イエスは荒野で40日過ごした後、ご自分に水のバプテスマを施したヨハネの所に戻って来られました。イエスが近づくと、ヨハネはイエスを指さして、「見なさい、世の罪を取り去る、神の子羊です!これこそ、私の後に、私の前を進んだ人が来る、私より先に存在された方だから、と私が言ったその方です」と、傍にいる者たちに大きな声で言いました。ヨハネはいとこのイエスより年上ですが、自分より先にイエスが天で霊者として存在しておられたこよを知っているのです。
それでも、数週間前にイエスが水のバプテスマを受けに来られた時には、イエスがメシアになるべき方であることを、ヨハネは確実には知らなかったようです。ヨハネはそのことを認め、「私もこの方を知りませんでしたが、私が水でバプテスマを施しに来たのは、この方がイスラエルに明らかにされるためでした」と、語りました。
イエスに水のバプテスマを施した時に何が起きたか、ヨハネは聞いている人たちに説明を続けました。「私は、霊が天から鳩のように下って来るのを見ましたが、それはこの方の上にとどまりました。私もその方を知りませんでしたが、水でバプテスマを施すように私を遣わした方が、「あなたは霊が下ってある人の上にとどまるのを見るが、それがだれであろうと、その者こそ聖霊でバプテスマを施す者である」と、私に言われました。そして、私はそれを見たので、この方こそ神の子であると証したのです」。
次の日、ヨハネが弟子二人と一緒に立っていると、またイエスが近づいて来られたので、ヨハネは、「見なさい、神の子羊です!」と、言いました。すると、水のバプテスマを施す人ヨハネのその二人の弟子は、イエスの後に付いて行きます。片方の弟子はアンデレ、もう一方の弟子は、これらのことを記録した本人の、彼の名前もやはりヨハネです。察するところ、このヨハネも子イエスのいとこで、マリアの姉妹サロメの息子のようです。
イエスは振り向いて、アンデレとヨハネが後に付いて来るのを見、「あなた方は何を求めているのですか」と、二人にお尋ねになりました。「ラビ、どこに滞在しておられますか」と、二人はイエスに尋ねました。イエスは、「来てごらんなさい。そうすれば、あなた方は見るでしょう」と、お答えになりました。
時刻は午後の4時頃でした。アンデレとヨハネは、その日の夕刻までイエスの所にとどまりました。後にアンデレは、非常に興奮して、ペテロと呼ばれる、自分の兄弟を捜しに大急ぎで出かけて行きました。そして、「私はたちはメシアを見つけた」と、ペテロに話し、ペテロをイエスの所に連れて行きました。同じ時に多分ヨハネも兄弟のヤコブを見つけてイエスの所に連れて来たようです。しかし、いかにもヨハネらしくそのような個人的な情報は自分の記した福音書から省いています。
次の日、イエスはフィリポを見つけます。フィリポはアンデレやペテロと同じく、ベツサイダの出身です。イエスは、「私の追随者になりなさい」と、彼に言われました。
それから、フィリポは、バルトロマイと呼ばれるナタナエルを見つけて、「私たちは、律法の中でモーセが、そして預言者たちが書いた方、ヨセフの子で、ナザレから来たイエスを見つけた」と、言いました。しかし、ナタナエルは疑わしく思い、「何か良いものがナザレから出ることが有るだろうか」と、言いました。
「来て見なさい」と、フィリポは勧めます。二人がイエスの方に向かってやって来る時、イエスはナタナエルについて、「見なさい、確かにイスラエル人、その内に欺まんのない人です」と、言われました。「あなたが私のことを知っておられるのはどうしてですか」と、ナタナエルは尋ねました。「フィイリポがあなたを呼ぶ前、あなたがいちじくの木の下にいた時に、わたしはあなたを見ました」と、イエスは言われました。
ナタナエルは驚いて、「ラビ(ラビとは師という意味)、あなたは神の子です。あなたはイスラエルの王です」と、言いました。「いちじくの木の下にいるのを見たと私に言ったので、あなたは信じるのですか」と、イエスは尋ね、「あなたはこれより大いなる事を見るでしょう」と、言われました。そして、こう約束されました。「きわめて真実にあなた方に言いますが、あなた方は、天が開けて、神の天使たちが人の子イエスのもとに上り下りするのを見るでしょう」。
その後すぐにイエスは、新たにでしになったばかりの人たちと共にヨルダン渓谷を去り、ガリラヤに向かって旅をされます(ヨハネ1:29~51)。
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ちぎり絵に 描かれており カラスウリ 今日の一句
ちぎり絵の「カラスウリ」