息子が小学校に入学してしばらくの間、登下校の際に色々なトラブルが起こりました。
息子の通う小学校は、集団登校はありません。
住宅地から小学校に通う子どもが多かったので、男の子同士集まって、7時40分になったら、集まった子ども達で出発するという形でした。
息子は、人との距離感がつかみにくいせいか、友達にひっつきすぎたり、ランドセルをぶつけてしまったりすることがありました。
一部、田んぼの側溝が通学路になっていて、ぶつかった勢いや、そこからケンカになってしまって、自分かもしくは友達が田んぼに片足がはまってしまうということが何度かありました。
また、登下校の途中で、帽子や水筒などをとられ、投げ捨てられるということが頻繁に起こりました。
息子はそれを拾わずに、家に帰ってきてから私に報告するので、よく二人で取りに行ったものです。
多分、投げ捨てた子どもも「どうしたものか?」と思ったのか、道の端にちょこんと置かれていることがありました。
そこは、分かれ道になっている所で、通学路から外れて何歩か歩けば取れる場所だったのですが、息子は、「寄り道できない!」と、頑なに取りに行くことをしなかったようです。
また、複数の児童から一度に話しかけられたりすると、息子はパニックになってしまい、「わ~っ」と大声をあげながら走り去っていたようです。
そういうことが重なって、息子も登下校がストレスになり、私が息子の登下校に付き添うことになりました。
多分、息子にとって、通学に慣れるまでは戸惑うことばかりだったのでしょう。
たくさんの児童が、しかも並んで歩くのではなく不規則に、お喋りしながら登校している姿を見て、どんな風に歩いたらいいのか分からず、いきなり友達の間に割って入ったり、大きな声で喋りだしたり・・・。
だから、ちょっと変わった子・・・と、周りに思われていたようです。
ある日、いつものように登校に付き添っていると、前の方を歩いていた女の子達の一人が、いきなり、
「〇〇って変な奴だと思う人、手を上げて!」と、言い出しました。
多分、2年生か3年生か、息子より学年が上の女の子達です。
周りの女の子達がくすくすと笑いながら、「は~い!」と手をあげると、次は、
「〇〇のこと嫌いな人、手を上げて!」と、言いました。
心臓が破裂しそうでした。
息子が不憫でたまらなく、この子達に何て言おうかと、考えを巡らせていました。
その時、「やめろ!」という、男の子の声がしました。
同じ幼稚園に通って、放課後サッカーを一緒に習った一学年上の男の子が、偶然近くを歩いていて、その子が、
「俺の友達や!」と、言ってくれたのです。
からかいは、ぴたりと止まりました。
「◇◇君、ありがとう」と、言うと、
彼は、恥ずかしそうにペコリと頭を下げ、どんどん先に行ってしまいました。
「かっこいいね。◇◇君みたいになりたいね・・・」
息子に言い聞かせながら、私自身が強くそう思いました。
その後、学校の先生に登下校のことを相談したり、私自身も息子に付き添いながらトラブルを解決していく中で、徐々にトラブルもなくなっていき、息子も登下校のルールが分かってきました。
そして、9月の末、
「一人で学校に行くから!」と、息子自ら言い出すようになりました。
それから、問題になることなく息子は通学しています。
心配で夜も眠れなかった日も、嬉しかった出来事も、今では全ていい思い出です。