核廃絶は人類の課題
侘助 今から30年も前になるが、哲学者の柴田進午が述べていた。現代世界の課題は地球環境問題であるとね。
呑助 地球温暖化とか、そういうことですかね。
侘助 最大の課題は核問題だよ。核開発を直ちに止めることなしには世界の未来はないのではないかと言っていた。
呑助 核問題ですか。日本は広島、長崎、福島と各放射能による被害を受けている国ですからね。
侘助 柴田氏は法政大学から広島大学に転任し、広島に住むことによって核問題が自分自身の問題になったと述べていた。全世界の人々は核廃絶のために協力できるということを主張していた。
呑助 日本政府を初め、アメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランスなど核開発を進めている国がありますね。
侘助 北朝鮮が核兵器開発と大陸間弾道弾の開発をしているようだしね。
呑助 冷戦が終わり、核戦争の恐怖は遠のいたように感じていたんですが、再びアメリカと中国、ロシアの間で核軍拡競争が始まるのではというような状況が出て来ていますね。
侘助 核戦争は人類の滅亡になるということをアメリカも中国、ロシアは分かり切っているのに止められない。互いに相手の国が信頼できないからなんじゃないのかな。
呑助 徹底的な不信感ですね。この不信感を乗り越えてソ連のゴルバチョフとアメリカのブッシュ(父)大統領は冷戦を終結させたのは凄いことだったんですね。
侘助 共産主義者も反共主義者も核兵器廃絶のためには協力した実績を残した。
呑助 アメリカにおける共産主義に対する不信感は強いようですね。
侘助 トランプ大統領の2019年の一般教書演説の中でもアメリカは共産主義に打ち勝ったと胸を張って演説していたからな。
呑助 資本主義は共産主義と共存することができないということなんでしょう。
侘助 冷戦終了後、ロシアでも中国でも社会主義的な政策を止めると資本主義社会になるのではないかと欧米諸国は考えていたがそうはならなかったということのようだ。
呑助 フランス共産党は大きな政党のようでしたが、冷静終了後、雲散霧消してしまったようですね。
侘助 世界的な社会主義運動にとってソ連共産党の誤りは大きな大きな汚点を残した。その一つがフランスやイタリアにおける共産党の解体があった。
呑助 いっとき、ユーロコミュニズムがマスコミを賑わしたことがありましたね。
侘助 20世紀は資本主義と社会主義とが戦った戦争と革命の世紀だったが21世紀は資本主義と社会主義とが協力し、人類の生存を保障する世紀になるのではないかと思う。
呑助 世界には20世紀から引き継いでいる資本主義と社会主義との対立があるが、この対立より厳しい対立が出て来たということなんですか。
侘助 そうなんだ。人類の存続をかけた対立だ。それは核の廃絶だ。自民党の石破茂さんは原子力発電をすることは、抑止力になると述べているからね。
呑助 原子力発電が核抑止力になるんですか。
侘助 少なくとも石破茂氏は原子力発電をしてプルトニウムを持つことはいつでも核兵器を作ることができるぞと、どこの国を敵だと見なしているのか分からないが脅していると言っている。
呑助 抑止力とは、脅しですか。
侘助 我が国はいつでも核兵器製造ができる国なんだぞと敵だと見なす国々を脅すことによって日本の安全が保障できるんだという考えを石破氏は持っている。
呑助 石破氏のような考えの人に対して核廃絶をしましょうということが21世紀の課題だと言うことなんですか。
侘助 石破氏と同じような考えの方たちは反共主義者に多いのかもしれない。その反共主義者と協力することなしには核廃絶は難しい。