約50年も前のシンガポールでの同僚の思い出があります。
当時中近東のKuwait政府向けの天然ガスを燃料とする火力発電所の設計を担当し、帰国時にシンガポールでJALに乗り換えて帰ることがありました。
シンガポールに昼過ぎに到着し、JALに乗り換えるには翌日の昼頃の予定でした。そのため同僚とシンガポールのホテルに一泊(当時ホテル代は航空運賃に含まれていました)することになりました。そのため同僚と入国手続きを始めたところ、同僚は髪を長くし、どちらかと言えば女性に見える感じでした。幸い男性であることはすぐに分かってくれましたが、シンガポールの法律では、男性が髪を長くしてはならない、男性は男性らしく髪を短くカットし、清潔でなければならない、と言って、その場で直ぐに髪をカットするように、と指示されました。同僚と私は何とか入国の許可を与えて欲しいと、交渉した結果、「明日出国までに指定通り髪をカットするなら、入国を許可する。その代わり、パスポートは取り上げる。約束を守り髪を短くカットしてきたらパスポートは返す」と言って、同僚のパスポートは取り上げられました。
シンガポールにはそのような法律があることを知らなかったとはいえ、止むを得ないので、同僚はホテルでハサミを借り、鏡に向かって泣く泣く髪を短くカットしました。翌日空港に行き、出国手続きの時、約束通り髪を短くカットしたことをチエックし、同僚はパスポートを返してもらえました。このようにお国によっては思いがけない経験をしました。
(その同僚は髪が長く出張先のKuwait政府の火力発電所の建設現場では、たびたび女性に間違われ、守衛に男性であることを伝えても信じないで、男性かのチェックのため、必ず胸を触られました。胸を触って間違いなく男性であることを確認し、ゲートを通してもらえました。当時火力発電所の建設現場には女性は入れない規則があったようです)
当時シンガポールはとても清潔な街で道路にはごみ一つ落ちていない感じでした。また果物の豊富な食べ物がとても美味しかったです。加えて私はホテルのカウンターにカメラを置き忘れ、そのまま空港に出てしまいました。空港に着いてカメラを忘れたことに気付き、大急ぎでタクシーでホテルに引き返しました。すると、カメラはきちんと保管され、高級なカメラが盗まれるようなこともなく、とても安全な国と思いました。
約50年前のシンガポールでの予想できなかった経験の思い出です。私は今は郷里に帰り過ごしていますが、その時の同僚も元気に過ごしているか、どうかが気がかりです。
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