていたので「適応障害」だと言われました。

 

「適応障害によるうつ状態は、ストレスの原因さえなくなれば割と早くに良くなります。」

とも言われていたので、私はもっと早くに息子の調子が良くなるものだと思っていました。

 

けれど、4年経った今でも、私が当たり前に思っていた生活は戻らず、息子は少しのことで調子を崩し、過度の不安や疲れやすさ等が続いています。

 

そもそもLINEトラブルの前から息子は不安が大きく、強迫性障害になったこともあります。

やはり根本に広汎性発達障害の特性が関係しているのでしょう。

 

学校に提出する通院証明書には、

「広汎性発達障害

 現在、不安・コミュニケーションの不得手・こだわりなどの症状が遷延しており、現在当院に通院中である。」

と、書かれていました。

 

一週間後にカウンセリングを予約しているので、「リスパダールOD錠0.5mg(2錠)と、レクサプロ錠10mg(1錠)、ツムラ補中益気湯エキス顆粒5g(2包)、ビオフェルミン錠3錠、頓服としてエチゾラム錠0.5mgを一日4錠までとランドセン錠0.5mgを一日1錠」を7日分処方されました。

 

 


体育の実技テスト

2022年07月14日 | 日記(息子・高校生)

昨日は、息子の通信制高校の体育の実技テストがありました。

 

体育は、本来実技テストになっていますが、実技テストを受けるのが困難な生徒は前もって筆記テストを申し込むことが出来ます。

ただ、その筆記テストが1時間目にあるため、朝は調子の悪い息子は受験できない可能性があります。

 

実技テストの内容が息子達1年生はバドミントンと発表され、しばらく学校に通えなくなった経緯のある種目だけに悩みましたが、息子は、5時間目に行われる実技テストを受けることを選択しました。

 

バドミントンの授業で自信を無くした息子は、その後、体育の実技に出席することは出来ず、2時間の体育講義を受け、6時間の代替視聴レポートと2枚の通常レポートを提出しました。

 

もし、1時間目から登校して筆記テストを受けることが出来なかったら、これらの努力は実らず、単位を取ることが出来ません。

「実技テストは、出席すれば、ほぼ合格できる」と聞いたこともあり、5時間目からの実技を選んだのです。

 

当日は、1時間程、家の中でサーブやラリーの練習をしました。

最初はラケットの真ん中にシャトルを当てることが難しかった息子でしたが、少しだけコツをつかんだようでした。

 

当然ながら天井や壁にシャトルが当たり、全くと言っていいほどラリーは続きませんでしたが、息子同様に下手な私が相手だからか、楽しそうに練習していました。

 

でも、1時間ぐらいの練習で上手くなるわけがありません。

実技テストは、サーブ、ドロップ、レシーブ、ラリーだったのですが、緊張が強すぎて、どれもうまく出来なかったそうです。

 

息子は悔しがっていましたが、

「単位を取ることが目標やから、充分! よくやった!!」

と、労いました。

 

もっと前から練習出来れば…と、思うのですが、息子の場合はそうもいきません。

 

相変わらず、落ち着かない日々が続いていて、一日に何時間もぐるぐると家の中を歩き回っています。

 

何を考えているのか、途中で声をかけても、息子は、

「お願い! 話しかけんといて!」

とか、

「あとちょっとで終わるから!」

とさえぎって、延々と、長いときでは3時間以上も休みなしでビニールのボールを蹴りながら歩き回るのです。

 

そして、

「疲れた~!」

と、エネルギー切れになってしまいます。

 

歩き回るエネルギーをバドミントンの練習にと思って何度か声をかけましたが、息子は歩き回ることをやめられないのです。

 

そうした中で、勇気を出して受けたバドミントンの実技テスト

 

よくやった!!

 

 

 


息子に完敗

2022年07月07日 | 日記(息子・高校生)

最近、息子とよく話をするようになりました。

 

この日は、セレッソ大阪を退団した乾選手の話から始まりました。

乾選手は、4月のJリーグ柏戦、途中交代の際に暴言を吐いて、6試合の出場停止処分を受けました。

処分が明けても乾選手は全体練習に合流せず、クラブと色々話し合った末、クラブとの関係が修復不可能な状況から契約解除となったそうです。

 

「あんなにセレッソ好きやったのに・・・。

スペインから帰ってきて、セレッソ優勝させるのが夢やって言ってたのに・・・。」

と、息子の中ではまだ納得がいかない様子。

 

暴言を吐いたことは悪いことだけれど、退団に追い込んだクラブにも非があるはずだと息子は思っているようで、

「どう考えたらいいと思う?」

と、私に聞いてきました。

 

「どうもこうも、詳しいことが分かれへんのに何とも言われへん。

話し合って、お互いが一番いい方法をとったんと違う?」

と、私は言いましたが、息子は、

「乾は、日本的な考え方には合えへんかったってことやろか。」

と、言いました。

 

海外では、自分のことを強く主張しなければやっていけないところがあるのでしょう。

一方、日本では、和を乱すな!上の物に従え!的なことがあるということでしょうか?

 

「日本じゃ、話し合いになったら終わり!

勝つか負けるかや!

そうじゃなくて、意見をぶつけ合っていい方向に持っていかなあかんのに・・・。」

と・・・。

 

乾選手も、クラブも、セレッソ大阪を良くしたいという思いはきっと同じだったと思います。

 

そんな話から、今は学校でもディスカッションの授業が重要になっているとか、学校では、先生の言うことに従えみたいになってるけど、先生の言動におかしなことがあったとか、そういう話になりました。

息子は、数人の中学校の先生に今でも不信感を持っているようでした。

 

「ママは、中学、高校の頃、おかしいと思えへんかったの?」

と、聞かれ、

「中学、高校って、あんまり先生と関わった記憶ないなぁ。

授業を教えてもらってるって感覚だけで、クラブも入ってなかったし、なんか相談したってこともないし・・・。」

と、言うと、

「授業や集会で話してるときに、『普段あんなこと言うお前がそれ言うか?』みたいに思えへんかった?」

と、息子は聞いてきました。

 

「30年以上も前の話やし、全然記憶に残ってないわ。

だいたいの話は聞き流してたしなぁ・・・。

通級の先生が言ってたやろ。

100%じゃなくて、状況に応じて60%ぐらいで聞いたらいいって。」

 

「話の半分ぐらい聞かんでもいいってこと?」

 

「聞かんでいいっていうか、大事なことだけ覚えといたらいいというか、話の中には、前振りとか、建て前とかあるし、冗談入れる先生もおるやん。

○○はどれが大事か分かれへんから、全部聞こうとして疲れるんやな。」

 

「俺は、普段言ってることと違うこと言う先生にすごい違和感感じる。

授業の中の話でも、この考え方どうなん?とかいちいち考える。」

 

「話し方の好き嫌いはあったで。」

 

「話し方じゃなくて、内容。」

 

「う~ん、ねちねち話す先生は嫌やったけど・・・。」

 

「それは、嫌かもしれんけど。」

 

「基本、『先生は正論を言う』って思ってたからなぁ。

ほとんど聞き流してた気がする。」

 

そんな感じの話の流れの中で、

「聞き流してしまって、大事なこと気付かへんかったらどうするん?」

と、息子が涙目になりながら聞いてきました。

 

「中学の卒業式で、クラスに一人、卒業式に出られへんかった子おったやろ。

『席には座られへんけど、証書はみんなと一緒のようにもらいたい』

って、言っててんて。

学校来られへんかっても、最後にこれだけは頑張りたいって思ってるのに、何で認められへんかったんやろ?

俺は自分のことで精一杯で、自分だけみんなと一緒に卒業式出られたって、喜んでた。」

 

「○○は、あのとき本当に頑張ったもん。

自分のことでもう精一杯やったやん。」

 

「でも、あのとき気付いてたら、何か出来たかもしれへん。

誰にも気づかれへんくて困ってる人のこと、俺は気付いて助けたいと思ってる。

人だけじゃなくて、鳩とかも・・・。

そうは言っても、自分のことしか考えられてないって言われればそれまでやけど・・・。」

 

息子は、駅のホームに鳩がいるのを見て、列車にひかれないかを何度も確認しに行ったり、道路に落ちているゴミを、動物じゃないかと確認しに戻ったりすることがあります。

 

「きっと、ママには気付かへんことも、○○だから気付けることがたくさんあるんやと思う。

○○は、そういう人を助けるような人になるんやろなぁ。

そのためにも、思ってることを言語化する力とか、いろんなことを身に付けてほしい。

いくら能力があっても、そういうことを思ってない人に人は助けられへんけど、○○にはきっと助けられる!」

 

自分のこともままならない息子ですが、そんなことを考えたり、人を思って涙するのだと驚きました。

 

高校生の頃、自分のことで精一杯だった私は、「困っている人を助けたい」なんて思いもしませんでした。

十代の私は、息子に完敗です。

 

今でも、その優しさや純粋さの足元にも及びませんが・・・。

 

 


弟のひきこもるきっかけ

2022年07月01日 | 日記

2週間に一度、私は実家に帰って、末の弟と過ごす時間を作っています。

たいていは昼からの半日なので、昼食を一緒に食べ、買い物をして、ごみ出しなど少しの片付けをするのがやっとです。

 

その中で特に昼食を食べながらのお喋りタイムは大事です。

息子の近況や、私の愚痴も聞いてもらいながら、弟の話に耳を傾けます。

 

現在、弟は週に4回、昼から2時間だけ「就労継続支援B型事業所」に通っています。

 

20年以上ひきこもっていた弟が「就労継続支援B型事業所」に通い始めたのは、去年の9月。

最初は週2回から始め、今では週に4回となりましたが、それがやっとで、今でも体力のなさを感じるそうです。

 

ひきこもっていた頃の弟は、庭の手入れなどをしてくれる余裕がありましたが、今はそれどころではなく、裏庭の雑草が私の背丈ほど伸びていますが、今の私にも雑草を抜く余裕(時間)がありません。

 

「就労継続支援B型事業所」では、月に一度面談があるそうです。

先日の面談で、弟がひきこもるきっかけになったと感じる出来事を話したそうで、事前にA4のコピー紙5枚にまとめておいたという文書を読ませてくれました。

 

その5枚の文書は、実は50枚もの文書を書いた後で、削って削ってまとめたものだというから驚きました。

 

詳しいところまでは書けませんが、ざっとこんな話でした。

 

中学生の頃、よく騒いで問題を起こすA君が、自分の物を誰かに盗まれた、誰かが持っているはずだから持ち物検査をしてほしいと騒ぎ出し、驚いたことに担任がそれを認め、持ち物チェックをすることになったそうです。

 

結局、A君のカバンからその物が見つかり、

「な~んだ、俺が持ってたんか!」

というようなことを言って、笑って済まそうとしたので、

「人を泥棒扱いしといて、それはないやろ!

みんなに謝れ!!」

と、弟がブチ切れ、怒鳴ったそうです。

 

そこから、日頃からA君のことをよく思っていなかったクラスメートからも非難の声が上がるようになり、いじめ的なことをする子が出たのかもしれません。

気が付けば、弟がいじめの首謀者のようになっていて、何度も担任から説教されたり、反省文を書けと言われたそうです。

 

ところが、弟は、

「いじめなんてしてない!

おかしいことをおかしいと言っただけや!」

と、認めることは出来ません。

 

そのためなのか、弟は、担任から見せしめのように説教され続け、反省文の書き直しを何度も何度も命じられたそうです。

 

結局、いじめたとされる生徒と親が呼び出され、順番にA君親子に謝る場が設けられたようです。

 

「ほんまにいじめてないんやな?」

と、母に念を押され、弟は、

「いじめてない!」

と、答えたそうです。

 

順番にみんなが謝っていく中、最後に母は、

「私は、『いじめていない』という息子を信じます。

納得してもらえないなら、出るところに出る覚悟はあります。

人を疑うなら、それなりの覚悟があってのことでしょうね!」

というようなことを言って、席を立ったそうです。

 

その後、別の教師が追いかけてきて、

「若い教師がすみませんでした。」

と、母と弟に謝ったそうです。

それからは、その出来事について全く何もなかったようにされてしまったということでした。

 

そのことがあってすぐに弟がひきこもったわけではありませんし、原因の一つにしか過ぎないのでしょうが、弟の中では、理不尽なことにどう抗えばいいのか?、という大きな不安になったようです。

 

50枚も書き綴ったというこの出来事に、

「何十年も昔のこと、よく覚えてるね!」

と、言うと、

「ひきこもってたから、後の歴史がないから・・・。

何度も何度も繰り返して、どういうことなんか考えてた。」

と、弟は言っていました。

 

弟にも広汎性発達障害があります。

もしかすると、正論をぶつけて、それでA君を傷つけるようなことがあったのかもしれません。

 

問題児とはっきり分かるA君と違い、見た目には問題のなさそうな弟にも本当はサポートが必要だったのだと思います。

 

知らないうちに加害者になったり、被害者になったり・・・、息子のことを思い出しました。

 

「息子を信じます。」と言い切ってくれた母の言葉が救いです。